2022.07.06 12:00
2022.07.06 12:00
2022年、新しい才能が続々と誕生する音楽シーン。そのはじまりを遡ると、10年前、2012年にアルバム『diorama』で開花した米津玄師による、あらゆるジャンルやカテゴリーを乗り越えていく突破力だったと思います。その後、King Gnu、Official髭男dismによるスキルフルな演奏、歌唱、楽曲制作力におけるポップミュージックの革新。ストリーミング文化からヒットした、あいみょん、Vaundy、Adoの躍進。そして、Mrs. GREEN APPLEがアップデートしたフェーズ2展開などなど、枚挙にいとまがありません。
そんななか、続々と次世代アーティストが芽吹いているのが2022年の日本のポップミュージック・シーンです。新しい才能の定義=“オリジナリティー”דアイデンティティー”דポピュラリティー”を兼ね備えた“突破力”を持つアーティストを連載コラム『NEXT POP AWARD』として“勝手に”表彰していきます。
時代の羅針盤となる、新しい才能をオールジャンル様々な切り口から2022年、下半期も注目し続けたい5組を紹介させてください。
4s4ki、アッパーかつ最強なEDM×ハードロック×ドラムンベース
完全なる次世代表現者4s4ki(アサキ)。Spotify公式プレイリスト『hyperpop』常連であり、ワールドワイドキャンペーンでNYタイムズスクエア屋外ビルボードにフックアップされるなど注目度も高い。最新曲「LOG OUT」では、EDMかつハードロック、ドラムンベースなど様々な快楽ポイントのみを抽出したキラーなアッパーチューンを創出。リアルとバーチャルが曖昧な混沌とした時代。現実世界からログアウトして仮想世界へ逃避することを肯定する、そんな“自分の居場所を求める”リスナーへ向けてリリックを紡ぎだす。いやあ、ほんと明確なる個性の有り様がすごいっす。夏のイベント展開にも要注目ですよ☆
Tele、パンキッシュな言葉のパワーと流麗なるメロディーの美しさ
谷口喜多朗のプロジェクトTele(テレ)。いやあ、この子すごいっす。日々の生活で抱える不安。しかしながら、苛立ちを跳ね除けるパンキッシュな言葉のパワーと流麗なるメロディーの美しさ。1stアルバムにして傑作と伝えたい『NEW BORN GHOST』で繰り広げられる小説のような物語の数々では、Teleが歌う瞬間から次々と映像が目に浮かんで没入して行くような体験がすごい。2022年、上半期もっとも名曲だと思う「花瓶」。優しい雰囲気から、すっと旋律が心になだれ込んでくる感動。孤独と愛情の間で揺れ動く感情。聴いてほしいなあ。ポップ革命児、令和を代表するシンガー・ソングライター誕生です☆
〝美根〟名曲をいくつも生み出すシンガー・ソングライター
フォーキーなロックセンスで、名曲をいくつも生み出すオルタナティブなセンスを持ち合わせたシンガー・ソングライター〝美根(みね)。注目は、最新曲「零れる光」での訥々と、人を説得するかのように問い掛ける、人が生きる上で大事な真理を歌う”美しさ”。ゆっくりたゆたうように一歩ずつ歩みを進める力強い鼓動。1本の映画作品を観たかのような聴後感を与えてくれる本作は、表現者としての決意表明です。そこには、流行り廃りや媚びることなど一切ない潔さがあります。清々しいほどです。7月8日(金) には、改名後初となるワンマンライヴを渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて開催。行くべし☆
WENDY、2022年ハードでヘヴィなロックアンセム誕生
ヘヴィなイントロからエモすぎるロックンロールなシャウト。一気に時代感を超えていくロックアンセムの誕生。平均年齢18歳、ロック不在と言われ続けた昨今の音楽シーンへの、日本からの大いなる逆襲であります。マネスキンなど新時代を彩るロックバンドが好きな人、ガンズ・アンド・ローゼズ来日決定に喜んだ人、RED WARRIORSのカッコよさにしびれた人などなど皆んな集まれ!!! しかも、8月20日には『SUMMER SONIC 2022』へも出演。これは事件です。歌声のグラマラスさ、むせび泣くギター、腹に響くベース、ワイルドなドラム。まさにタイトル通り「Rock n Roll Is Back」であります☆
寧音、80’sトレンディアニメ×シティポップの幸福な融合
7月20日リリース、中原めいこ「鏡の中のアクトレス」のカバー曲がやばいっす。原曲は1987年にリリースされたアニメ『きまぐれオレンジロード』OPテーマ。福岡県出身、13歳のシンガー寧音(ねね)が見事に憂いを持った歌唱で表現。シティポップ以降のサウンド感をいまの時代を持って料理するトレンディーなトラックメイクはevening cinemaの原田夏樹が担当。80’sトレンディアニメ×シティポップの幸福な融合に注目っす!!! ちなみに、これまでカバーした亜蘭知子「I’m in love」、麗美「Everlasting Love」も令和シティポップ・リマインドな感覚で絶品であります。全人類激マストでチェック☆