映画『ストリート・キングダム』と共鳴した生き方と矜持とは
「信念を貫き通すのは、俳優の道を外れないため」若葉竜也が最新出演作で肯定できた過去の選択
2026.03.28 18:00
2026.03.28 18:00
今でも幼なじみとは週1くらい遊んでいます
──若葉さんにとって、自分がいちばん何者でもなく自由気ままだった時期っていつですか。
『街の上で』くらいの頃じゃないですか。
──リアルですね。
『葛城事件』から『街の上で』くらいまでがいちばん自由だった気がします。現場ではすさまじい気持ちでやっていましたけど、私生活の面では何もしがらみがなかった。顔を隠さず表を歩けましたし。極端な話、素っ裸になっても全然大丈夫みたいな感じだった。今はできないんで、その息苦しさは感じますよね。あ、それは別に素っ裸になれないことが窮屈という意味ではなくて(笑)。

──もちろんです(笑)。その息苦しさを感じる今を、若葉さんは肯定できますか。それともちょっと違う場所に行きたいですか。
違う場所に行きたいとは思っています。みんなが期待しているところじゃないところに行ってやりたい。ただ、そういう自分のジレンマを吐き出せたのがこの作品なので、この作品をちゃんと残したい、多くの人に観てほしいという気持ちはすごくあります。
──では、あともう少しだけ。若葉さんの音楽の原体験についても聞かせてほしいです。
僕にとって、自意識を持ったデビューというのは『4TEEN』なんですけど、そこで使われたはっぴいえんどの曲を聴いて、「なんだこの曲は」と思ったんですよね。当時はMDが主流だったので、はっぴいえんどの曲をMDに落として、ずっと聴いてました。
そこからゴイステに行って、「これってなんていうジャンルなの?」って友達に聞いて、パンクというものを教えてもらいました。で、そこからさらにTHE BLUE HEARTSに進んで。また「これってなんていうジャンルなの?」って聞いたら、やっぱりパンクだと。そこで「パンクって何?」ってなったのが、原体験かもしれません。それで、中学2年のときにギターを始めました。
──初めて弾いたのは、やっぱりゴイステ?
いや、そのときは「夜空ノムコウ」でした。音楽の授業中に友達が弾いていたんですよ。「やば。ギター弾けんの?」って声かけたら、「ここだけだけど」ってほんの短いフレーズを教えもらいました。

──若葉さんはライブに行くと、前でうおーってなってるタイプですか。それとも後方腕組み隊ですか。
そんなはしゃぐタイプではないですけど、基本どっちでもいいと思っています、人それぞれ楽しめていれば。この間、銀杏のライブに行ったんですよ。そのときは「BABY BABY」とか「ナイトライダー」をやってくれて。胸が締めつけられて、ぴくりとも動かなかったです。暗闇からずっと峯田さんを見ていました。
──あと、映画の中でLPのジャケット撮影のために工場夜景を撮りに行くシーンがありました。若葉さんも普段から写真を撮ることが多いと思うのですが、どんな風景を撮るのが好きですか。
僕は圧倒的に人物で。今でも幼なじみと仲良くて、週1くらいで遊ぶんですよ。彼らが僕の人格をつくったと言っても過言じゃない。休みの日はよく彼らの顔を撮っていて。もう僕らも36なんで、それなりに老けた彼らの顔とか、酒飲んでベロベロになってる顔とか、そういう写真がいちばん好きです。
──最後に一つ。ラストの笑顔が忘れられません。若葉さんは最近あんなふうに笑ったことありますか。
やっぱり幼なじみとの話になりますね。忘年会をやったんですけど、誰かが「カラオケに行こう」って言い出して。やっぱり銀杏が立て続けに入っていて。何も考えずにその日は笑っていました。幼なじみは、僕の宝物です。

場面写真 ©2026映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』製作委員会







