2025.08.31 14:00
©︎Seed & Flower LLC
2025.08.31 14:00
「いつまでも遊んでいたい」怒涛の3時間
壇上に横たわる山下のつぶやくようなソロ歌唱から急転直下に激しいダンスナンバーへと変貌を遂げる「I want tomorrow to come」を契機としてライブは後半戦へ突入。最新のBACKS楽曲「港区パセリ」ではセンター石森璃花の小悪魔的なパフォーマンスが炸裂し、ここでバックスクリーンにサーカスの映像が投影。一度ステージを降りたメンバーに代わって登場したサーカス団の妙技の数々に魅了されていると、ピエロが大きな鞄を中央へと運んでくる。鞄の中からあくびをする森田が登場し、続いてメンバーも登場。満を持しての11thシングル「UDAGAWA GENERATION」のパフォーマンスだ。


こちらはもう見所だらけ。MVをなぞる形でまさか実際にライブでやるとは思わなかった守屋麗奈の人間大砲(人間バズーカ?)、通称「れなぁ砲」に始まり森田のマジック(ピエロに渡された花束が森田のくしゃみによって白から赤へと見事な色変わり)や、細かいところでいえば歌詞中の「いいこと悪いこと」に合わせて山﨑が親指を上(サムズアップ/グッドサイン)に、藤吉が下(サムズダウン/バッドサイン)に。また「常識と非常識」では開催地の大阪に合わせたのか、守屋のぶりっ子ポーズに谷口愛季が“なんでやねん”の仕草でツッコミを入れるなど、おもちゃ箱をひっくり返したでは足りない、おもちゃ箱を盛大にぶちまけたような「いついつまでも遊んでいたいよ」との歌詞をまさに体現、体験させてくれた。

山﨑の渾身の煽りから始まる「何歳の頃に戻りたいのか?」でライブはラストスパートに。そちらに続いて山下も渾身の煽りで「もう一曲 欲しいのかい?」とグループ屈指の暴れ曲(もはやこう形容するのが正しいとすら思った盛り上がりであった)を連発。「承認欲求」では、「UDAGAWA GENERATION」とはすっかり別人と化した森田を中心とした荒々しいパフォーマンスでBuddiesの熱狂はクライマックス寸前だ。
ここでスクリーンに“TEAM SAKURAZAKA46 / LAST SONG”と映し出され、満を持しまくった最高のタイミングで最新12thシングル「Make or Break」が放たれる。3期生加入時にグループ最年少であったセンター的野美青は文字通りの堂々たるパフォーマンスでBuddiesを圧倒。ラストにはガラスが割れるSEが耳をつんざくという、尖りまくった演出で本編は幕切れ。

ここまでのライブ時間は2時間半を優に超え、その間のMCはたったの1回のみ。スタジアムを満員にするアイドルグループのMCが本編通して1度きりだなんて、こんなことがあっていいのだろうか? そのあまりのハイスピードなライブ運びに体感時間が異常に短かったことも同時に特筆しておきたい。
メンバー、Buddies一同が万感の表情を浮かべつつ、アンコール定番楽曲である「Buddies」と「櫻坂の詩」で会場をピースフルな空間へとまとめあげた櫻坂46。記事前半でも記した通り本ツアーはグループ初の東京ドーム3DAYS公演やツアーファイナルである本公演もグループ初の京セラドーム大阪公演であり、そんな大きな挑戦が含まれていたが、こんな大胆な手法とセットリスト、演出の数々でやりきってしまうとは。次々と新たな挑戦を果敢に自らへと課し、雄大な歩みでもって実現させていくグループであるが、大団円の後に発表されたのは10月29日リリースの13thシングルと、来年4月に「5th YEAR ANNIVERSARY LIVE」が開催されるという、グループの次なる挑戦、歩みへの示唆であった。しかも“5thは新たなるステージへ!”として東京タワーがバックに映し出されており、後日発表となっている詳細にもまた期待が高まるばかり。

アンコール終盤にて松田は何度も「私たちのことをもっと多くの方々に知ってほしい」という心情を切々と訴えていた。そのさらなる、狂気的ともいえるパフォーマンスへの想い、そして挑戦への渇望。もうメンバーもBuddiesもとっくに櫻坂46というグループの「Addiction」。すなわち「依存症」になってしまっているということなのであろう。この症状はなかなか治りそうもないし、再び「UDAGAWA GENERATION」の歌詞からであるが、そんな依存症同士で「いついつまでも遊んでいたい」と心から思わせてくれる衝撃的なツアーファイナルであった。

全ての写真 ©︎Seed & Flower LLC
配信情報
「櫻坂46 5th TOUR 2025 “Addiction”」ツアーファイナル配信(リピート配信)
2025年8月31日(日) 17:00開場/18:00開演
チケット購入はこちら
セットリスト
櫻坂46 5th TOUR 2025 “Addiction”
2025年8月24(日) 大阪・京セラドーム大阪 DAY2
00. Overture
01. Addiction
02. 半信半疑
03. Start over!
04. 嵐の前、世界の終わり
05. Nightmare症候群
06. マンホールの蓋の上
07. 流れ弾
08. ノンアルコール
09. 自業自得
10. 真夏の大統領
11. 紋白蝶が確か飛んでた
12. ドローン旋回中
13. 恋愛無双
14. 夏の近道
15. 死んだふり
16. 偶然の答え
17. TOKYO SNOW
18. Nothing special
19. I want tomorrow to come
20. 港区パセリ
21. UDAGAWA GENERATION
22. 何歳の頃に戻りたいのか?
23. もう一曲 欲しいのかい?
24. 承認欲求
25. Make or Break
アンコール
EN1. Buddies
EN2. 櫻坂の詩
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