Bezzy[ベジー]|アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

REPORT

3年ぶり開催、矢沢が仕掛ける音楽フェスDAY1を現地レポ

矢沢永吉が魅せた原点に返るようなロックンロール、布袋寅泰、BiSH、SUPER BEAVERとコラボも

2022.07.04 12:35

矢沢フェスのステージに立つ矢沢永吉(Photo by 平野タカシ)

2022.07.04 12:35

全ての画像・動画を見る(全15点)

矢沢永吉、研ぎ澄まされたアグレッシブなパフォーマンス

矢沢永吉(Photo by 平野タカシ)

今か今かと待ちわびる観客の拍手が徐々に大きくなり場内が暗転すると、手拍子に迎えられて真っ白な衣装に身を包んだ矢沢永吉が颯爽とステージに上がる。「ようこそいらっしゃーい! ロックンロール!」の第一声と共に、ギターリフが奏でられてステージから白煙が上がる。オープニングからまさかの「止まらないHa-Ha」でド派手なスタートだ。シャツを脱ぎ白Tシャツ姿になると、マイクスタンドを手に「サンキュー! ロックンロール!」と再び叫んで、ミディアム・テンポのヘヴィなロックチューン「傘」へと続く。強烈なシャッフルのビートが重たく響き、ブルージーなギターのリフが体を揺らす。間奏でブレイクしてサックスが入るライブアレンジで、マイナーな曲調により一層のカオスを与えていた。ハンドマイクを持つと、軽快なロックンロール「SHAKE ME」を歌いながら、ステージ左端まで行き観客を煽る矢沢。昨年のツアー以来久しぶりの、今年初ステージとなるが、アグレッシブなパフォーマンスはここにきてより研ぎ澄まされているように見える。

最初のMCでは、「今年最初のステージ、あがっております(笑)」と心境を吐露する矢沢。「「ONE NIGHT SHOW」は3年前に、今旬でバリバリにきてるメンツと矢沢永吉で一緒にロックを盛り上げようぜっていう感じでスタートしました。(コロナ禍での延期を経て)3年後の今日、2回目。みなさん、ようこそいらっしゃい!!」との挨拶に大拍手が沸き起こる。

矢沢永吉(Photo by 平野タカシ)

アコースティック・ギターを弾きながらの「チャイナ・タウン」から「YES MY LOVE」と、メロウな代表曲を続けて歌い上げる。どちらも繊細で包み込むようなメロディと洒落たコード展開で、メロディメーカー・矢沢永吉が50年のキャリアの中で紡いできた音楽の魅力を伝えてくれる。歌い終わると山川啓介が書いた「チャイナ・タウン」の歌詞に触れ、「“空のポケットに 夢ばかり詰め込んで”って、よく見てるなって思ったんですけども」と語り、横浜のライブハウスで上を目指していた時代に想いを馳せつつ歌っていたようだ。

感傷を振り切るかのように、「OK、ロックンロール!」と叫ぶと、とたんに強烈なビートが響き、タイトなリズムで歌われる8ビートのロックナンバー「BIG BEAT」へ。ギターソロの間、椅子に身を投げ出してポーズを決める矢沢。間奏でバンドが一丸となってキメフレーズを繰り返すと、「布袋!」と呼びこまれてギターを抱えた布袋がステージに上がり演奏に加わる。さらに、BiSH、SUPER BEAVERのメンバーもステージへ上がり、“C’mon C’mon C’mon C’mon”とサビのコーラスを取っている。貫禄たっぷりに“I’m A Rock’n Roll Man!”と歌い終わると、矢沢が渋谷の肩に腕を回して何やら言葉をかけ、その様子をBiSHのメンバーが笑顔で眺めているシーンを観ることができた。

矢沢永吉と全出演者が一同に会し演奏(Photo by 平野タカシ)

「なんかさ、“ず~っと俺は歌うんだ”っていうことで今来てるわけですけど、ステージはドキドキとサイコーが入り混じってて……みなさん、楽しんでくれてますか!? OK、最後の1曲です!」と、ギターを弾きながらの「サブウェイ特急」へ。ライブ定番曲だが、あまりギターを弾いて歌うイメージのなかった曲だけに、新鮮に映った。アンコールはホーンセクションが加わっての「恋の列車はリバプール発」を走りぬくように歌うと、「ロックンロールに感謝しようぜ!ありがとう!」と、ステージを後にした。今年初のステージで、原点に返るように「ロックンロール!」と連呼していた矢沢。まるでCAROL~ソロデビュー期の初期衝動そのままのような、生々しいパッションが感じられた初日のステージだった。

「E.YAZAWA SPECIAL EVENT ONE NIGHT SHOW 2022」【Day1】セットリスト

布袋寅泰
1. BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY
2. スリル
3. BE MY BABY
4. ファンキー・モンキー・ベイビー(CAROLカバー)
5. マリオネット
6. さらば青春の光
7. バンビーナ
8. POISON
9. Dreamin’

 

BiSH
1. SHARR
2. BiSH-星が瞬く夜に-
3. HiDE the BLUE
4. オーケストラ
5. LiE LiE LiE
6. SMACK baby SMACK
7. FiNAL SHiTS
8. beautifulさ

 

SUPER BEAVER
1. 名前を呼ぶよ
2. 証明
3. 時代
4. 突破口
5. アイラヴユー
6. 人として

 

矢沢永吉
1. SE〜止まらないHa-Ha
2. 傘
3. SHAKE ME
4. チャイナ・タウン
5. YES MY LOVE
6. BIG BEAT with ALL出演者
7. サブウェイ特急
EN1. 恋の列車はリバプール発

記事トップへ戻る

全ての画像・動画を見る(全15点)

イベント情報

EIKICHI YAZAWA 50th ANNIVERSARY TOUR「MY WAY」EIKICHI YAZAWA 50th ANNIVERSARY TOURロゴ

EIKICHI YAZAWA 50th ANNIVERSARY TOUR「MY WAY」

2022年8月27日(土)、8月28日(日)東京・国立競技場
OPEN 16:00/START 18:00

2022年9月18日(日)福岡・福岡 PayPayドーム
OPEN 15:00/START 17:00

2022年9月25日(日)大阪・京セラドーム大阪
OPEN 15:00/START 17:00

EIKICHI YAZAWA 50th ANNIVERSARY TOUR「MY WAY」EIKICHI YAZAWA 50th ANNIVERSARY TOURロゴ

1972年、ロックンロールバンド「キャロル」のリーダーとしてデビュー。1975年、日比谷野音で燃え盛る炎の中、キャロル解散。同年秋に「アイ・ラヴ・ユー, OK」でソロデビューを果たす。1977年、日本人ロックアーティストとして初の武道館公演を敢行し、78年には後楽園球場公演と、快進撃を続けた矢沢は、自らの生きざまを語り下ろした著書『成りあがり』で一大「矢沢ブーム」を作りあげた。2022年6月8日にはライブ作品『ALL TIME BEST LIVE』をリリースし、8月27日(土)、8月28日(日)には「EIKICHI YAZAWA 50th ANNIVERSARY TOUR『MY WAY』」で新国立競技場初の有観客ライブを開催する。

RANKINGランキング

RELATED TOPICS関連記事

  • 半地下から地上へ、新ステージの"幕開け"を象徴する曲 BREIMEN、自分たちらしく“BREIく”するためのアルバムリード曲「ブレイクスルー」先行配信

    2024.02.29 21:00

    5人組オルタナティブファンクンドBREIMENが、4月3日(水)に発売するメジャー1stアルバム『AVEANTIN』のリード曲「ブレイクスルー」を3月6日(水)に先行配信リリースする。 「ブレイクスルー」は、新たなステージにて、枠を壊し、殻を破り、自分たちらしく、BREIくする。そんな意味が込められており、自身の看板としてきたオルタナティブファンクサウンドを追求したアルバムを彩るリード楽曲となっている。 メンバーコメントBREIMEN〜半地下のバンド〜 シーズン2の”幕開け”を象徴する曲であり、俺の曲でありまたみんなの曲でもあるかもだったり。地上にてこれからもより一層、<a href="https://bezzy.jp/2024/02/41124/">…

    #BREIMEN

  • 一人の少女が自信をつけていく姿を描く 日向坂46「君はハニーデュー」MV公開、センター正源司陽子がグループを未だ見ぬ世界へ導く

    2024.03.27 18:00

    日向坂46が、デビュー5周年記念日にあたる本日3月27日(水)に新曲「君はハニーデュー」のミュージックビデオを公開した。 2019年3月27日に1stシングル『キュン』でデビューした日向坂46。「君はハニーデュー」は2024年5月8日に発売される11thシングルの表題曲で、公開されたミュージックビデオは自分に自信のない一人の少女(正源司陽子)が周りに支えられながら、未来の自分との対話を重ねながら自信をつけ、日向坂46を未だ見ぬ世界へ連れていくというストーリーが描かれている。 今回センターを務めたのは、表題曲では初めてセンターに抜擢された四期生の正源司陽子。なお四期生メンバーが表題曲でセンターを<a href="https://bezzy.jp/2024/03/42459/">…

    #日向坂46#正源司陽子

  • 第3弾ラインナップまでの55組から注目株を庄村聡泰が紹介 早くもガッツポーズ連発!今年も極上の音楽体験間違いなしのフジロック

    2024.03.19 17:00

    偉大なルーツも贅沢に味わえる最終日 最終日のヘッドライナーは音楽業界最強の兄貴率いるNOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDSが登場。もはやGREEN STAGEの常連でありヘッドライナーも常連と言っていい兄貴である上、昨年末の来日ツアーも全公演完売と言う相変わらずの無双っぷりを見せつけてからの満を持してのフジ帰還である。しかもOASISでのデビューから数えて堂々の30周年であるタイミングでまたフジに戻ってきてくれることとなるとは、ここ日本、そしてフジロックと彼との長年の蜜月が呼び寄せたものに違いない。これには盛大な歓声とシンガロングでもって応える他ないの<a href="https://bezzy.jp/2024/03/41852/">…

    #FUJI ROCK FESTIVAL#フジロック

  • 6月15日・16日に東京ドームで2日間開催 櫻坂46がアリーナツアー追加公演発表「今の私たちなら自信を持って立てると確信」

    2024.03.02 20:30

    櫻坂46が、本日3月2日(土)に全国4都市8公演のアリーナツアー「櫻坂46 4th ARENA TOUR 2024新・櫻前線 -Go on back?-」の初日公演をマリンメッセ福岡にて開催。そのアンコールにて、ツアーの追加公演を東京ドームにて2日間開催することを発表した。 櫻坂46は2月に8thシングル『何歳の頃に戻りたいのか?』を発売。各種ランキングの1位を席巻している。そのシングルを引っさげたツアー初日にて発表された追加公演について、キャプテンの二期生・松田里奈は「今の私たちなら、自信を持って東京ドームのステージに立てると確信しています。だからこそ今日から始まったツアーを、皆で一緒に最高<a href="https://bezzy.jp/2024/03/41188/">…

    #櫻坂46

  • マイク・シノダらビッグネームとの共演が続く理由とは 新時代オルタナの旗手grandson、生い立ちからブレイク後の現在に至る胸の内を明かす

    2024.03.04 18:00

    1人の人生を変えられる以上の報酬はない ──実際に世界的なアーティストから連絡が来るってのはどんな気分なんですか? 現実じゃないみたいな気分にもなるよ。でもさ、結局のところ一人の人間って感じなんだ。彼らは誰がみても成功者だけど、よくよく本人に会ってみれば、その成功が偶然じゃなくて人生の全てを賭けたことがそこに繋がっているんだってことが分かる。彼らは並々ならぬ野心と、コミットする気概と、芸術的好奇心を持ち合わせているんだ。そして成功しているアーティストの中には、常に変化を受け入れる人もいる。ご存知のとおり、トラヴィス・バーカーやマイク・シノダのような、20年、30年にわたって芸術の再発明している<a href="https://bezzy.jp/2024/03/41160/">…

    #grandson

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram
  • YouTube

SERIES & SPECIAL連載&特集

ALL SERIES

RANKINGランキング

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram
  • YouTube