もがき葛藤する池松壮亮を容赦なく追い詰める人物たちの姿も
石井裕也監督最新作『本心』ロング予告解禁、人間の存在を揺るがす物語がついに明らかに
2024.10.08 08:00
©︎2024 映画『本心』製作委員会
2024.10.08 08:00
11月8日(金)に全国公開される石井裕也監督最新作『本心』の最新予告が解禁された。
原作は、『ある男』で知られる平野啓一郎による同名の長編小説。キャストには、池松壮亮を主演に迎え、三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、田中泯、綾野剛、妻夫木聡、田中裕子ら、映画界を牽引する実力派俳優陣が集結した。
本作の舞台は、“リアル”と“リアルではないもの”の境界が今よりもさらに曖昧になった世界。
本作は、“リアル”と“リアルではないもの”の境界が今よりもさらに曖昧になった世界が舞台のヒューマンミステリー。亡くなった母の“本心”を知るためAIで彼女を蘇らせることを選択する青年・石川朔也と、彼を取り巻く人間の「心」と「本質」に迫る。
今回解禁されたのは、テクノロジーの著しい進化に翻弄されていく主人公・朔也と、彼を取り巻く人々が、互いの“本心”を探り合い、ぶつかり合う最新ロング予告。朔也(池松壮亮)は、母・秋子(田中裕子)と二人でつつましい生活を送るごく普通の青年。しかしある日、「大事な話があるの」と言い残して急逝した母・秋子が、実は“自由死”を選んでいたことを知ってしまう。幸せそうに見えた母がなぜ自ら死を望んだのか? 母の本心を探るため、朔也は不安を抱えながらも、AIに集約させ人格を形成するVF(ヴァーチャル・フィギュア)を利用し、仮想空間に母を“蘇らせる”選択をする。解禁された映像では、生前の秋子の親友・三好彩花(三吉彩花)の協力もあり、他愛もない穏やかな日常を取り戻そうとしていく朔也が、次第に母の“隠された一面”を目の当たりにしていく様子、そして母だけでなく自分自身の本心すらも見失っていく姿が映し出されていく。
「世界は僕を置き去りにして進んでいく。怖かった」──変容していく社会でもがき葛藤する朔也を、容赦なく追い詰める登場人物たち。うまく生きようとするも時代に飲み込まれていく幼馴染・岸谷(水上恒司)の心の叫びや、朔也に無邪気で不敵な笑みを向ける、人気アバターデザイナーのイフィー(仲野太賀)。技術者の野崎(妻夫木聡)がAIを駆使して作り上げた、VFの中尾(綾野剛)は生身の人間と見紛う姿で現れ、自分は4年前に亡くなっている事実を明かし、朔也を酷く動揺させる。
極めつけは、VFゴーグルを装着した朔也の「好きなんです」の言葉に、三好が怪訝な表情を浮かべ「誰…?」と言葉を放つシーン。テクノロジーは、人間の何を変えてしまうのか。会話の奥に潜む、それぞれの“本心”とは。
2019年に新聞連載が開始され、2021年に出版された原作小説『本心』。当時は2040年代を舞台にした“未来の物語”として描かれていたが、現実では想像を超える速度でテクノロジーが発展したことで、映画の舞台設定も「今から地続きの少し先の将来(物語の始まりは2025年)」へと大幅に前倒しされた。現に“亡くなった人をAIで蘇らせる”サービスはアジア各国で既にビジネス展開されており、多くの論争を生んでいる。