2025.05.02 19:00
2025.05.02 19:00
野村康太の魅力は、透明感だと思う。瑞々しい美肌と、涼やかな目元。何よりもひねたところがまるでない、周囲に対して感謝を惜しまないピュアな心が、野村康太という人間の魅力をかたどっている。
初の単独主演映画『6人ぼっち』で演じたのは、クラスに居場所ない“ぼっち”の加山糸。同じく“ぼっち”のクラスメイト5人と修学旅行で同じ班になったことから、6人の間に生まれるはずのなかった友情が芽生えていく。
野村康太もまた、かけがえのない友人に支えられてここまでやってきた。これは、彼が愛するお芝居と、ファンと、友達についての話だ。

僕も糸と同じで、人に話しかけるのは苦手
──今回、陰キャの加山糸を演じました。野村さんはこうしたちょっとオドオドした役がよく似合いますね。
そうですね。自分でも内気な役は演じやすいというか。意外と共感できる部分もあったりして、わりとすんなり役に入れます。
──ずっとバスケットボール一筋の体育会系の環境にいらっしゃったから、内向的な部分に共感できるというのはちょっと意外です。
高校時代も教室では静かでした。バスケをやっていたときは騒いでいたんですけどね。部活になると一気にキャラが変わるんです。
──面白い。自分の性格を自己分析すると?
わりとテキトー人間です(笑)。要所要所で手を抜くところはちゃんと抜くタイプ。あとは子どもですね。好奇心旺盛だし。
──このお話は修学旅行の班決めから始まります。人によってはトラウマにもなる班決め。野村さん自身はどうでしたか。
僕の学校ではあまり自分たちで決めることがなかったんですよ。たぶんそういう気持ちになる子を出さないようにという先生の配慮だと思うんですけど。先生が用意したくじ引きで決まることが多くて。
──たとえば、お昼ご飯を誰と食べるかみたいな日常レベルのケースだといかがでしょう。あれもなかなか教室のパワーバランスが見える風景ですが。
僕は高校のときは一人で食べることが多かったです。
──え。そうなんですか。
食事に集中したくて。あんまり邪魔されたくなかったんです。

──一人で食事をしているところを人に見られて、友達がいないと思われるのが嫌という人も学生の頃は少なくないと思いますが。
まったく気にならなかったですね。たぶんそれは省かれている感がなかったからだと思うんですけど。うちのクラスは本当に優しくていい子たちばっかりだったんですよ。スポーツクラスだったのもあって、みんなスポーツに一生懸命で、からかうような人もいなかったし。そういう環境があったおかげで、僕も気にならなかったのかもしれない。
──では、糸のあの所在のない感じは想像を膨らませながら演じていたんですか。
そうですね。僕はいつも役と自分の共通点を見つけて、そこを大きくしていくイメージで気持ちをつくっていくんですね。人に話しかけづらい、というのは僕も共感できて。よく現場でも今話しかけていいのかなと躊躇することはあります。相手の方から話しかけてくださるような明るい方だとすぐに打ち解けられるんですけど、そうじゃないときはなかなか……。特に年齢がちょっと離れている方だと、すごく気を遣っちゃいますね。

──俳優業も今年で4年目。前室で共演者と一緒になったときの間の持たせ方は見つけましたか。
女性の方だったら、スキンケアの話をすることが多いですね。あとは韓国ドラマが好きな方も多いので、韓国ドラマとかK-POPの話をしたり。男性の場合はサウナか筋トレの話が鉄板です(笑)。
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