2022.12.14 12:00
© 朝井リョウ/集英社・2023 映画「少女は卒業しない」製作委員会
2022.12.14 12:00
2023年2月23日(木・祝)より新宿シネマカリテ、渋谷シネクイントほか全国公開される映画『少女は卒業しない』からメインビジュアルと予告が公開された。
本作は、廃校が決まり校舎の取り壊しを目前に控えた、とある地方高校が舞台。世界のすべてだった “学校”と“恋”にさよならを告げる4人の少女たちの、卒業式までの2日間を描いている。
原作は『桐島、部活やめるってよ』や『何者』など、映像化作品も数多の直木賞作家・朝井リョウが2012年に発表した連作短編小説 『少女は卒業しない』。10年の時を経て映画化される本作の監督・脚本を手掛けたのは、短編映画『カランコエの花』が国内映画祭で 13冠を受賞し話題を呼んだ中川駿。
彼氏へのある“想い”を抱えながら卒業生代表の答辞を担当する料理部部長の主人公・山城まなみを演じるのは、本作が初主演となる河合優実。将来の夢のために進路の違いで彼氏と離れることを選んだバスケ部の部長・後藤由貴役には、小野莉奈。軽音部の部長で同じ部内の中学校からの同級生に恋心を抱く神田杏子役は、小宮山莉渚。クラスに馴染めず図書室に通いながら先生に密かな想いを寄せる作田詩織役を中井友望が演じる。
この度公開されたメインビジュアルでは卒業式を目前に控えた、まなみ(河合優実)、後藤(小野莉奈)、神田(小宮山莉渚)、作田(中井友望)の4人の少女たちがそれぞれに思いを寄せる相手とのひとときが切り取られている。桜満開の下、仲睦まじい姿を見せるまなみと恋人の駿(窪塚愛流)。卒業後離れ離れになることが決まっている後藤と寺田(宇佐卓真)、幼なじみの森崎(佐藤緋美)と自転車の二人乗りをしながらの下校途中、どこか嬉しそうな表情の神田。坂口先生(藤原季節)の後ろ姿を静かに見つめる作田。“学校”と“恋”から卒業する少女たち、残された2日間にみせる彼女たちの瑞々しい表情が切り取られたビジュアルとなっている。
そして予告編では「明日取り壊されるこの学校とこの恋にさよならする」という河合のナレーションからはじまり、4人の少女それぞれの卒業の物語が語られていく。本映像で初解禁となる20歳のシンガーソングライター・みゆなが手掛けた主題歌も、卒業の切なさと卒業後の新しい世界への期待感を感じさせる楽曲で後押しする。東京への進学が決まっている後藤と地元に残る寺田、もうすぐ離れ離れになるというのに微妙な空気が流れ口も聞けなくなっていた。本当は離れたくかったー素直になれないままこのまま卒業を迎えてしまうのか。
クラスに居場所がないまま卒業を迎えようとしている作田。淡い恋心を抱いていた図書室の管理をする坂口先生に、今日も会いに行く。卒業式を目前にクラスメイトと話をしてみたいと思い始める作田、先生は卒業を前に変わろうとする作田の背中を押す。軽音楽部の部長・神田は幼馴染の森崎にひそかに思いを寄せている、森崎が率いるビジュアル系バンドの衣装が紛失し卒業式ライブができないかもしれないという危機に。そんななか神田にはだれにも知られたくない秘密があった。卒業式当日、“卒業生代表・山城まなみ”と呼ばれるがすぐに立ち上がることができない…舞台上に立ったまなみが流す涙の真相とは。
またこの度、原作者の朝井から鑑賞後コメントも到着した。
朝井リョウ(原作者) コメント
鑑賞後、心底、このチームに製作していただけてよかった、と思いました。良質な映画を観たあとにしか得られないあの独特の幸福感を胸に劇場を出ると、普段は社会人の顔をしている関係者陣が皆同じように目をトロンとさせていたので、だよね、超よかったよね! とタメ口で話しかけそうになりました。自著が原作の映画をこんなにも褒めてしまうのは、非常に巧みで適切な改変のおかげで、原作者というより一人の観客という距離感で映画に臨めたからです。オリジナルのシーンが尽く素晴らしいこと、この題材でターゲットを選ばない作品に仕上げていただいたこと──沢山の有り難さを噛み締めています。この映画から旅立っていくキャストの方々の未来まで、楽しみになりました。