2024.12.25 18:00
2024.12.25 18:00
2024年8月にドラムのマツイユウキが脱退、片桐(Vo/Gt)とヤスカワアル(Ba)の2人体制でスタートを切ったHakubi。バンド結成のきっかけとなったオリジナルメンバーの脱退はファンにとってもショッキングな出来事だったが、2人はすぐに前を向いて次なる一歩を踏み出した。以下のインタビューを読んでもらえれば、その決断がバンドを前に進めていくためのものだったことは伝わるだろう。
目下ツアー中のHakubiだが、11月6日にリリースされた新体制第1弾シングル「クロール」は、エネルギーが溢れ出るようなサウンドと、強い決意が滲む歌詞が新たな出発にふさわしい楽曲だ。この最新曲、そして現在のバンドのモードを2人に存分に語ってもらった。
ネガティブな“らしさ”から飛び出したかった
──マツイさんが脱退して、Hakubiは2人体制で新たなスタートを切ったわけですが。ここまで新体制でやってきていかがですか?
片桐 思っていた以上にファンからの「悲しい」っていう反応が多くて、それはもちろん苦しかったのですが……でも、もう進まなきゃいけないので、ここで止まって悲しんでいる暇はないなって思って。決まってからツアーが始まるまではもう怒涛の日々みたいな感じで、そういう気持ちはあまりなかったですね。
ヤスカワ 確かに。忙しくてそれどころじゃなかった。
片桐 ちゃんとファンの気持ちは受け取らなきゃいけないなとは思いながらも、その悲しみをちゃんと払拭できるような楽曲を作らなきゃいけないなとか、新体制になってからのHakubiをがっかりさせないものにしなきゃいけないなとか、そういう気持ちが大きくて。必死に取り組んでいました。まさに「クロール」な感じでしたね。
ヤスカワ 決めたことは決めたことなんで、結構仕方ないかな、というか。マツイっていちばんファンに近い存在だったと思うんで、そういうところでの反響はあるかなと思いながらも、片桐が言ったとおり、そこで停滞するようではダメだと思ったし、そもそも停滞させないための決断ではあったんで、「やるしかないかな」という。チームの雰囲気自体はめっちゃよかったんで、より前進していこうっていう一体感はめっちゃあったかなっていう感じですね。
──「クロール」を聴いてもバンドとしてのメカニズムとかバイブスが変わった感じはすごくありますよね。レコーディングでは細川千弘(EX. KOTORI, Shout it Out)くんがドラムを叩いていますけど。
ヤスカワ ボーカルとドラムやと思うんですよ、バンドって大事なのは。音も強いし、音楽的にもリズムは土台になってるんで、そこのメンバーがちゃうのはものすごい変化を感じるというか。
──ドラムと歌ってことでいえば、気分が変われば当然歌も変わっていくと思うんですけど、片桐さんも歌っていくなかで変化を感じたりはします?
片桐 そうですね。それこそ本当に脱退の理由にもつながるんですけど、今年になってから、私たちがこれから進みたい方向とか、改めて何が自分たちにとって大切なもの、かっこいいと思えるものってなんだろうみたいなのを話し合った時期があったんですよ。そのなかでボーカルについてもすごく考えて。
今までのHakubiももちろんHakubiだし、その形をきっとファンの人たちも好きでいてくれたんだろうなって思うんです。ボーカルでいったら、すごく熱量のある、思いきり叫んでいるような。そういうのを結構やってきたと思うんですよ。今の自分としては1回ちゃんと「音楽」をやりたいなっていうモードになっていて。それは今までの自分の通ってきた道であったり、楽曲であったり、アーティストだったり、やりたいことにつながってくるんですけど、今までのHakubiではないものにも挑戦したいなっていう気持ちがあって。その意味で自分のボーカルとしての向き合い方が変わっていった感じはあります。もっと自由に泳げるボーカルみたいなのを目指したっていう。今はすごく自由に泳げるようになったかなって思います。
──うん、それは本当に「クロール」を聴いても感じますよね。歌がのびのびしてるなって。
片桐 それこそ苦しくてもがいている声というか、全部ネガティブでいなきゃいけないっていう。それがHakubiらしさだって私たちは決めつけていたんですけど、そこから飛び出せるような楽曲だったと思うし、飛び出したいなっていう思いがあったから、こういう楽曲になって、歌い方も変わっていったんじゃないかなと思います。
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