共演は中川大志、初解禁の場面写真は柴崎まどか撮り下ろし
橋本愛主演、柚木麻子原作の恋愛奮闘記を矢崎仁司が映画化『早乙女カナコの場合は』公開決定
2024.11.15 09:00
(C)2024「早乙女カナコの場合は」製作委員会
2024.11.15 09:00
橋本愛が主演、矢崎仁司が監督を務める映画『早乙女カナコの場合は』が来年3月に全国公開されることが決定した。
原作は、作家・柚木麻子が2012年に上梓した小説「早稲女、女、男」(祥伝社文庫刊)。男勝りで過剰な自意識ゆえに素直に甘えることができず、本当は誰よりも純粋で不器用な主人公・早乙女カナコと演劇サークルの先輩・長津田の10年に渡る恋愛模様を中心に、彼女たちと周囲の人々が右往左往しながらも各々が自分を見つめ直していく姿を描く。
大学進学と同時に友達と二人暮らしを始めた主人公・早乙女カナコは、入学式で演劇サークル「チャリングクロス」で脚本家を目指す長津田と出会い、そのまま付き合うことになる。念願の大手出版社に就職が決まり長津田とも4年の付き合いになるが、口げんかが絶えない。長津田は口ばかりで脚本を最後まで書かず卒業もする気はない様子で、サークルに入ってきた女子大の1年生・麻衣子と浮気疑惑さえある。そんなときカナコは内定先の先輩・吉沢から告白を受ける。編集者になる夢を追いながら、長津田の生き方とだんだんとすれ違っていくカナコ。大学入学から10年、それぞれが抱える葛藤や迷い、そして二人の恋の行方は。
映画『ストロベリーショートケイクス』『スイートリトルライズ』『さくら』などで痛みを伴う恋愛を独特の映像美で描いてきた矢崎仁司監督は、5年ぶりの新作となる本作で「物語より、光景の積み重ねこそが、観る人の心に触れると信じて映画を作り続けてきました。素晴らしいスタッフとの出会いで光景が映し撮れたと思います」と自信をのぞかせる。また、独自の感性を生かし様々なジャンルで活躍する主演の橋本愛は、「男とか、女とか、そのグラデーションとか、自意識、愚かさ、狡猾さとか、そんなものがわっと湧き上がってきて、葛藤して、ぐちゃぐちゃになって。でもそれこそがオリジナルで、そして何でもない自分自身なのだと、そんなふうに思ったんです。全然大人になんてなってなかった!」と本作を通して気付かされた思いを明かした。
カナコと付かず離れずの関係を続けているうだつが上がらない脚本家志望の学生・長津田役を演じるのは、シリアスからコミカルまで幅広い役柄で存在感を発揮する中川大志。橋本との共演は本作が初となり、「長津田というキャラクターを知れば知るほど人間の奥深さが出てきて、とてもチャーミングです。この役は僕にとってまた新たな挑戦でもありました」と役柄について触れる。
また、写真家の柴崎まどかが撮り下ろした場面写真も解禁。柴崎は映画『愛なのに』『まなみ 100%』『市子』等のスチールの他、雑誌、広告、カタログ、アーティスト写真など幅広く活動中で、今回は大学でカナコと長津田が手を取り合ってダンスをするシーンや家で二人だけの「お祝い」をするシーン、各々のワンショットが切り取られていている。
コメント全文
橋本愛/早乙女カナコ役
大学に通えなかった自分にとって、この作品はあらかじめ失われた青春を取り戻すかのような……というほど甘酸っぱい話でもないのですが、全く知らない世界を手探りで途方もなく歩く感覚、でした。
男とか、女とか、そのグラデーションとか、自意識、愚かさ、狡猾さとか、そんなものがわっと湧き上がってきて、葛藤して、ぐちゃぐちゃになって。でもそれこそがオリジナルで、そして何でもない自分自身なのだと、そんなふうに思ったんです。全然大人になんてなってなかった!
中川大志/長津田啓士役
長津田というキャラクターを知れば知るほど人間の奥深さが出てきて、とてもチャーミングです。この役は僕にとってまた新たな挑戦でもありました。映画の中で流れていく時間、変化していく季節が、苦しくも心地よかったです。
矢崎仁司/監督
物語より、光景の積み重ねこそが、観る人の心に触れると信じて映画を作り続けてきました。素晴らしいスタッフとの出会いで光景が映し撮れたと思います。ぼんやりした不安の世界をサバイブする彼、彼女たちに会いに来てください。きっと元気になれる。見えない鎖を解き放つ作品になると嬉しいです。
柚木麻子/原作
あまりにも美しい愛についての映画で自分の原作かどうか、疑ってしまった。