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INTERVIEW

伝説的ギタリストを愛する2人の世代を超えたスペシャル対談

アンドレ・レリス×Katzuya Shimizu、映画『ランディ・ローズ』で呼び起こす自らの原点

2022.11.19 17:00

2022.11.19 17:00

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音楽が人の人生を変えてしまうことがあるのはとても興味深い(アンドレ)

Katzuya 実は僕が高校生だった当時、身のまわりでいちばん流行っていたのがメロコアで、「ギター・ソロなんか弾けなくてもパワー・コードさえ弾ければバンドはできるよ!」という時代だったんです。そこで僕はひとり、教室の隅でランディ・ローズをコピーしていたんだけど、誰からも理解してもらえなかった(笑)。

アンドレ 完全に浮いていた、と(笑)。僕自身がいちばん影響を受けたのはセックス・ピストルズということになるかな。十代の頃、自分のアイデンティティってものがわからなくなり「自分のルーツには何があるのか?」と考えたことがあった。で、たまたま16歳の頃にサンフランシスコの祖母の家を訪ねた時に、車を運転していたらセックス・ピストルズのカセットがあったのでそれをかけてみたところ、結果的には3時間のドライブ中ずっとそれを止めることができなかった。あの時の経験が自分にとっては決定的だったし、それによって人生が変わったと言ってもいいくらいだ。歌詞といいあのアティテュードといい、ゴリゴリの反体制みたいなところが当時の僕にはすごく響いた。ただ、ピストルズに人生を変えられたやつなんてめずらしいんじゃないかと思っていたら、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロもインタビューで同じことを言っていた。そうやって音楽が人の人生を変えてしまうことがあるというのは、とても興味深いことだなと思う。

Katzuya 確かに。その意味では僕もランディに人生を変えられたようなところがあります。しかも今回の映画を観て気付いたのは、自分にもちょっとランディに似ているなと思える部分があることで。酒浸りで不摂生をしているオジーのことを彼が心配して「そんなことしてたら病気になるよ」みたいに言っていたという話がありましたよね? ロック・ミュージシャンって、不健康で破天荒でナンボみたいなところがありますけど、ランディはそれとは真逆ですよね。僕もその姿勢には賛同するところがあって、アルコールもたしなむ程度だし、ましてやドラッグになんか手を出すこともないし、むしろ健康でありたい。ランディも実際そういう人だったんだなというのを知ることができたのも、この映画を観て嬉しかったことのひとつなんです。

アンドレ 重要なポイントだね。ランディのクリーンでシリアスな一面というのは注目に値すべきものだと思う。これはあくまで僕個人の考えではあるが、ブラック・サバスを脱退してソロに転身したオジーにとって、他の誰でもなくランディと組んだことが決定的な何かをもたらしたんだと思っている。彼との出会いがなければオジーのソロ・アーティストとしての活動は軌道に乗らなかったんじゃないだろうか。僕が言いたいのはランディのほうが地に足が着いていたし、そんな彼がいなければあの最初の2作品が生まれることもなかったんじゃないか、ということだ。パーティ野郎でもロック・スター気取りでもない彼、あくまでシリアスなミュージシャンである彼と組めたからこそ、オジーは現在のように生ける伝説のような存在になり得たのだと思う。ランディ・ローズなくしてオジーはなかったはずだという認識がもっと広がっていいはずだと僕は考えているし、この映画はそれを伝えたいからこそのものでもあったんだ。

Katzuya それは伝わるはずだと思います。あと、実は僕自身もバンドをやりながらギターを教えているんですね。僕の生徒たちも絶対観に行くと言ってるんです。

アンドレ ランディと同じ道を歩んでいるんだね。素晴らしいことだと思う。君のようなミュージシャンにこの映画を応援してもらえて嬉しく思うよ。

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作品情報

ランディ・ローズ

©RANDY RHOADS: LEGEND, LLC 2022

©RANDY RHOADS: LEGEND, LLC 2022

ランディ・ローズ

11月11日(金)より新宿シネマカリテ、渋谷シネクイントほか全国ロードショー
2022年/アメリカ/5.1ch/92分/原題:RANDY RHOADS:Reflections of A Guitar Icon
字幕監修:上田慎也(ヤング・ギター)
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

出演:ランディ・ローズ、オジー・オズボーン、エディ・ヴァン・ヘイレン、ルディ・サーゾ、フランキー・バネリ、ジョージ・リンチ、ゲイリー・ムーア、ダグ・アルドリッチ、ジョエル・ホークストラ、ブルース・キューリック、ドゥイージル・ザッパ
ナレーション:トレイシー・ガンズ
監督:アンドレ・レリス
脚本・編集:マイケル・ブルーイニン

八十八ヶ所巡礼

アーティスト情報

マーガレット廣井(Ba.と歌と主犯格)の必要以上に唸るベースと浮き浮きな歌唱が有り、
Katzuya Shimizu(Gt.と参謀と演技指導)の馬鹿なテクニカルギターが止むことなく降り注ぎ、
Kenzoooooo(Dr.と極道と含み笑い)のタフなドラミングがそいつ等を増幅させる。。

そんなちょっとやそっとじゃ想像できないロック音楽。
浮き浮きするプログレの端くれ。
それが『八十八ヶ所巡礼』だ。

アンドレ・レリス

アーティスト情報

90年代後半にFoxスポーツテレビのプロデューサーとしてキャリアをスタート、後にAmazing Movies、Lionsgateなどで映画配給を行う。その後、アパレル販売会社のVision Filmsのパートナーとなり、音楽専門部門Vision Musicを設立。
2010年には、ハリウッドを拠点とする映画製作会社VMI World Wideを設立、現在も多くの映画を製作し、全世界に配給している。近年では、北村龍平監督「THE PRICE WE PAY」(原題)、トミー・リー・ジョーンズ&アーロン・エックハート主演『WANDER』(原題)等を製作。2015 年に、アメリカの伝説的HIP HOPグループN.W.Aの真実を暴くドキュメンタリー『N.W.A & EAZY-E:キングス・オブ・コンプトン』で初めて監督を務め、本作が2作目となる。

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