パンプキンポテトフライ（谷拓哉＆山名大貴）前編──なんもしない相方と行くしかなかった東京

2024.12.24 18:00

全ての画像・動画を見る（全16点）

上京のタイミングで立場が逆転した理由

やつい　じゃあ受験でいいところ行けそうな流れから一気にやめたんだね。1年間もう勉強せずに。そこからプロになろうとしてたの？ NSC行くとか。

山名　そうですね。そうなるのかなみたいな感じで思いながら。授業も僕ら2人だけ進学しないんで、みんなの邪魔になっちゃうから選択授業みたいな措置が取られて、僕らだけ体育してるみたいな（笑）。先生とグラウンドでフリスビー投げたりしてました。

やつい　その間ネタ作ったりしないの？ライブとか。

谷　全然遊んでただけです。

山名　カラオケ行ったり（笑）。

やつい　でも卒業しちゃうじゃん。どうすんの？

谷　高校卒業して実家出ようってなって、大阪で各々一人暮らしを始めて。で、ここから吉本に入るのか、何なのか。それでぬるっとフリーター始めたんです。

やつい　その1年間でネタできたんじゃない？フリスビー投げてる間にさ（笑）。

全員　（笑）

谷　（笑）それで一人暮らし始めたんですけど。僕ら大阪の九条っていうところに住んだんですけど、兵庫県から40分ぐらいで行けちゃうんですよ、電車で。だから実家帰ったり、地元の友達と遊んだり、バイト先の友達と遊んだり、それこそ山名と遊んだり。NSC入るかとか、ライブ出るかとか言うけど、別にまあまあみたいな。バイトして、家賃払って、遊んで、飯食って、女の子とエッチしてみたいな。それで2年経っちゃったんですよ。

やつい　じゃあほぼ3年何もやってないじゃん。

谷　山名と話して、「やるの？お笑い」って。「辞めるんだったら実家帰ろうぜ。やるならやろうよ」ってなって。山名は「やる」ってなって、よしってなった時に、大阪でこのだらだらを経験したんで、じゃあもう東京行って、知り合いゼロのところ行ってお笑い始めようってなりました。だから大阪吉本やめとこう、東京でナベプロかホリプロに入ろうぜってなって。ちょうどその時期にお笑い始める友達がいて、そいつらがナベプロ入るって言ってて、そいつらと遊んだらまた終わりやから、もう本当にゼロのポリプロに入りました。

やつい　山名くんは誘っておいて何やってたのよ？

山名　いや、そうなんですよ。どうにかなるとか思ってたけど、始め方わかんないみたいな。

やつい　ネタ作ってないんでしょ？

山名　ちょっと作ったかな？

谷　何本か。

やつい　M-1の予選は素人でも受けれるじゃん？

山名　その時がちょうど最後のM-1やったんですよ。

やつい　あ、1回終わっちゃったときね。何してたの？

山名　今考えたらそうなんですけど、それはそれで回ってたっていうか。大阪でバイトして。

やつい　お笑いやるって決めた熱意はどこ行っちゃった？

山名　そこまでが楽しかったみたいなのがあって。

やつい　読んでた漫画とだいぶ変わっちゃったよ？結局、谷くんから言われて、やべって思ったってこと？

山名　そうですね。

やつい　あ、逆転したんだね。やりたいって言ったのに、そのまま時の流れでほっといたらやってないよね。

山名　谷が勝手にフェードアウトしてたら、1人では多分やってないと思いますね。

谷　山名、ちょこちょこネタは書いてたんですよ。ほぼ遊ぶけど、5回に1回くらいネタみたいなのを書いてきて、夜に公園とかでやったり。僕も一応芸人じゃないけど漫才見るようになって。ちょっと友達できてきて、山名のネタ見てって2年ぐらいやってたら、人前で全然やってないですけど気づいたんですよ。持ってくるネタがしゃばいって。

やつい　あ～漫才っぽいことでいいじゃんって思ってたけど、よく見てみたら。

谷　フリー素材みたいな、誰が使ってもいいくだりみたいな「店員さん呼んできます」「ほな、お前誰やってん」とかがパンパンに入ってるだけで。僕はできてるって思ってたけど、これ一番おもんないやつだってその2年で気づいたんで、東京来てホリプロコムの養成所入った時にはもう10対0でした。

やつい　ネタ書くのやめたんだ。

山名　やめてました。

谷　書かなくなったし、何もしなくなったし、何で誘ってきたのかも全然わからない状態で東京スタートしました。

やつい　谷くんがやろうって言って、山名くんが逆に誘われたような感じだもんね。もはや。

谷　そんなことはないですけど（笑）。

山名　自分が引っ張っていきました。東京行ったらこうしようとか、引っ張ってはいたんですけど。

やつい　引っ張ってたの！（笑）どうするのって言われたでしょ？

山名　確かに言われた時は（笑）谷がお笑い興味なかったじゃないですか。18ぐらいの時とか。でもちょっとずつやるってなって笑いを見だして、どんどん賢くなってきたんですよ。