2024.05.28 06:00
©︎2024「かくしごと」製作委員会
2024.05.28 06:00
6月7日(金)に公開される杏主演の映画『かくしごと』より、羊文学による書き下ろし主題歌「tears」とのコラボ映像が公開された。
『生きてるだけで、愛。』(18)で長編監督デビューを飾った映像クリエイター・関根光才が長編二作目で描くのは、子を守る母親の強烈な愛と嘘の物語。北國浩二の「噓」を原作に、杏が「今の自分だからこそ演じることができる」とその深い母性を芝居を超えて体現した。父・孝蔵役には名優・奥田瑛二。認知症を患い、娘のことすら忘れ、日に日に別人のように衰えてゆく姿を静かながら胸に迫る演技で圧倒する。少年役に中須翔真、さらに佐津川愛美、酒向芳、安藤政信といった実力派俳優が脇を固める。
杏演じる主人公の千紗子が、事故で記憶を失った少年・拓未(中須翔真)を自分の子どもとして匿う、深く激しい母性をとらえた本作。解禁された特別映像は「あなたは私の子どもなの」という千紗子のセリフから始まり、千紗子と拓未、孝蔵(奥田瑛二)が出会い、疑似家族として生活していく様子が映されている。さらに、千紗子が拓未に記憶を失くした理由を語るシーンも収録。「あなたはね、悪い人たちにさらわれてたの。それで、記憶を失くしてしまった。でも、もうそのことは、忘れていいから」と、嘘を重ねる千紗子が拓未を抱きしめる表情に千紗子の葛藤が浮かぶ。
千紗子と拓未が心を通わせるシーンが中心となっていた前半とは一変、後半では、拓未が千紗子の前から少しおびえたように去っていくシーンや千紗子が決死の表情で海に向かって歩く様子など、緊迫感漂うシーンが続く。さらに、映像には「tears」の歌詞が添えられ、「どうしてあんなに泣いたのかも」「長い噓から覚めた二人は」といった『かくしごと』のストーリーに呼応する詞を堪能することができる。
さらに、羊文学が本作と楽曲について語るコメント映像も到着。主題歌のオファーが来たときの心境を「関根監督の『生きてるだけで、愛。』を観たことがあって、そのエンディングがすごく好きだったことを思いだして、丁寧に作ろうと思いました」と明かし、初めて本作を観た印象についてボーカル・ギターの塩塚モエカは「ずっとはらはらしました。どういう風に終わっていくのか、救いはあるのかということをヒリヒリと感じながら観ました」と語る。また、ベース・コーラスの河西ゆりかは「一番最後のシーンがすごく印象的でした。その後に流れる自分たちの曲が、これまでの物語を振り返れるような余韻が残るような曲になったらいいなと思って、気持ちを込めて弾きました」と作品から受けた影響を明かした。
繊細なチェロの音色がひときわ引き立つ本楽曲だが、本楽曲で初めてメンバー以外の楽器を入れたという。「チェロが感情的な役割を果たしてくれました。溢れそうな気持ちみたいなものをチェロが表現してくれました」と音色の秘密を明かし、曲のタイトルについて「涙がいっぱいぽろぽろ落ちるという意味で、『tears』にしました。映画の先の未来をエンドロールで(表現)できたらいいなと思い、“三人家族”がこれからこういう風に進んでいったらいいなとイメージしながら書いていきました。涙のあとの気持ちの曲にしようと思って、こういう(タイトルに)しました」とタイトルに込めた願いを語った。