2022.08.13 13:00
同じ目線にいて、少し手を引けるような音楽を作りたい
──僕はHakubiを昨年のVIVA LA ROCK 2021と、今年2月に渋谷CLUB QUATTROで行われた企画イベントの2回観させていただいておりまして。
Hakubi ありがとうございます。
──ビバラの時って『era』はまだリリースされてないですよね?
片桐 そうですね。その年の9月です。
──そうですよね。『era』がすごく転機になったアルバムなんじゃなかろうかというくらい、ビバラと『era』リリース後のクアトロでのライブが違って見えて。
片桐 うんうん。
──Hakubiの芯のである黒い部分をストレートにぶつけつつ、いい具合に外に向けられて、パーソナルなものから人が入ってきてもいいような世界を描いているなと思っていて。「Twilight」では外に広がっていく光の描き方がすごく上手くなっているなと感じました。
片桐 ありがとうございます。
──闇を知っているからこそ、使える光を得たのかなと思いまいた。
片桐 そうですね。「悲しいほどに毎日は」という曲では初めてコールアンドレスポンスを入れたりしてて。メジャーデビューにあたって自分自身の音楽と向き合った期間が長かったんですよね。同じところに一緒に沈んでいくことだけが救いじゃないなと思いまして。
──ほうほう。
片桐 同じ目線にいて、少し手を引けるような音楽を作りたいなと思って、「悲しいほどに毎日は」が作れたり、ライブのやり方が変わっていったと思います。
──なるほど。ありがとうございます。Hakubiの楽曲においての作曲の割合ってどのように作られてますか?
片桐 メロディと歌詞は私が弾き語りで作って、スタジオで3人で合わせてって感じです。それこそ干渉せずに一気に音を合わせて、最終的にアル君がまとめてくれてます。
──「Twilight」の3:10からのリズムが焦燥感を増してエイトビートになっていくところとかよく我慢できましたね。
片桐 途中から「走りたい!走りたい!」ってなってます(笑)。
──あのドラマチックさの描き方はすごいですよね。
マツイ レコーディングもずっと抑えてて、何回録り直したかわかんないです。
──あそこまでエイトビート引っ張る曲ってロック史上なかなかなくて、武器にして欲しいなと思いました。10-FEETの「蜃気楼」のカヴァーもアコギのリフをベースで弾いたり。
片桐 そうなんですよ!
──その解釈もたまんないです。お互い干渉し合わない感情のトライアングルに旨みを感じてるんじゃないかと思いました。
片桐 まさかカヴァーをやらせてもらえるなんて思ってもなかったです。
マツイ 信じられなかったよね。
──どのような経緯で「蜃気楼」のカヴァーを?
片桐 コロナ禍になってからJ-WAVEでラジオをやらせてもらってたんですけど、エンディングで弾き語りを披露していて。今この状況でみんなで歌いたい曲を考えたときに「蜃気楼」だなぁと思って。それをタクマさんが聴いてくださって、声をかけてくれたみたいです。
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