2022.09.19 16:00
丁寧に淹れられたコーヒー、その人ならではの1曲。癒やされたり、やる気のスイッチが入ったり、少し魔法がかけられるような共通項があるのでは……?という、インスピレーションから、初めてドラマのために書き下ろした「魔法」をリリースし、東阪ワンマンライブを全公演完売で大成功に納めたさとうもかを純喫茶にアテンド。都心にほど近い場所ながら、のんびりした空気が流れる中延の「珈琲専門店ニュープリンス」は創業約60年、昭和のムードが横溢する空間で、お店を始めた初代であるお祖父様の美空ひばりコレクションが常に流れている。
先代の遺志を継いだマダムと、そのご子息のマスターが営む「ニュープリンス」を紹介してくれたのは『純喫茶コレクション』など多数の著書を持つ難波里奈。フラットな状態にしてくれる喫茶店をこよなく愛する彼女の進行で、レアな鼎談(もしくは喫茶店の世間話?)が実現。さて、コーヒーと音楽に共通する「魔法」は見つかったでしょうか?
難波 普段どういうところでコーヒーを飲みますか?
もか 家が一番多いです。豆も挽いて、自分でドリップで淹れてます。
マダム 何の豆好きですか?
もか ブラジルとかマンデリンとか。
難波 これはブレンドですか?
マスター これはモカです(笑)。
難波 (さとうもかの)名前に合わせて(笑)。
もか ありがとうございます。あ、美味しいです。
難波 どういう時間に飲みますか?
もか 朝とか、あとちょっとダラダラしてきた時にやる気を出すために(笑)。
難波 リフレッシュやリラックスよりも、「よしやるぞ」みたいなときに飲む感じなんですね。
もか はい。
難波 気合いを入れるときに飲むっていうのもいいですね。出勤前にいらっしゃるサラリーマンの方々はそんな感じなのかもしれませんね。
もか そうかもしれないですね。そういえばうちのそばに喫茶店があって、よく行くんです。
難波 それは誰かと?それともひとりで?
もか ひとりで。歌詞に煮詰まった時とかに、家にいたら何も思いつかないなってなったら行ったりして。昔から、喫茶店に行って自分の思い出を忠実に頭の中で思い出すっていうことが好きで、それをやりながら一行だけでも何か書けることが思いついたらメモしたりしてます。
難波 音楽と喫茶店の共通点でいうと、どちらも個人でされているイメージがあるのですが、もかさんも音楽はひとりで作られるんですか?
もか そうですね。メロディと歌詞はひとりです。でもそこから編曲とかは、バンドメンバーとかアレンジャーさんと一緒に作ることもあります。
難波 そうなんですね。喫茶店も似ていますね。ご自分がお店に立たないと開店しませんし、待ってる人もいるし、続けていくことの大変さみたいなのってきっと音楽にも苦しさとそれ以上の楽しさがあるんだろうなと思って。訪れる側からすると、例えば今マダムがコーヒーを淹れてくれましたけど、こんな風に待ってる間も楽しいじゃないですか。もかさんのファンの方たちも曲がリリースされるまで楽しみで、でも、もかさんは苦労もあって。そういうところって音楽とコーヒーは似てたりするのかもって思いました。
もか ああ……(納得の表情)
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