13曲入り1stアルバム『Raise』に込めたこだわりと強みとは
いくらでも上を目指せる世界で、叶え続けたい夢がある。和田雅成がアーティスト活動にかける想い
2024.12.16 19:30
2024.12.16 19:30
舞台『刀剣乱舞』のへし切長谷部役や舞台『呪術廻戦』の七海建人役などのいわゆる2.5次元舞台をはじめ、来年1月には韓国ドラマが原作の舞台『花郎〜ファラン〜』の主演が決定している和田雅成が、12月11日に自身初のアルバム『Raise』をリリースした。和田といえば10月に放送が始まった主演ドラマ『神様のサイコロ』で主題歌「Dice」を担当したばかり。今回リリースするアルバムには全13曲が収録され、「Dice」はもちろん12月4日に放送がはじまった主演ドラマ『0.5D』の主題歌「own world」も収録される。
インタビューではアルバムのレコーディングが主演舞台『月農』と重なったことで感情のコントロールに苦労したことなども率直に語ってくれ、生半可な気持ちで歌手に挑んだわけではないことが伺い知れる。歌も演技もどちらの仕事に対しても真摯に臨む姿勢、自らの感情を押し付けるのではなくあくまで相手に委ねるスタンスなど、仕事論にも迫った。
やるからには確実に結果を求めたい
──まず最初にドラマ『神様のサイコロ』の単独初主演と主題歌を歌うということが決定したときの感想を教えてください。
赤裸々に話すと、歌に関しては過去にお断りしたことがあったんですよ。舞台に立つ役者が、知名度が上がってきたタイミングで歌を出すということに対して、2足のわらじを無理やり履こうとしているような感じがして……。3年前ぐらい前にそうやってお断りしたんですけど、自分も歳を重ねて、自分が出演するドラマの主題歌を歌うことって人生でそんなにチャンスがあることではないと思ったので、主題歌を歌わせていただくことになりました。その時はまだアルバムを出すことも何も決まっていなかったんですけど、今だったら以前とは違う気持ちでできるんじゃないかなという思いもあって、やらせていただくことになりました。
──アルバム『Raise』は全13曲が収録されているので、初めてのアルバムにしてはかなりボリュームもありますし、プレッシャーもあったんじゃないですか?
思ったより曲数も多かったんですけど、しっかり物事が進んでいったな、という印象ではありますね。アルバム制作がどんな風に進んでいくのか、といった流れも知らなかったので、戸惑いはありましたが、キングレコードさんに引っ張っていただいてなんとかできました。
──主題歌を歌うことが決まってからアルバム、そして来年のソロツアーまではすぐに決まったんですか?
そうですね。12月に放送されるもう1つの主演作品(ドラマ『0.5D』)でも主題歌を歌わせていただくっていうことが決まって、シングルを2枚出すとなると結局4曲歌うことになるし、せっかくだったらアルバムを作ってみないかとキングレコードさんから言っていただいたんですよ。さっきも言いましたけど、こんな機会って人生でそんなに多くないと思うので、僕でよければということで、やらせていただくことになりました。
──でも最初にアルバムがリリースされるということで、“役者が歌を歌う”ではなく歌手として本気で向き合う気持ちが伝わってくる気がします。
今後どうなっていくかはわからないですけど、せっかくこうしてやらせていただくのであれば、確実に結果を求めたいので。役者もそうですけど、歌うことに関しても、自分の目標は持ちながらやりたいなと思ってますね。
──これまでに歌手になりたいと思ったことはありましたか?
漠然とアニメの主題歌を歌いたいという思いは子どもの頃からずっとありましたね。僕自身アニメがすごく好きで、アニソンに勇気づけられてきたタイプなので。それがある意味、今のアーティストとしての夢ですね。
──アニメ主題歌ともなれば世界中の人が聴く可能性も高いですよね。
最近は特に多いですからね。しかもキングレコードさんには特にそういうアーティストさんが多いので、自分も本気で向き合っていれば、チャンスは来るんじゃないかなと思ってます。
──歌手デビューすることについて、身近な人の反応はいかがでしたか? 和田さんも共演されたことのある俳優さんの中には歌手として活躍されている方もたくさんいらっしゃいますが、どなたかから励ましやアドバイスはありましたか?
正直、周りからの反応はあんまりなかったですね。僕も、知り合いの役者がアーティストデビューするからって、「ああ、そういう活動もするんだな」って思うぐらいなんですよね。いい意味でいじってくれることはあるんですけど。昨日まで『あいつが上手で下手が僕で』という舞台をやっていて、お笑い芸人の役だったんですよ。その作品で漫才している最中に、相方が僕のアルバムのことをいじってくれたりだとか。それってすごく愛があって、そういうところで本当にアルバムを出すんだな、という実感も湧きましたね。周りも直接言ったりはしないけど知ってくれてはいると思うので、黙って見守ってくれているのかな、という印象ですね。
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