2025.04.15 18:00
2025.04.15 18:00
大切な人を守るためなら名誉は気にしない
──ちなみに髙石さん自身、目に見えないものは信じますか?
信じます! 何でも私信じますよ!「これあります」って言われたら「信じます」っていう感じで。
──お化けも?
信じます。なんか、全部信じる(笑)。結構淡々としてるかも。そこに関しては何も思わずにそう思えるかもしれない。ジンクスとか、願掛けとかはないですけど。

──作中で戦いの後に工藤が抜けたふみかが我に返る場面が印象的でしたが、髙石さんご自身はアドレナリンが出て気づいたら終わっていたような経験はありますか?
あります。お芝居でコントロールが効かないときとか、あえてコントロールをしないときとかにあるものだと思うんですけど、自分が乗っ取られる感覚は楽しいです。一方で、それは映像だと難しいというか。例えばカメラがアップだったら、そこから動いたらもうダメなわけで。完全に自分の感覚でやってフレームから出てしまったら、それが正解とは言えない気もするし。でも出ていいときもあって、その塩梅が難しいので、ずっとコントロールしていないといけない自分は必要なのかなと思います。すごく広い引きの画とかでは結構自由にやらせてもらってます。
──そういう経験されたとき、いざ出来上がったものを観てどう思われるんでしょうか。
私自身が泣いたりするのとは違う表情をしてると思うので、観ていて面白いです。本当に全然違う人だから、それはお芝居をやっていて面白い部分ではあるかもしれないです。「あ、こんな表情するんだ」とか、「ここまでいくんだ」とか。私、たぶん人より表情筋がよく動くんですよ。
──そう思います(笑)。
(笑)なので、驚くことがすごく多いです。
──そこに面白みを感じつつ、自分ではコントロールできる領域も増やしていきたい?
コントロールしつつ、外しつつですね。感情がバッて湧き上がったときは、抑制しすぎなかったり、あえて抑制したり。その役次第かもしれないです。

──『ゴーストキラー』の序盤で、親友をDV彼氏から救い出そうとするシーンがありますよね。それを観て、前回のインタビューで「“友達”と呼ぶ相手は特別な存在だから、何かあれば絶対に守りたい」とおっしゃっていたのを思い出しました。他のインタビューでも「守りたい」という言葉をよく話されているのですが、髙石さんは「守る」という言葉の意味を考えたことはありますか?
あります。兄に聞かれたことがあって。その答えは私の中で明確というか。
私はあまり自分から発信することが得意じゃないんですが、だからこそ私の周りの人たちはみんなすごく連絡をくれるんです。だからその方が少しでも悲しいとか、落ち込む何かがあったときは、「救えるのは自分だけ」という気持ちでその物事と一緒に戦います。逆に戦わずにドライに見守るという体制をとることもあって、それはその人にとってこの経験は絶対に必要だと思うとき。私が大切にしている人がこの先良かったと思えるものにつなげられる存在になれたらいいな、という思いがずっとあるので、落ち込む要素から守る──その「守る」は人によって違っていて、そばにいることで守られていると思ってくれるなら私はそばにいるという選択をします。だから「守る」は「大切」って言葉と同義かなと思います。
──それはもし大切な誰かを守ることで髙石さん自身の名誉が失われたとしても守りたいですか?
余裕です。
──さすがです。前回、仲良くなりたい人には自分から「友達になっていただけないですか」と伝えるというお話もありました。髙石さんは今最も作り手がキャスティングしたい俳優の一人で、同業者(俳優)からすると最も共演したい俳優の一人で、僕らみたいなメディアからすると最も取材したい俳優の一人だと思います。ご自身が「求められること」についてはどう思いますか?
求められること……嬉しい!って思います。うーん……嬉しいです。

──逆に共演者から「友達になっていただけませんか?」って言われたら?
……なれるだろうか? と二人で探ります(笑)。まずご飯に行ってみようというところから……
──ちなみに、今までそういうことは?
たぶん私、結構気を張っているのでなかなかないんですけど、なかには言ってくださる方もいまして。そもそも誰かとご飯に行くということがあまりないんですが……(笑)。
──え、そうなんですか?
はい。ほとんどないです(笑)。
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