無数の“YAZAWA”タオルが舞った夜
矢沢永吉が国立競技場の新たな幕開けを彩った2日間──MISIAとB’zと世代を超えた共演でデビュー50周年祝う
2022.08.31 17:30
矢沢永吉(Photo:HIRO KIMURA)
2022.08.31 17:30
50周年記念に華を添える日本の歌姫・MISIAが登場
セットリストを飾ったのは、50年のキャリアから選曲した代表曲の数々だ。ソウルフルでファンキーなロック・ナンバーだけにとどまらず、ソロ・キャリアを彩ってきたバラードの数々もふんだんにおりまぜる。「27才の時に書いた曲です」と懐かしそうに語ったジャジーな「バーボン人生」では、男女2人のダンサーがステージで踊り、歌い終わった矢沢がタバコに火をつけるという粋な演出を楽しませ、ブルージーなロック・ナンバー「Rolling Night」ではソロの応酬を繰り広げたギタリスト2人に加え、バック・バンドのメンバー達も熱いソロを繋げる迫力満点の演奏で会場を盛り上げた。
火柱、花火、ビジョンに映し出した50年のキャリアを振り返るさまざまな写真、そしてバイクに先導されたキャデラックのコンバーチブルでアリーナを一周する“キャデラック・パレード”とスタジアムにふさわしいスペクタクルな演出も楽しませながら、50周年記念に華を添えたのが、「日本の歌姫です」と矢沢自ら紹介したMISIAとのデュエットだ。
曲は《愛してる》とストレートに歌うバラード「HEY YOU」。白を基調としたゴージャスなドレスに身を包んだMISIAと矢沢が重ねたハーモニーが5万人を魅了したことは言うまでもない。
「歌うまいよね。最高だよ。感動しちゃった。音楽って世代も何も関係ない。うれしかった!」
そして、矢沢の歌に応える観客の手拍子が大きな一体感を作ったロック・ナンバー「逃亡者」、イントロを聴いた観客の拍手が曲に対する深い愛着を物語っていたピアノ・バラードの「いつの日か」と繋げ、本編を締めくくると、休む間もなく、ロックンロール・ナンバー「恋の列車はリバプール発」からアンコールに突入。2時間半超えの熱演の大団円を飾ったのは、「止まらないHa~Ha」だ。コロナ禍で自粛していたお馴染みのタオル投げがついに解禁され、スタジアムにYAZAWAのロゴが入った無数のタオルが舞う! その光景は、まさに壮観の一言だった。
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