2024.07.20 19:00
≠ME 全国ツアー2024「やっと、同じクラス」横浜アリーナ公演より ©︎YOANI/KING RECORDS
2024.07.20 19:00
≠ME(以下、ノイミー)がライブツアー『全国ツアー2024「やっと、同じクラス」』を完走した。7月15日のツアーファイナルでは、念願であった神奈川・横浜アリーナでの単独公演を実現。過去最大規模となるライブを成功に収め、さらなる高みへと進んだ。
本稿では昼の部・夜の部の2部制で行われたツアーファイナル公演のうち、昼の部の模様をレポートする。
グループは4月29日の東京・ガーデンシアター公演を皮切りに、メンバーそれぞれの出身地を渡り歩いてきた。全国8会場15公演を巡るツアーの締めくくりでは、神奈川県出身メンバーであるリーダー・蟹沢萌子と櫻井ももがフィーチャーされた。
観客が今か今かと開演を待ちわびる中、学校で流れるチャイムの音色が鳴ると場内に「オーッ!」という、威勢のいい歓声が響く。
蟹沢と櫻井による“放送室”の影アナでは、「影アナっていつもすごく緊張するんだよねぇ」「噛まないように、噛んだら罰ゲームっていうのはどう?」「2回噛んだら、恥ずかしい顔を会場のスクリーンにさらしちゃうとか」「それはもうめちゃめちゃ恥ずかしいけど……」などと仲むつまじくかけ合い、気合いを入れてアナウンス。童謡「キラキラ星」のオルゴール音がわずかに流れ、いよいよ幕開けとなった。
メンバーが次々に登場するオープニングVTRに続いて、開演を告げる「Overture」では制服姿のメンバー1人1人がスポットライトを浴び、チャーミングにアピール。川中子奈月心は笑顔でバスケットボールを手にし、蟹沢は図書室にあるような本棚から本を取り出すなど、ツアータイトル「やっと、同じクラス」からも連想されるように、目の前に広がるステージがまさしく“ノイミー学園だ”と気付かされる。
1曲目は「偶然シンフォニー」で華々しくスタートし、メンバーは大勢の観客を前に「ノイミー横浜アリーナ。盛り上がっていくぞー!」と元気よく鼓舞。ステージから客席へと盛大な銀テープが放たれ、曲中では、メンバー名を叫ぶファンのコールがすさまじく、足元から振動が伝わってくるほどの熱気を帯びていた。
続く「秘密インシデント」では「今からみんなのところに行くよー!」とメンバーが叫び、スタンディング席とアリーナ席を隔てる客席間の通路をグループが行脚。マイクを手にして愛嬌を振りまき、観客との距離をグッと近づけた。
サブステージから再び客席間の通路を行脚した「君の音だったんだ」では、アリーナ中央に配置された花道へと移動したメンバーは観客から“360度の視線”を浴び、場内ではなおも熱烈なコールが。蟹沢が「学校で七夕の短冊に、好きな人と花火大会に行けますようにって書いたんだ。君は見てくれるかな。私の夏、全部君にあげる」と語りかけてはじまる「君はこの夏、恋をする」では、飛び跳ねるメンバーのスカートがフワッと舞いしなやかに楽曲を表現。間奏では、蟹沢が「私の願いごとは、横アリで大好きなみんなと大きな花火を見ること」とステージ上の笹にかけられた短冊のメッセージを読み上げ、一瞬メロディが落ち着き、星空を投影した壇上のスクリーンで破裂音と共に花火が映し出されると、客席からは「オー!」という大歓声が上がった。
感傷的なナンバーから一変〈3.2.1!Go!〉〈≠ME!〉から勢いよくスタートする「好きだ!!!」では、カラフルでポップなステージングで見せ、曲中ではノイミーのエースである冨田菜々風と谷崎早耶が観客を鼓舞する。
数珠つなぎで各メンバーを紹介する「他己紹介」のパートでは、蟹沢萌子→櫻井もも、櫻井→永田詩央里、永田→落合希来里……と、次々にメンバーがアピール。壇上では鈴木瞳美が「ひぃちゃんだよー!」と元気よく叫ぶなど、ソロダンスを交えてのそれぞれのキュートなアピールに逐一、客席からの盛大な歓声が重なった。
わずかに暗転し、ステージで1人スポットライトを浴びたのは蟹沢。制服から白黒のスタイリッシュな衣装に着替えた蟹沢は一手に客席の視線を浴びながら坂道AKBの「誰のことを一番愛してる?」をカヴァーする。静と動のメリハリが効いたダンスを交えてのパフォーマンスで見ているこちらの心をグッと引き寄せ、最後は黒いバラを手にしてシリアスな表情でまっすぐな視線をぶつける姿には、鬼気迫るオーラがあった。
落合・川中子・冨田・永田の4人は、ソリッドなダンスナンバー「Marcart」で、スクリーンに投影される“何者かの両手”に操られる傀儡のようなパフォーマンスを展開。空気は一変、尾木波菜・蟹沢・河口夏音・櫻井・菅波美玲による「春の恋人」では、メインステージと客席間の通路にメンバーがそれぞれ散らばり温かい歌声を響かせ、最後は蟹沢がステージ上の透明なパネルに「LOVE YOU(ハート)」と描き、カメラに向かって投げキッスを捧げた。
ユニットでのパフォーマンスは続き、ゴシック風の衣装をまとった鈴木・谷崎・本田珠由記による「デート前夜レクイエム」では、激しいメロディを浴びながらの鋭い歌声が響く。曲の展開に合わせてステージ脇からはスモークが噴き上げ、客席間の通路からメインステージへと駆け抜けたメンバーが、力強い表情を見せた。
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