2024.07.19 12:00
2024.07.19 12:00
2024年11月9日(土)より世田谷パブリックシアターにて上演される『そのいのち』の公演詳細とメインビジュアルが解禁された。
佐藤二朗が中村佳穂の楽曲「そのいのち」にインスパイアされ執筆した今作の主人公は、介護ヘルパーとして働く平凡な女性・山田里見(56)。新たな雇い主である相馬花(24)は障がいを持っていて、動物ライターの夫・和清(45)とペットのウサギ「スケキヨ」と一緒に暮らしていた。要介助の妻と歳の差夫の関係はどこか奇妙ながらも幸せそうに見えたが、ある日、花の母・瑠依(44)とその再婚相手の悟(42)、息子の圭祐(10)が訪ねてくる。上辺は取り繕っていても実の親からも、世間からも見放されている花にシンパシーを感じていく里見。優しい時間の中で、花も徐々に里見や和清に自分の気持ちを吐露していく。しかしある出来事をきっかけに、徐々に狂い始めていく3人の関係。浮かび上がる「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」を描く。
すでに発表されている里見役の宮沢りえと和清役の佐藤二朗に加え、Wキャストの相馬花役には、第30回日本映画批評家大賞新人女優賞と第75回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を授賞し、2020年公開の映画『37セカンズ』で主演を務めた佳山明と、ドラマ『真ん中のふたり』(NHK/24)で主演を務め、5月に放送された『%(パーセント)』(NHK)に出演し注目を集める上甲にかが決定。また、その他の出演者に鈴木福の弟でドラマやバラエティでも活躍する鈴木楽や今藤洋子、本間剛といった佐藤二朗が信頼を置く実力派が揃った。
解禁されたメインビジュアルは、本作のテーマでもある“持つ者”と“持たざる者”の、愛と憎しみの「境界線」を暗示したビジュアル。また、HPではスポット映像も近日公開される。
佳山明と上甲にか、そして佐藤二朗から相馬花役に向けたコメントも到着。なお本作は東京を皮切りに兵庫、宮城にて巡演される。
佐藤二朗(相馬和清役・脚本)コメント
最初はハンディキャップを持たぬ女優さんにお願いするつもりだった。なのに、佳山さん、上甲さんにオファーした理由はいくつもある。
差別なく共生できる世界を?社会的意義?負を力に変えて欲しい?彼女たちの「演技をしたい」という熱に心が動いた?
全部、その通り。しかし、どの理由よりも強い理由がある。
「作品のために」。
荒波、承知。しかし座組全員一丸となり、この荒波を乗り越えたい。車椅子の二人と共に。
「作品のために」。
きっと僕らの存在価値は、そこにのみ宿る。
佳山明(相馬花役)コメント
この作品に参加させていただけること、すてきな方々とご一緒させていただけること、大変光栄に思います。
“ いのち ” というメッセージに魅了されました。
みなさまの助けをお借りして、ほんのわずかでも灯りとなりますよう、<相馬花>を一生懸命生きたいと思います。
上甲にか(相馬花役)コメント
今、とてもドキドキしています。二朗さんから頂いた脚本で、私は相馬花と出会いました。この物語から戸惑いを覚えたことは事実です。しかし、確かに生きている花を前に迷いはありません。全身全霊で花と共にいのちを燃やしていこうと思います。そしてこの舞台は私自身にとって、人生最大の挑戦です。宮沢りえさんをはじめとする共演者の方々と、「そのいのち」に誠心誠意向き合ってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。