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映画『遺書、公開。』公開記念リレーインタビュー #1

悔しさはもっと頑張るための原動力、志田彩良が輝かせる“普通”という個性

2025.02.10 18:00

2025.02.10 18:00

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集団社会で生きる以上、人は“序列”から逃れられない。あの人は自分よりもランクが上で、あの人は自分よりもランクが下。そうやって他者をしたたかに値踏みして、自分のポジションをキープしている。 

1月31日より公開中の映画『遺書、公開。』が描くのは、そんな人間の熾烈な競争心。序列No.1の人気者・姫山椿が自殺した。葬儀を終えたクラスメイトに待っていたのは、クラス全員に宛てられた遺書。なぜ彼女は死んだのか。その真相を知るべく、クラスメイトたちは教室でそれぞれの遺書を公開し合う。 

だが、それは決して開けてはいけないパンドラの箱だった。姫山椿について語るたび、炙り出され ていくのは、それぞれが隠し持った嫉妬やプライド、劣等感にマウント本能。姫山椿は何の目的で 遺書を遺したのか。クラス24人の壮絶な本音デスマッチが幕を開ける。

Bezzyでは本作の公開を記念し、キャストたちのリレーインタビューを敢行した。第1弾に登場するのは、序列20位・廿日市くるみ役の志田彩良。次々とエゴイスティックな本性をむき出しにしていくクラスメイトを前に、彼女はどんなことを感じたのだろうか。

志田彩良

人の本質は怖いけど、人間らしくて面白い

──自殺した女子生徒がクラスメイト全員に遺書を遺していた、という設定がとてもセンセーショナ ルです。志田さんが、あのクラスの一員だったらどうしていますか。

私はリーダーシップを取れるタイプではないので、まず様子を伺って、みんなの行動についていくと思います。いちばんズルいですよね(笑)。例えば、みんなが自分宛ての遺書を公開しはじめたら、「私も公開しなきゃ」と思うだろうし、みんながこんな遺書嘘に決まってると言い出したら、「私も嘘なのかな」と思うだろうし……。でも何より、葬儀が終わって教室に帰ってきたら遺書が置いてあるというあのシチュエーションに耐えられないと思います。怖いですよね。 

──遺書に何が書かれていてもヘビーですもんね。 

すごい責任を感じそうですよね。彼女が死んだのは私たちのせいなのかなって。

映画『遺書、公開。」主題歌入り予告編

──映画では遺書を公開していく中で、クラスメイトたちの隠されていた本性が明らかとなっていき ます。まさに怪演のオンパレードでしたが、その様子を目の当たりにしてどんな気持ちになりまし たか。 

あのみんなの熱量はやっぱりちょっと怖かったですね。いつ自分の番が来るんだろうってずっとドキドキしていました(笑)。やっぱり教壇に立つとクラスの視線が一気に集まるので、緊張感がすごいんです。 

初めての読み合わせも実際のセットの教室を使って行いました。撮影前にみんなで一度その異様な緊張感を体験していたんです。だからこそ、自分以外の出演者が遺書を公開しているときも、読み合わせのときに味わった緊張感がフラッシュバックしてきました。あの現場の雰囲気は独特でしたね。 

『遺書、公開。』より廿日市くるみ(志田彩良)、池永柊夜(吉野北人)

──人間の隠し持つ暗部がどんどん暴かれていくわけですが、志田さんはああいうドロドロとした 感情を見たときに人間って醜いなと思うタイプですか。それとも人間らしいなと思うタイプですか。

人間らしいなと思います。やっぱり人付き合いをする中で、それぞれが日々思うところはあると思うんです。それを言葉にする人が少ないだけ。なので、遺書の公開を通じて、いろんな人たちの本質が見えてくるのはちょっと面白いなという視点で見ていました。 

特に学生時代は同じクラスだと毎日顔を合わせなくてはいけません。その中で嫌われたくないと思うのは自然な心理だと思います。でも異常な環境に陥ったことで、その恐怖心が取っ払われてしまった。その結果、ある意味全員が“最強”状態になってしまったんですよね。その瞬間に見える本質というのは怖いものがありますが、私はそれを見ていて、人間さまざまなことを抱えながら生活してるよなって、ちょっと頷けるところがありました。 

──あそこまでさらけ出せたら逆に気持ちいいかもしれません。 

あ、でも私は自分の発言に対して、後から「言わなきゃ良かった」って反省会しちゃうタイプなんです。だからきっとあの場にいたら、家に帰って今日の私の発言大丈夫だったかなって考えて眠れなくなっちゃう気がします(笑)。 

──よく考えたら、次の日普通に学校に来ているあのクラスメイトたちはメンタルが相当太いですよね。 

すごいですよね。私には考えられないです(笑)。 

──遺書の公開を通じて、それぞれが抱えていた嫉妬や劣等感が噴出していきます。志田さんは、そうしたネガティブな感情を抱くことはありますか。

プライベートではあまりないですが、お仕事に関しては負けず嫌いなので、悔しいなと思う瞬間はあります。でも、私の中で悔しさは原動力なんです。悔しいと思うから、もっと頑張ろうと思える。悔しい気持ちから目を背けるのではなく、それをバネにしてもっと吸収しようというエネルギーに変えています。

──そんなふうにお互いを高め合える同世代の友達はいますか。 

刺激をもらいつつ、すごく仲良くさせてもらっているのが田辺桃子ちゃんや出口夏希ちゃん。プライベートでよく会いますね。 

──会って、どういうことをするんですか。 

何してるんでしょうね(笑)。ただ、ひたすら喋っている気がします。現場の話をすることもあれば、最近観た作品の話もしますし、プライベートでこんなことあったんだという話もします 。本当に他愛のないことですが、すごく楽しくて、何時間もずっと話し込んでいます。 

──友達といるとき、志田さんはどういうポジションにいることが多いんですか。

小さい頃からずっと末っ子として育ってきて、いとこの間でも年下組だったので、つい甘える癖がついちゃってるんですよね(笑)。だから友達に対しても結構甘えます。

──じゃあご飯に行くときも、自分からお店を決められなかったり。 

できないです。いつもみんなに「どこかいいとこある?」って聞いて、 最終的にはみんなの食べたいものを食べに行きます(笑)。

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英勉監督と廿日市像をどう作り上げたか

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作品情報

遺書、公開。

©︎2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©︎陽東太郎/SQUARE ENIX

©︎2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©︎陽東太郎/SQUARE ENIX

遺書、公開。

2025年1月31日(金)全国公開
配給:松竹

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:吉野北人 宮世琉弥 志田彩良
松井奏(IMP.) 髙石あかり 堀未央奈 忍成修吾
上村海成 川島鈴遥 荒井啓志 松本大輝 星乃夢奈 榊原有那 藤堂日向 菊地姫奈 大峰ユリホ
阿佐辰美 兼光ほのか 日髙麻鈴 大東立樹 金野美穂 鈴川紗由 浅野竣哉 青島心 楽駆
原作:陽 東太郎「遺書、公開。」(ガンガンコミックスJOKER/スクウェア・エニックス刊)
監督:英勉
脚本:鈴木おさむ
企画製作:HI-AX
製作プロダクション:ダブ

1999年7月28日生まれ、神奈川県出身。2013年からファッション誌「ピチレモン」の専属モデルとして活躍し、2014年に短編映画「サルビア」(14/監督:西中拓史)で主演として俳優デビュー。そのほかの主な出演作品に、映画『ひかりのたび』(17/監督:澤田サンダー)、『mellow』(20/監督:今泉力哉)、『かそけきサンカヨウ』(21/監督:今泉力哉)、『恋を知らない僕たちは』(24/監督:酒井麻衣)などがある。

また2024年には同クールに放送されたドラマ『消せない「私」-復讐の連鎖-』(日本テレビ系)、『こんなところで裏切り飯』(中京テレビ)2本の連続ドラマで同時に主演を務めて話題に。

2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』への出演も決定している。

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