映像には夏の海辺で髙田万作が河合優実と出会う場面も
三宅唱監督×シム・ウンギョン主演、旅情感溢れるカットが幸福感を満たす『旅と日々』本予告解禁
2025.10.02 10:00
©2025『旅と日々』製作委員会
2025.10.02 10:00
『ケイコ 目を澄ませて』(22)や『夜明けのすべて』(24)などの三宅唱監督の最新作で、11月7日(金)に公開されるシム・ウンギョン主演映画『旅と日々』の本予告と本ビジュアルが解禁された。
本作は、つげ義春の漫画『海辺の叙景』『ほんやら洞のべんさん』を現代的にアップデートしたロードムービー。行き詰まった脚本家・李が旅先での出会いをきっかけに人生と向き合っていく過程を李本人が綴っていく物語で、自然の美しさを背景に人と人の出会いと絆が描かれる。
第78回ロカルノ国際映画祭のインターナショナル・コンペティション部門で最高賞である金豹賞とヤング審査員賞特別賞をW受賞したほか、第30回釜山国際映画祭のコンペティション部門や第73回サン・セバスチャン国際映画祭のサバルテギ・タバカレラ部門にも正式出品される本作。すでにUS、フランス、韓国など世界9つの国と地域での配給も決定しており、世界各国から熱い視線が注がれている。
今回解禁された本予告は、佐野史郎演じる魚沼教授が「いまはなにか新しいものを書いているんですか?」と尋ねるシーンから始まる。脚本家の李(シム・ウンギョン)は「はい、でもあんまりうまくいっていません……」と自信なく答え、教授の「気晴らしに旅行にでも行くといいですよ」という言葉に導かれるように北国へ向かう。たどり着いたのは、ものぐさな主人・べん造(堤真一)が営む雪深い山奥の古びた宿。李はべん造に「幸せな気分さ、なる話はどうだや?」と問われ、ある夜には「よし、今から行ぐか」と夜の雪原へと連れ出される。
並行して描かれる李の脚本世界では、強い日差しが照りつける人気のない海辺で、夏男(髙田万作)はどこか陰のある女・渚(河合優実)と出会う。そして「こんなところがあるなんて知らなかった。生き返ったって感じ」とつぶやく渚のセリフに呼応するように映し出されるのは、雪のなかで目を閉じ周囲の音に耳を澄ます李の姿。ほろ酔いの李が「いやあ、でもなかなかおもしろかったです。久しぶりに、楽しいと思いました」と話すと、べん造が「おめぇはべらべらとよくしゃべるのう」と返すやりとりは、親しみとユーモアを醸し出す。さらに『きみの鳥はうたえる』『夜明けのすべて』に続きタッグを組んだHi’Specの音楽によって物語にどこか懐かしくも新しい感覚が加わり、「特別じゃない旅が、ちょっとだけ毎日を変える」というコピーが示すように、旅先での出会いが人生に変化をもたらすかもしれないという幸福な予感に満ちた予告編となっている。
併せて解禁された本ビジュアルは雪景色の中でカメラを構える李と、桶と網を携えたべん造、そして海辺を歩く渚の姿をレイアウト。そこに李の旅と創作の日々を切り取った写真がアルバムのように並んでいる。