2025.12.22 18:00
2025.12.22 18:00
改めて自分の声と向き合うきっかけになった
──菊池桃子さんのラ・ムー(菊池桃子とキーボーディスト・松浦義和が中心となり活動していたバンド)は、確かに今聴いてもフレッシュですよね。
本当に新しいと思います。可愛らしい歌声はそのままに、ちょっとSF的な世界観があって。その時代にやっていた新しいことを、今の自分も、昔に立ち返ったり、新しいことをしたり、掛け合わせたりして、やってみたいと思っている一つです。

──今回のEPの「クズ男撃退サークル」や「ねぇねぇ先輩」も、ちょっと過激なユーモアの扱い方が歌謡曲的ですよね。
可愛らしく毒を吐くことを意識して作った2曲なので、少しでもそれが届いていたら嬉しいです。
──今回「楓」をカバーしたことで、ソングライターとしての十明さんにどんなフィードバックがあると思いますか?
自分の中で素を出すのに一番近いのが、やっぱり声なんだと気づきました。曲を作る時には、素を出すにしても、見せたい自分や強く押し出したい要素が前面に出てしまったり、本当の自分を見せることが難しい部分があって。アーティストとしてやっていく上で、それが必ずしも良いとも思えない部分もあります。
でも声は、そのまま気持ちを乗せられる分、意識しなければ偽りようがないものだと思うんです。だからこそ、自分の曲を歌うだけでなく、誰かが作った曲を自分の中で噛み砕いて、染み込ませて、声としてそのまま出すという経験ができたことが、すごく大きかったです。改めて自分の声と向き合うきっかけになったし、これから誰かの曲を私が歌うということも、やっていきたいなと思うきっかけになりました。
──今後、カバーアルバムの制作もあり得るかもしれないですね。
やりたくなっちゃいましたね(笑)。
──では最後に少しだけ、カジュアルな質問で十明さんの素顔を聞かせてください。好きな色は?
ん-、紫! 身につけやすいですし、あの寒色でも暖色でもない感じが好きというか。私的に黄色や赤だと元気出すぎて、青っぽい色だとなんか落ち着きすぎてるからその間みたいな部分で、自分にとってはどっちにもいけそうでいいなっていう意味でも紫が好きです。

──「GRAY」の歌詞の中にも“灰色”が出てきますし、デビューシングルのタイトルも「灰かぶり」でしたが、好きな色は紫なんですね。
灰色の服も普段よく着ていて……目立ちにくいというか総合的に暗さを感じるので、それが心の安心につながるんです。着てても見てても、曇りの景色は安心するし。でも紫は朝焼けとか夕焼けとかで、その境目が紫になってるとすごく幸せ。どっちにもつかない自分のコロコロ変わってしまう、好きな色とかもコロコロ変わってしまいそうなところをちゃんと留めてくれるのが紫かなって思うので、紫が好きです。
──では『楓』に絡めてもう一つ、好きな季節は?
秋か冬……うーん、冬です!
──なぜですか?
夏が苦手だからです。暑がりなのと、紫外線が降り注いでいるという理由で(笑)。今の季節が一番いいですね。







