2019年以来の対バンが実現したリキッドルーム公演をレポート
fox capture plan×Newspeak、2マンライブならではの熱いケミストリーが生まれた夜
2022.10.05 13:30
2022.10.05 13:30
Newspeakの気迫と熱量、そして笑顔
fox capture planから熱いバトンを受け取ったNewspeakのステージは、瑞々しいメロディが広がる「July」でスタートした。Rei(Vo/Key/Gt)、Yohey(B/Cho)、Steven(Dr/Cho)、サポートギターのハヤカワで紡ぐバンド・アンサンブルは、柔らかでいて躍動的だ。東京で結成したが、イギリスに暮らし現地で音楽活動をしていた経験があるReiやカナダとアメリカのハーフのStevenなど、それぞれの持つ背景を生かし、またアイディアを掛け算することで有機的で、大きなスケールを持ったロックミュージックを作り上げているNewspeak。
まずは、エモーショナルな歌でフロアを包み込むと、続く「Generation of Superstitions」でReiは「踊りましょう」と声を上げ、手拍子を起こす。骨太なダンスロックにはどこか、マージービートの香りも漂う。「24/7 What For」では、きらびやかなサウンドとファットなビート、グルーヴィにサウンドを引っ張っていくベースラインが心地いい。観客も一緒に歌えたら最高だが、メンバーのシンガロングは、高くコブシを突き上げさせる。序盤で一気に、アクセルを踏み込んでいくライブだ。
MCでReiはfox capture planのステージが最高だったことに触れ、今回この素晴らしいパーティで一緒にやることができた喜びを語る。Stevenは、あまりに楽しいから今日はドラムはやめてボンゴを叩いていたいと言い、Yoheyはいつも通りやろうって言ってたけど、結局Newspeak250パーセントになっていると、fox capture planのライブに触発されたことを語る。観客にも十二分にその気迫と熱量が伝わっているし、何よりメンバーの笑顔が雄弁にその興奮を伝えている。対バンライブならではのケミストリーだろう。
中盤には、「第35回東京国際映画祭」のフェスティバルソングとなった未発表の新曲「Bonfire」が披露された。Newspeakの曲の中でもキャッチーでアンセミックなロックチューンで、これからのライブでもいい役割を担っていきそうな曲だ。また「Pyramid Shakes」から続いたのは、「Wall」。Reiは、コロナ禍でのこの3年、時間が止まってしまった感覚があったと語る。でも以前のように良い音楽を作っていきたい思いを伝え、「僕らがいちばんはじめに作った思い入れのある曲を」と「Wall」を演奏した。小節ごとに力や鮮やかさを増す、高揚感で満ちたサウンドが、会場を包む。その熱を引き継いだ「Great Pretenders」もまたコロナ禍の閉塞感から、あるべき現実や未来に力強くリーチする。コーラスに彩られた歌が、晴れやかだ。
終盤は再び、グルーヴィなダンスチューンを連投。ぐんぐんとフロアの熱が上がったところで、ラストはすべての感情を晴れやかに輝かせていく「Blinding Lights」へ。Stevenの打ち鳴らすドラム、温かな鼓動を映したベース、駆け上がっていくメロディとボーカルの多幸感が、この夜を祝福した。やまない拍手に応え、アンコールに登場したNewspeakは「最高だったでしょ?」(Rei)と2バンドの共演を振り返って、ラストにラテンビートが夢見心地な余韻をもたらす「Lake」を演奏し、「On The Alert vol.3」の幕を閉じた。
写真:Ryotaro Kawashima
セットリスト
fox capture plan
1. Akashic Xronicles
2. Blue Planet
3. エイジアン・ダンサー
4. Butterfly Effect
5. 衝動の粒子
6. Time to think
7. 夜間航路
8. NEW ERA
9. RISING
Newspeak
1. July
2. Generation of Superstitions
3. 24/7 What For
4. Bonfire
5. Pyramid Shakes
6. Wall
7. Great Pretenders
8. Media
9. Wide Bright Eyes
10. Blinding Lights
EN1. Lake