最新公演から紐解く“特別な場所”との歩みとグループの進化
映画『MY SHINee WORLD』公開記念、6度の東京ドーム公演で振り返るSHINee“絆”の歴史
2024.03.15 18:00
「SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION] JAPAN FINAL LIVE in TOKYO DOME」より(撮影:田中聖太郎)
2024.03.15 18:00
SHINeeが2月24日・25日に「SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION] JAPAN FINAL LIVE in TOKYO DOME」を東京ドームで開催した。昨年9月にスタートしたアリーナツアーのファイナル公演としての、6年ぶり6度目の東京ドーム公演だ。この「SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION] JAPAN FINAL LIVE in TOKYO DOME」(以下、「PERFECT ILLUMINATION in TOKYO DOME」)のレポートを交えて、SHINeeの日本活動とは切っても切れない、これまでの“東京ドーム”公演を振り返ってみよう。
思い返せば、2011年の日本デビュー時から「目標は東京ドーム!」と言い続けてきた彼ら。少女時代、KARAの日本デビューで吹き荒れた「K-POPブーム」も、日韓情勢の悪化に伴いテレビでの露出が徐々に厳しくなってゆく中にありながら、SHINeeはただ韓国語曲の日本語バージョンを出すのではなく、日本オリジナル曲をリリースし、通訳ナシの日本語でMCを行うライブ活動で地道にファンを増やしてきた。世界的なK-POPブームで沸く今の第5世代と比べると、東京ドームまでの道のりは、かなり険しかったといえる。
日本デビュー発表をした代々木第一体育館での日本初単独コンサート以降もアリーナツアーを行う人気を得ていたが、東京ドームを見据えて、アリーナ遠征までに至っていなかった潜在ファンを掘り起こすために地方都市のホールを細かく回った。それが、オリコンチャート初週間1位を獲得した3rdアルバム『I’m Your Boy』を引っ提げた全国ホール・アリーナーツアー「SHINee WORLD 2014 〜I’m Your Boy〜」だ。20都市で合計30公演を行ったこのツアーでは前半にホール、後半にアリーナを回ったが、後半初日の広島グリーンアリーナ公演で、念願の初ドーム公演を発表。メンバー号泣の感動のライブとなりドーム公演に向けての号砲が放たれた。
SHINee WORLD 2014 〜I’m Your Boy〜 Special Edition in TOKYO DOME
デビューから4年での念願の初ドーム。期待で胸が張り裂けそうなファンを前に、SHINeeが見せた東京ドームでのオープニングは、円形のセンターステージの上で「東京ドーム! Are You Ready?」と叫んだ伝説の「Everybody」。今回の「PERFECT ILLUMINATION in TOKYO DOME」のオープニング衣装がアリーナツアー時とは変わって、この初ドームの「Everybody」を彷彿させる白の衣装に変わっていたのは胸アツ案件だった。
初ドーム公演初日には、終盤にさしかかろうとしていた「Your Number」で、TAEMINの足がつってしまうというハプニングも。そんなトラブルを乗り越えたアンコールラストには、オーケストラも登場して豪華な「LOVE」を歌う中、ファンがサプライズを行った。一斉に色のついた紙を掲げ、パールアクアグリーンに染まったスタンドに「THANK YOU SHINee」という黄色い人文字を描き出したのだ。「PERFECT ILLUMINATION in TOKYO DOME」でもアンコールの「Colors Of The Season」で同じ配色で初日に「SHINee is BACK」、2日目に「SHAWOL ❤︎ SHINee」(SHAWOL=SHINeeファン)の人文字が描かれたが、これも初回ドーム公演から続く、ファンとSHINeeの絆だ。今回の「PERFECT ILLUMINATION」ツアーから導入された新しい無線制御のペンライトでは、ペンライトを使って客席に人文字を描くことができるようになったが、あえて初ドームと同じく「紙」を使ったサプライズというのも感慨深かった。
SHINee WORLD 2016 〜D×D×D〜 Special Edition
2度目の東京ドーム。東京ドームに加えて京セラドーム2公演が加わり、規模が拡大。この年の目玉となったのは、各人のソロステージだ。今ではメンバー全員がソロ曲を出し、ソロコンサートを開催するアーティスト集団に成長したが、この時点ではソロ活動を行っていたのはTAEMINとJONGHYUNのみ。TAEMINは「Press Itメドレー」、JONGHYUNは「CRAZY」とソロ曲を披露したが、KEYはBoAの「Lookbook」、スポーツ大好きのMINHOは野球場だけに野球のユニホームを着てGReeeeNの「キセキ」をカバー。そしてONEWは白のタキシードで代々木体育館での初単独公演と同じオペラ「Nessun Dorma」を熱唱し、個性を発揮した。
この公演ではピンクの髪のJONGHYUNのかわいらしさが爆発。彼がカメラでアップを抜かれるたびに「キャー」という歓声が上がっていたのが印象的だったが、今回の「PERFECT ILLUMINATION in TOKYO DOME」では、KEYのあまりの美しさにアップになるたびに会場からどよめきが起こっていた。
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