ユダヤ人青年がナチス将校に架空のペルシャ語を教える
ヴァディム・パールマン監督作『ペルシャン・レッスン 戦場の教室』11月11日公開
2022.09.02 07:00
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2022.09.02 07:00
アカデミー賞ノミネート作品『砂と霧の家』のヴァディム・パールマンが監督を務めた『PERSIAN LESSONS』が、邦題『ペルシャン・レッスン 戦場の教室』として、11月11日(金)より、日本公開されることが決定した。
第二次世界大戦中、数百万のユダヤ人大虐殺(ホロコースト)が行われたナチス・ドイツの強制収容所。この生存不可能といわれた絶望の場所で、信じがたい方法で何度も処刑を免れた男がいた。それは、ユダヤ人の青年がペルシャ人になりすまし、ナチスの将校に<架空のペルシャ語>を教えるという、驚くべきものだった──。
短編小説から着想を得て映画化された本作は、奇抜な設定ながら圧倒的なリアリティが大きな衝撃を巻き起こし、ベルリン国際映画祭のベルリナーレ・スペシャルガラ部門で上映されたのをきっかけに、世界各国の映画祭で数多くの賞を獲得し、絶賛を浴びた。
主人公のユダヤ人青年ジルを演じたのは、カンヌ国際映画祭のグランプリ作『BPM ビート・パー・ミニット』のナウエル・ペレーズ・ビスカヤート。4ヵ国語を操るクワドリンガルを活かし、命がけで偽のペルシャ語を紡ぐ姿を渾身の熱演で体現している。ナチス親衛隊のコッホ大尉役には、『約束の宇宙(そら)』のラース・アイディンガー。ドイツ国内で様々な賞を受賞し、高い評価を受けた演技力を遺憾なく発揮した。監督にはアカデミー賞ノミネート作品『砂と霧の家』で世界的評価を受けたウクライナ出身のパールマン。彼の膨大なリサーチと綿密な取材に基づき映画化された本作は、緊張感が途切れないサスペンスフルな演出と、鋭い視点でヒューマニズムを描く。
この度公開されたとなったメイン写真は、ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート演じる青年ジルが、自身が創作したペルシャ語のメモ用紙をナチス親衛隊に監視されている様子が切り取られている。ジルの表情からは、自分がペルシャ人では無いことがバレて、処刑されてしまうのではないかという緊張感が伝わってくる。