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「思い上がっていた」と反省

U2のボノ、全iTunesユーザーのデバイスにアルバムが勝手にダウンロードされた“あの件”について語る

2022.10.25 17:15

By Daniel Hazard CC BY-SA 4.0

2022.10.25 17:15

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2014年、世界で5億人に及ぶ全iTunesユーザーのデバイスに、U2のアルバム『Songs of Innocence』が自動でダウンロードされた。許可なく自分のデバイスにアルバムがダウンロードされたことにより、多くのユーザーからは批判の声が挙がっていたが、当時のことについてU2のフロントマンであるボノが自伝『Surrender: 40 Songs, One Story』で語っている。

英メディア the Guardian誌が公開した自伝の内容によると、ボノは全iTunesユーザーに許可なくアルバムをダウンロードさせたことは過ちで、自分に責任があると発言している。U2とアップルの関係性は、バンドが2004年にスティーブ・ジョブズに会ったことから始まり、U2はアップルの広告にも出演している。ボノはスティーブ・ジョブズの後任者であるティム・クックに問題となった『Songs of Innocence』件を提案したという。

ボノからの提案を受けたティム・クックは「音楽を無料で配布する?ミュージシャンたちが収入を得ることができるように、音楽を無料で配布しないということが、アップルがやろうとしていることだ」と当初はボノの計画に疑問を持っていたようだ。ボノは「無料であげるのではなく、アップルが私たちから音楽を買って、人々にギフトとしてプレゼントするという考え方だ。素晴らしいと思わないかい?全員にプレゼントするんだ。みんなが実際に聴くはどうかは各々が選べばいい」と、ティム・クックを説得したと明かしている。

しかし彼は「高慢な大志だったというべきか。思い上がっていたとも言える。みんなはやり過ぎだと批判するかもしれない。実際にやり過ぎた」と、当時の自分の行動を省みている。

「最悪そんな大変なことにはならないだろう。ただのジャンクメールのようなものだ。ミルクを近所のすべての家の玄関に配達するような感じだと思っていた。でもそうではなかった。2014年の9月9日、私たちは家の玄関にミルクを配達するどころではなく、街の全世帯の冷蔵庫に勝手にミルクを入れてしまった。場合によってはそのミルクを勝手にコーンフレークにそそいでしまうようなことをしてしまった。自分で選んだミルクをそそぎたい人もいる。そして、なかには乳製品を飲めない人もいた」

また、彼はバンドメンバーでもなく、ティム・クックでもなく、自分のみに責任があるとも発言している。当初はサンタクロースのようにプレゼントを届ける過程で、少しミスを犯してしまった程度だと思っていたが、この件がきっかけでインターネット時代のプライバシーと、巨大テック企業の権限に関する議論が巻き起こったことにより、ことの重大さに気がついたという。この件について、「自分のパンクロック的な部分は、これはクラッシュのようなバンドがやりそうな反体制的なことだと思っていた。しかし世界で最も巨大になる企業と一緒にこのようなことをやるのを、反体制的と呼ぶのは難しい」ともコメントしている。

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