天野千尋監督が語る2人の起用理由、驚いた演技力とは
『マジカル・シークレット・ツアー』黒木華&南沙良の新場面写真解禁、限界オタク姿やキャバ嬢姿も
2026.04.28 15:00
©2026「マジカル・シークレット・ツアー」製作委員会
2026.04.28 15:00
6月19日(金)に全国公開される映画『マジカル・シークレット・ツアー』より、主人公の闇バイト仲間を演じる黒木華と南沙良の新場面写真が解禁された。
本作は、2017年に中部国際空港で主婦たちが「金の密輸」で逮捕されたという実際の事件に着想を得たオリジナルストーリー。それぞれに事情を抱えた二児の母、大学の研究員、未婚の妊婦という3人が偶然出会い、金の密輸という秘密で絆を深めていく姿を描く。
夫の横領と解雇を知り突然借金を背負う二児の母・和歌子を演じるのは、本格的な母親役に初挑戦となる有村架純。また、共演者には和歌子とともに金の密輸に手を染める共犯者役を黒木華と南沙良が務めるほか、塩野瑛久、青木柚、斎藤工ら実力派キャストが集結。そして監督は、『ミセス・ノイズィ』で日本映画批評家大賞・脚本賞を受賞し、『ヒヤマケンタロウの妊娠』や『佐藤さんと佐藤さん』などを手がけた天野千尋が務め、シンガポールでの大規模ロケによる煌びやかで危うい金密輸の旅路をスクリーンへと描き出す。
非正規雇用の研究員・清恵を演じる黒木は、『小さいおうち』(14)で第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞して以降、近年も『アイミタガイ』(24)、NHK大河ドラマ『光る君へ』(24)など話題作への出演が続き、作品ごとに異なる顔を見せてきた。そして今回演じる清恵は、任期付きのポストで大学の研究室にしがみつく中堅研究員。600万円という多額の借金を抱え、教授とも反りが合わず、うだつの上がらない日々を送っていたが、後輩の椎名(青木柚)が若手研究者として表彰される姿を目の当たりにし、研究者としての自分に限界を感じ始める。そんな清恵の心を支えるのは、韓流グループ「NEON」への“推し活”。研究室では理知的な雰囲気を漂わせる彼女だが、私生活に戻ればスマホ片手に推しの動画を見漁り、ダンスも完コピして踊ってしまうという愛すべき“限界オタク”の一面も持つ。
清恵というキャラクターは、天野監督自身が大学の研究室でアルバイトをしていた見聞から生まれたという。「研究者は非正規雇用で任期付きのポストが多く、皆さん“成果を出さないと解雇される”という焦燥感を抱えながら研究していて、研究者の世界がとてもシビアだと知りました。社会の中で地位があってエリートに見えても、生きづらさを抱えているキャラクターを描きたいと思い、清恵が生まれました」と、天野監督は誕生の経緯を明かした。さらに黒木の起用については、「これまで様々な役柄を器用に、かつリアリティをもって演じてこられたので、観客が自然と共感できる形に成立させてくれるはず、と考えました。黒木さんご自身がとても観察力が鋭い方なので、その要素を清恵にも盛り込みたいと相談したら、すぐに採り入れて下さいました」と演技力を絶賛。大阪出身の黒木が関西弁のセリフをよりナチュラルにアレンジするなど、細部までこだわった役作りも見どころのひとつとなっている。
今回解禁された清恵の場面写真は3枚。推し活のうちわを手にタクシーに乗るカットや、ラフな部屋着姿でコンビニ弁当を頬張りながらスマホで推しの動画を見つめる姿などオタク全開の清恵を映し出したカットに加え、対照的に華やかな表彰式会場で舞台上の後輩をグラス片手に見つめる姿もあり、清恵の人物像が垣間見ることができる。

そして未婚の妊婦・麻由を演じる南は、初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)で報知映画賞、ブルーリボン賞ほか数々の映画賞を受賞。その後も多彩な役柄に挑み続け、今年だけでも『万事快調〈オール・グリーンズ〉』(1月公開)、単独主演映画『禍禍女』(2月公開)、香港映画『殺手#4』(4月公開)と出演作が相次いでいる。そんな南が演じる麻由は、男を家に連れ込むだらしない母(篠原ゆき子)に代わって妹(早瀬憩)の面倒を見るキャバ嬢。大事に貯めていたへそくりも母親に使い込まれ貧困の連鎖から抜け出せずにいたが、自身の妊娠が発覚し、追い込まれるように「金密輸」の闇バイトへと足を踏み入れていく。
天野監督は「麻由は思ったことをすぐ口に出すような人物で、彼女に抱いていたイメージとは異なりましたが、ご本人にお会いしたら南さんの思い切りのよさが伝わってきて、“この人が演じる麻由を見てみたい”と思ったんです」と南を起用した理由を語る。さらにリハーサルの場面でも、「『もうちょっとヘラヘラしてみてもらえませんか』とわかりにくいお願いをしたにもかかわらず、一瞬で反映してくださって、さすがだなと思いました」と、南の瞬発力に信頼を寄せた。
そんな南沙良演じる麻由の場面写真では、ギャップのある2枚が解禁された。シンガポールの橋の上で大きなおなかを抱えて立つカットは、その表情にどこか暗い影が差している1枚。そしてもう1枚では、ネオンきらめく店内でキャバ嬢として完璧な笑顔で接客する姿が捉えられている。

場面写真 ©2026「マジカル・シークレット・ツアー」製作委員会

