2024.08.20 18:00
楽しむ気持ちをなくさないことが大切
──近藤さんはお芝居以外にも、事務所の先輩である菅田将暉さんの『ギターウサギ』のMVのクリエイティブディレクターを務めたり、Instagramでもご自身の描いた絵をアニメーションにして投稿されたり、多方面にわたってクリエイティビティを発揮されていますよね。
もともとアニメや映画を観るのが好きで、特にファンタジーが大好きなんです。よくそういう作品を観ていたので、そこから影響を受けているところはあると思います。
──たとえば、どういう作品が?
今でも大好きなのが、『アドベンチャー・タイム』というアメリカのカートゥーンアニメです。中学生になる前ぐらいだったと思うんですけど、Netflixで配信されているのをたまたま観て。私がつくっているアニメーションは、『アドベンチャー・タイム』をかなり参考にさせてもらっています。
──近藤さんのイラストは絵柄が独特ですが、それも『アドベンチャー・タイム』の影響が?
あると思います。あとは、色合いですね。でも日本であんまりメジャーじゃないからなのか、今はもう配信が終了しちゃってるんですよ。…ちょっとこのまま『アドベンチャー・タイム』について話しても大丈夫ですか。
──大丈夫です(笑)。
配信もないし、DVDも販売されていなくて。YouTubeで一部が無料配信されてはいるんですけど、全部ではないから、たぶん今、日本で『アドベンチャー・タイム』を最後まで観る方法がないんです。繰り返し観たいなと思っているんですけど、それができなくて。大好きな作品がもう観られないってこんなに辛いんだって、ちょっと悲しい気持ちになっています(笑)。
──お話を聞いていると、近藤さんの根底には表現することへの喜びがある気がします。
そうですね。表現することは好きだと思います。
──どうして表現することが好きなんだと思いますか。
まずは単純に、すごく楽しいというのがあると思います。あとは、私、普段からあんまり喋るのが得意な人ではないんです。特に初めて会う人の前では緊張しちゃって、なかなか自分の考えていることを口に出せなくて。
──MBTI診断ってやったことあります?
あります。確か仲介者(INFP型)と運動家(ENFP型)の2つだった気がします。
──仲介者(INFP型)の特徴は、一見物静かに見えるけど心の中は情熱で溢れ、想像力豊か。運動家(ENFP型)はクリエイティブかつ自由奔放な面があると言われています。このあたりの傾向は、今のお話を聞いた限り、近藤さんにフィット感がありますね。
そうですね。自分でもしっくり来るところがあるなと思いました。仲介者の特徴にある通り、人と上手に話せるタイプではないけど、心の中ではいろいろ思ってることがあるので、それを表に出せるのが、私にとっての表現なんです。普段よりも自分を出せることが楽しくて、いろんな表現をやっているところはあると思います。
──じゃあ、表現を通じて、この世界がもっとどんなふうになったらいいなと思いますか。
まだ年齢的にも未熟な私がこういう言い方をするのは、すごく上から目線になってしまうんですけど、やっぱり何事も楽しむことがいちばんだと思います。いろんなことに優先順位をつけて生きていかきゃいけないけど、私はその中で楽しむことを優先して生きていけたら、きっと人生はもっといいものになる気がしていて。
もちろん辛いことはたくさんあるし、やらなきゃっていう義務感に追われてしまうこともあるけれど、そういうのも全部楽しいに変換できたら、そんないいことはないと思うんです。みんながそう生きられたらうれしいし、表現を通じて、世界をちょっとでもそんな方向に変えていけたらいいなと思います。
──最初は楽しいという気持ちで始めていたことが、仕事になると楽しめなくなる瞬間もあります。
それはあると思います。なので、私はこの気持ちを忘れないように、「楽しむ」って書いたマスキングテープをケータイに貼ってます。何かあったときにそれを見返して、とりあえず笑顔になる。そうやって自分なりに楽しむ気持ちをなくさない努力を大切にしています。
──素敵な心がけですね。では、最後にちょっと素顔を聞かせてください。表現者としてではなく、いち高校生として、今ハマってるものはなんですか。
最近、辛いものにハマっていて。勉強の合間とか、仕事が一段落したタイミングで、息抜きがてら辛いものを食べてます。
──近藤さんのおすすめ激辛グルメは?
辛いラーメンが大好きです!辛いと言われるものはなんでもトライしています。
──よくお店の料理で辛さレベルを唐辛子マークで表現してますけど、あれがフルのやつも?
ちょうどこの間、そういうお店に行って。いちばん辛いものを頼んだんですけど、食べ切れました! なので、わりと辛いのには強いと思います(笑)。
場面写真 ©︎2024「サユリ」製作委員会/押切蓮介/幻冬舎コミックス