MOMONAの地元凱旋も叶ったKアリーナ2日目をレポート
「これからもたくさん宝物の思い出を」ME:Iが初アリーナツアー神奈川公演で宣言した“一緒の未来”
2025.08.22 20:00
「2025 ME:I 1ST ARENA LIVE TOUR “THIS IS ME:I”」2025年8月17日(日)Kアリーナ公演より ©︎LAPONE GIRLS
2025.08.22 20:00
2024年に鮮烈なデビューを飾った11⼈組ガールズグループME:I(読み:ミーアイ)が、8月16日と17日、初の全国アリーナツアー「2025 ME:I 1ST ARENA LIVE TOUR “THIS IS ME:I”」神奈川公演をKアリーナ横浜で開催した。
JO1やINIを輩出したサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』から生まれたME:Iは、7月26日の長野公演を皮切りに、長野・北海道・愛知・神奈川・兵庫・広島の初の6都市全13公演を巡る大規模なアリーナツアーの真っ只中。9月3日(水)にリリースされる1stアルバム『WHO I AM』の新曲5曲を引っ提げた念願の初ツアーということもあり、初っ端から会場では客入れBGMにあわせて、YOU:ME(ファンネーム)の歓声が沸き上がり、待ちきれないとばかりに大きな声がぐんぐん広がった。ここでは、そんな同ツアーの一部演出ネタバレを含みながらも、ツアー後半戦の神奈川公演2日目をレポートする。

定刻を過ぎ、かけ声の飛び交う会場に、MIU、SHIZUKU、KOKONA、RINON、MOMONA、AYANE、KEIKO、SUZUの8人が一列に並んだ。近未来的な映像からステージ中央にある壇上に現れたメンバーの姿は、より一層洗練され、その表情は一点の曇りもなく、自信と誇りに満ち溢れている。
ツアーのはじまりに相応しいデビューシングル『MIRAI』のタイトル曲「Click -EDM Arrange Ver.-」では、入れ替わり立ち替わり個性を放つメンバーのパフォーマンスに序盤から期待が膨らんだ。淡いピンク、イエロー、ブルーとポップなカラーのペンライトの海に、“Click Clik Click”という可愛らしい歌がこだまし、華々しい幕開けに一瞬たりとも目が離せない。一人の“クリック”(選択)でデビューしたメンバーと、ME:Iの関係性を示した原点とも言える同曲では、メンバーもその選択に応えるような躍進的な姿を見せ、好調な滑り出しを見せた。
未来に光を照らすような同曲でSUZUとCOCONAが“どんな夢も叶うよ ずっと一緒だから”と、エモーショナルな歌のバトンを華麗に繋ぐと、強烈なダブステップから入ったダイナミックなダンスに早々、息を呑む。アリーナの四方八方に向け、目一杯パフォーマンスを繰り広げるメンバーに、YOU:MEも煽るような熱いコールをぶつけた。ライブ終盤のMCでは、KEIKOが「今日の“Click”のかけ声が、過去一で良かった。毎回声を期待してるんだけど、今日は信じられないくらい突き刺さってきて、一生懸命応援してくれて嬉しい」と語り、COCONAも同じようにYOU:MEからの熱気を感じたようで「イヤモニを突き抜けるくらいの声で、パフォーマンス中もテンションがあがって良いパフォーマンスを見せられるので、本当にYOU:MEのかけ声って大事だなと思いました」と振り返った。ステージの階段が揺れたとメンバーが話すほどの歓声は彼女たちへの期待値を物語っており、ここまでの声援を受けられるのは彼女たちが切磋琢磨してきたレッスンの賜物。ストイックなオーディションで鍛え抜かれた8人は、バックグラウンドや肩書きも脱ぎ捨て、仲間たちと鼓舞しながら、その後もスケールの大きな楽曲たちを巧みに会場へと広げていった。

SHIZUKUによる“Bada bing bada boom”というコールのレクチャーから、猛暑の気怠さを吹き飛ばすような新曲「Summer Magic」が投下されると会場のムードはパッと煌びやかに輝いた。ME:Iの魔法にかけられるようなサマーソングは、ヒップホップトラックにトロピカルなサウンドも散りばめられ、波のようなダンスや弾けるような8人全員のとびきりの笑顔が眩しい。シャボン玉が舞うステージに、SHIZUKUは笑顔でカメラに向かい投げキスとサービスもたっぷり。観る者を飽きさせないエンタメ性に富んだステージで、グループ名に“未来のアイドル”という意味が込められたME:Iはすべてを見せてゆく。
その後も夢を見せるようなステージは続き、会場にドラムンベースの波打つビートが響き渡ると、真っ白な扉の映像のなかから逆光に浮かび上がった8人のシルエットが。再び登場したメンバーは愛らしい赤チェックの衣装にチェンジ。“憧れ”をテーマにした3rdシングル「MUSE」で多彩な色彩の音楽に息のあった“お化粧ダンス”を展開。都会的なトラックにファンク、シティポップ、ディスコ、ジャズなどを取り入れたサウンドメイクに、夢を追うことを肯定する歌詞はステージにさらに新しい風を吹かせたようだった。
ライブ中盤のMCでは、グルメにまつわるトークで爆笑が起こる一幕も微笑ましかった。横浜でのケータリングでどのグルメがおいしかったか聞かれたCOCONAは、「美味しいものが多すぎて」と回想しながらも、「私は…え〜、小籠包かな?」と答えると、メンバーからは「えっ、小籠包ないよ?」と、どよめきの声。どうやらケータリングで用意されたシューマイを小籠包と間違えたらしく、そんなお茶目な発言に会場は大爆笑。その後も、序盤のMCで眉毛を切り過ぎたことを明かし笑いを誘ったSHIZUKUから、「杏仁豆腐はほぼゼリー」といったさらなる名言が飛び出すなど、和気藹々なMCで会場は和やかなムードに包まれた。
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