主人公の人間味が詰まった予告と場面写真3点も解禁
シム・ウンギョン主演×三宅唱監督『旅と日々』に河合優実と髙田万作が出演、公開日は11月7日に
2025.07.01 15:00
©︎2025『旅と日々』製作委員会
2025.07.01 15:00
『ケイコ 目を澄ませて』(22)や『夜明けのすべて』(24)の三宅唱監督最新作『旅と日々』が11月7日(金)より公開されることが決定。追加キャストとして、河合優実と髙田万作が出演することが明らかになった。
つげ義春の『海辺の叙景』『ほんやら洞のべんさん』を原作に、シム・ウンギョンを主演、共演に堤真一を迎えた本作は、主人公の脚本家・李(シム・ウンギョン)が旅先でのべん造(堤真一)との出会いをきっかけに人生と向き合っていく過程を綴っていく物語。ひっそりと身を寄せ合う登場人物たちが、やさしさと愛おしさあふれるまなざしで描かれる。
新キャスト解禁と併せて公開された30秒の予告編は、「行き詰まった脚本家が旅に出た」というコピーから始まる。李がたどり着いた宿で、宿主であるべん造に「幸せな気分さ、なる話はどうだや?」と問いかけられる姿や、眼鏡を曇らせながらうどんを満足そうに頬張る姿、雪の中でうっとりするように周囲の音に耳を澄ませる姿など、行動のひとつひとつに人間味あふれる李のキャラクターの魅力が詰まった映像となっている。
続くシーンでは、「なしてこんなとこ来たの?」と尋ねられ「なんとなくです」と答える李に呼応するように、「なんにもしたくなくて」と答える渚(河合優実)の姿、そして雪深い山奥と夏の海辺の風景、「毎日が旅の途中だ」というコピーが映し出される。予告編全体を包み込む音楽を担当したのは、今や三宅作品には欠かせないHi’Spec。李が旅先で出会う風景や人々、そしてその中で紡がれる物語に、どこか懐かしくも新たな感覚を与えている。
併せて解禁されたティザービジュアルは、雪景色の中に佇む李と、なにやら木桶をのぞき込むべん造、海辺を歩く渚がいずれも遠景から配置されたデザイン。「旅」という作品のテーマが色濃く反映されており、どこまでも続きそうな雪景色と、青く広い空と海の中におかれた人物の姿が印象的に描かれている。またクレジットからは、つげ義春作品には欠かせない名優・佐野史郎や、過去に三宅唱監督作品に出演してきた斉藤陽一郎、松浦慎一郎、足立智充、梅舟惟永ら実力派俳優陣が出演することも明らかになった。
さらに、河合優実と髙田万作からもコメントが到着した。河合は「『きみの鳥はうたえる』が大好きで、いつかご一緒したかった」と語り、完成した映画に対しても「傑作だ、と思いました」と激賞。さらに、「全てのカットが、本当に美しいものを撮っている、または、本当に畏れながら撮っている、という感じがして、そういう意味での嘘のなさに、感動しました」と三宅監督の仕事に敬意を示している。
予告編で後ろ姿しか明かされていない「夏男」の役で出演した髙田万作は、本作を「自分の転機になる作品だと確信していた」とコメント。「ただそこに立って、風を受けながら、場所に身を委ねる。旅なんてそれだけで十分だと思える映画でした。言葉に囚われていた主人公が、この旅を通して少しずつほどけていく様な感覚が、皆さんにも伝わればいいなと思います」と素直な感想を語った。
加えて、脚本家として執筆活動に一心に取り組む李、どこかおかしみのある李とべん造が囲炉裏を囲む姿、そして夏の海で風を受ける渚と夏男の姿を映した場面写真3点が解禁された。

©︎2025『旅と日々』製作委員会
河合優実 コメント全文
作品オファーへの率直な感想
『きみの鳥はうたえる』が大好きで、いつか三宅監督とご一緒したいと思い続けていたので、すごく嬉しかったです。
脚本を読んだ感想
ふたつの原作を、夏と冬でメタ的に構成しなおすことに驚きがあり、とても面白いと思いました。また、三宅監督が何か新しいことに挑戦している印象があったので、一緒に映画を作ることが楽しみな脚本だと思いました。
三宅監督との仕事について
最初に、「監督と演者というより、一緒に作っていく人として接します」と言ってくださったのですが、それがすごく嬉しかったです。三宅さんは気さくで話しやすい方ですが、環境づくりはとにかく丁寧で、素晴らしい現場でした。
完成した映画を観て
傑作だ、と思いました。ほんのささやかな物語の中に、無数の感慨があります。全てのカットが、本当に美しいものを撮っている、または、本当に畏れながら撮っている、という感じがして、そういう意味での嘘のなさに、感動しました。皆さんの素晴らしい仕事の結集だと思います。自分がこの映画の中に残っていることが嬉しいです。
髙田万作 コメント全文
作品オファーへの率直な感想
オーディションの話を頂いた時から、三宅唱監督作品という事もあり「絶対にやりたい」と思っていましたし、自分にとって必ず転機になる作品だと確信していました。合格の連絡をもらった時は、プレッシャーもありましたが、それ以上に早く現場に入りたい気持ちが強かったです。
脚本を読んだ感想
原作の、「海辺の叙景」の少し怖くて、でも目を離せないあの感覚が、脚本に上手く落とし込まれているなと思いました。読みながら、この先2人はどんな結末を迎えてしまうんだろうと、少しゾワゾワした気分になりました。
三宅監督との仕事について
監督自身が、現場をすごく楽しまれてるなと思いました。いつも笑顔で、スタッフの方と楽しそうに試行錯誤されてる姿が、すごく印象的でした。演技指導に関しても、監督の言葉ひとつひとつが信頼に満ちていて、難しい演技にも安心して挑戦することができました。
完成した映画を観て
ただそこに立って、風を受けながら、場所に身を委ねる。旅なんてそれだけで十分だと思える映画でした。言葉に囚われていた主人公が、この旅を通して少しずつほどけていく様な感覚が、皆さんにも伝わればいいなと思います。素敵な作品に関わることが出来て光栄でした。