2025.10.31 07:00
©金原ひとみ/集英社・映画「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会
2025.10.31 07:00
10月24日(金)より公開中の杉咲花主演映画『ミーツ・ザ・ワールド』に菅田将暉が声で出演していることが明らかになった。
原作は第35回柴田錬三郎賞を受賞した金原ひとみの同名小説。擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」に全力で愛を注ぐ主人公・由嘉里(杉咲花)は、婚活を始めるが惨敗してしまう。そんな中、歌舞伎町で酔いつぶれていたところを希死念慮を抱えるキャバ嬢・ライ(南琴奈)に助けられ、そのままルームシェアを始めることに。やがて既婚のNo.1ホスト・アサヒ(板垣李光人)、人の死ばかりを題材にする毒舌作家・ユキ(蒼井優)、街に寄り添うBARのマスター・オシン(渋川清彦)と出会い、歌舞伎町での生活に安らぎを覚えていくが、ライのことが気がかりな由嘉里は彼女と元恋人との再会を試みる。
菅田が演じたのは、希死念慮を抱えたキャバ嬢・ライのかつての恋人である鵠沼藤治。自分に新たな世界を見せてくれたライにこれからも生き続けてほしいと強く願う由嘉里が、ライが今でも想いを寄せる藤治に望みをかけ、鵠沼家を訪ねるも藤治は不在。家族から話を聞いた彼から由嘉里のケータイに電話がかかってくると、ふたりは約6分にわたって電話で話をし、由嘉里はライへの思いや生きることへの渇望を藤治にぶつけ、藤治は自分の思うライについて語る。
松居大悟監督と菅田がタッグを組んだのは、山内泰延による学園ギャグ漫画を実写化した『男子高校生の日常』以来12年振り。松居監督が芸能事務所・TopCoatを訪れた際に、そこにたまたまいた菅田と久しぶりに再会したことが大きなきっかけとなったよう。松居監督は「哀愁を漂わせながら酸いも甘いも呑み込んで第一線で闘っている“ギリギリで生きている感”が藤治と重なったんです。その上で、由嘉里が胸に抱えていた想いをぶつける相手ながら、電話のみでやり取りする役どころになるので、圧倒的に芝居が上手い人にお願いしたいと思い、菅田くんに“現代の生きづらさを代弁してもらえないか”とオファーしました」と話した。
菅田は声のみの出演となったが、事前に松居監督と何度か電話ですり合わせをした上で撮影現場に足を運び、実際に電話から聞こえてくる由嘉里の言葉を聞きながらの収録となった。さらに、藤治としての衣装も用意され、それを着用して撮影に挑んだという。菅田は、今回の出演を振り返り「杉咲さんの声を聞いた瞬間に、これまでの由嘉里の日々がものすごいエネルギーで入ってきたのを覚えています。松居監督たちと作り上げてきた時間が流れ込んできた気がして、震えました。ほんとにその1秒で、素敵な現場なんだなと感じました。瑞々しく脂っこい登場人物たち、吐き出すように貪る焼肉。ずっとよくわからない自分。香ばしい思い出も愛しく感じてくる映画だと思います。参加できて幸せです」とコメントを寄せた。

