2022.11.10 19:00
今年メジャーデビュー4周年を迎えたシンガーソングライター・竹内アンナ。今年は3月にリリースした2年ぶりのアルバム『TICKETS』を皮切りに、ツアーに配信リリースにと、これまで以上に精力的なアクションが続いている。9月からは3ヵ月連続配信リリースをスタート、9月の「あいたいわ」に続く第2弾が「made my day feat. Takuya Kuroda / Marcus D」だ。タイトルにあるとおり、世界的トランペッターの黒田卓也と、こちらも世界を股にかけて活躍するビートメイカー、マーカス・Dが参加。これまでの竹内アンナとは一味違ったチルでジャジーなトラックの上で、とある深夜の恋人たちの風景が描かれる、とても気持ちのいい楽曲だ。
音楽を通した「旅」をテーマにした『TICKETS』以降、竹内の表現はどんどん外向きに、そしてパワフルになってきている。さりげない日常の風景にも豊かなドラマが潜んでいること、気持ちや見方ひとつでそれを見つけることができること。これまでもずっと彼女が歌い続けてきたテーマがここにきてより突き詰められているということを「made my day feat. Takuya Kuroda / Marcus D」は教えてくれる。進行中の弾き語りツアーも含め、現在進行形の竹内アンナのモードについて語ってもらった。
──竹内さん、メジャーデビューして今年で4周年ですが、この4年という時間は長かったですか? 短かったですか?
私としてはあっという間に4年って感じがあります。デビューしたときから今まで常に新鮮な出来事がたくさんあったので、濃い4年間を過ごせたなって。
──この4年で自分は変わったなと思います?
すごく変わったと思います。曲作りの面においてもだし、メンタル的な面においても変化があって。もともと人見知りだったし、あと趣味が全然なかったんですよね。それがすごくコンプレックスで。音楽しかやってこなかったから、「音楽を取ったら自分に残るものって何だろう」ってすごく考えた時期もあって。でも今は「そういう自分でもいいじゃん」と思えるようになったし、シンプルに「趣味がないなら作ればいいじゃん」って思うようになって、すごくポジティブになれた。それで「I My Me Myself」という曲を作ったんですけど、「どんな私も私だし、ダメな自分も私だし」って1回認めてしまえばすごく楽だなっていうことに気づけて、そのことですごく楽になれたんです。
──うん。
最近でいうと去年の夏にリリースした「ICE CREAM.」っていう曲があるんですけど、それももう一つ自分に大きな変化をもたらしてくれた曲で。曲を作るときにはいつも「私らしさって何だろう」って自問自答しながら考えるんですけど、その「私らしさ」っていうのが良くも悪くも枠になってたな、自分を抑え込んでしまう制限になってしまってたなっていうことに気づいて。1回そういうのをとっぱらって思い切ってめちゃくちゃかわいい曲を作ってみたらどうなるだろうと思って作ったのが「ICE CREAM.」だったんです。作ってみて「やりすぎたな」って思ったんですけど(笑)、実際にリリースして反応を見てみるとそんなことは誰も気にしていなくて。気にしていたのは実は私だけだったんだって。天井をとっぱらってやってしまえば、曲作りも幅が広がるなって気づいたので、それも一つ、曲作りの次のフェーズに行けたタイミングだったなって思います。
──作品聴かせていただいても、竹内アンナというアーティストがどんどん自由になっていく感じがすごい伝わってくるなと思っていたんですよね。しかもそうやって自由になることをご自身がすごく楽しんでいるという。
うん、そうですね。
──いいですよね。だって、普通はキャリアを重ねれば重ねるほど固まっていくものだと思うんですよ。でも竹内さんの場合は逆に自由になっていくっていう。
本当に好き勝手やらせてもらえる環境があるっていうのもすごくありがたいんですけど、素直にやりたいと思ったことをどんどんやってくことですごく幅も深さも広げられているかなっていうのはすごく思いますね。
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