2026.07.15 18:00
©IDKYPs./Pyramide Productions
2026.07.15 18:00
8月28日(金)より全国公開される映画『私はあなたを知らない、』から、坂口健太郎演じる主人公・西山夕平の新たな場面カット3点が解禁された。
原案・脚本・監督を務めるのは中野量太。本作は『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)以来10年ぶりとなる完全オリジナル脚本で、天涯孤独な夕平が愛する人を殺めてしまうという重い罪と向き合っていく姿を、日仏共同製作のヒューマンサスペンスとして描く。
ゴム手袋工場の契約社員として働きながら、決まった時間に起き、同じコーンフレークから始まる朝や近所のコインランドリー通いを繰り返す静かな毎日を送っていた夕平。誰にも頼らず生きる彼にとって、馴染みのパン屋で週に一度購入する高級食パンを食べることだけが、唯一の楽しみだった。

中野監督は夕平について「家族というものを知らず、孤独に淡々と生きている人物を描こうと思っていました。でも彼自身が世の中を恨んでいるわけではなく、社会の片隅で自分のペースで生きながらどこかに寂しさを抱えている。彼の中での幸せや喜びもちゃんと入れたくて、週に一度の高級食パンがちょっとした楽しみになっているシーンも描きました」と語る。劇中ではこの食パンをきっかけに、職場の新しいパート職員・紗月(堀田真由)との距離が次第に縮まっていく。夕平にとって食パンは単なる好物ではなく、閉ざされていた人生が少しずつ変化していく象徴的なモチーフとして描かれている。

また、坂口を起用した理由について中野監督は「僕はちょっと寂しさがあって、憂いがある人が好きなんです。坂口さんはまさにそういう方で、かっこいいんだけど、なさけない感じに見えるところもある。強さと弱さが共存しているように見えるところも夕平にぴったりだと感じてオファーしました」と明かす。撮影現場でシリアスなシーンの直前まで周囲と談笑していた坂口は「本番」の声がかかった瞬間に夕平へと入り込み、スタッフ一同を「怖いぐらいの集中力と力量」と驚かせた。
決め込んだ芝居をせず、監督と対話を重ねながら夕平という複雑な人物像を手探りで築いていった坂口。解禁された場面カットには、孤独を抱えながらもどこか愛おしく、狂おしいほどの切なさをにじませる夕平の日常の表情が刻まれている。
映画『私はあなたを知らない、』場面写真 ©IDKYPs./Pyramide Productions
