2024.02.10 17:00
2024.02.10 17:00
石川県の加賀温泉郷を舞台に、旅館の若女将たちがタップダンスにチャレンジすることで温泉街を盛り上げていく……という映画『レディ加賀』。出演者たちによる迫力のタップダンスシーンなど見ごたえのある場面が多い今作で、女将修行に励む新米女将を演じた中村静香と松田るかもまた、初のタップダンスに挑戦した2人。近年、俳優としてさまざまな作品での活躍が目立つ2人が語る、撮影現場での思い出、そしてお互いと“これから”について。
“強化合宿みたいな撮影現場”で培った絆
──映画には本格的なタップダンスシーンも多く、これはキャストのみなさんは大変だったのでは思いましたが……このお話のオファーが来たときはいかがでしたか?
中村 いやもう、お話をいただいたときから「タップダンス……!?」って。みんなタップダンスのことで頭がいっぱいだったと思いますよ。
松田 本当にそうです。多分、誰も経験者がいなかったし、お話をいただいたときは台本も完成していない状況で、「タップダンスの練習だけはしておいてください」と。
中村 タップシーンのある出演者たちは、時間があるときはタップダンス監修のHideboHさんのスタジオに自主的にレッスン行ってくださいと言われて。でもその時点ではどのくらいのダンスのレベルを求められるかわからないから、手探りで始めて行って。
松田 そのレッスンも一般の方に混じっての状況だったし、顔合わせの前だったから、同じ場所にいても誰が共演者かもわからないんですよ(笑)。「あの人はスタイルがいいから芸能人!? 共演者かな?」みたいな感じで探ってみたり。
中村 同年代くらいでおぼつかないタップしてると「そうかな?」ってね(笑)。
松田 だから正直、決定した台本を貰ったときの印象があまりなく……なぜならもうその頃にはタップダンスの練習に必死だったので。
中村 私もそう。でも加賀で女将を目指している子たちが集まって、ひょんなことからタップダンスをすることになる。ドタバタの中でも、観ている人に元気を与えられるような映画……そういう部分は最初に伺ってたので、台本を読んでもすんなり受け止められました。
──お2人もこれまでいろいろとお仕事を経験されてきたと思いますし、松田さんはミュージカル等も出演されていますが、やはりタップダンスは勝手が違いましたか?
松田 違いましたね! ダンスって動きを止める部分とか、力を入れる部分が多いものなんですけど、タップは「力を緩めたときの反動」で音が鳴るから、足先に力を入れないんですよ。いつものダンスとは筋肉の使い方が全然違う。もう、頼れるのはリズム感だけ! みたいな状態でした。
中村 頭の中ではわかってても、足がその通りに動かない。みんなそこで苦戦してましたね。
松田 本当に部活みたいでした。今回、撮影ではみんな加賀温泉に1ヵ月近く滞在して、みんなで同じ宿に泊まっていたんですね。だから部活の合宿状態、それも強化合宿ですよ(笑)。
中村 お風呂も大浴場があったので、一日の撮影が終わったらキャスト同士もそこで顔を合わせるんですよ。「今日もタップお疲れー!」と会話したり。
松田 本当に。地方での撮影でも大体滞在は1〜2週間とかで、こういったインタビューでロケ中のエピソードを聞かれても「いやもう忙しくて覚えてないかも……」ということが多い中、今回はしっかり食事も楽しませていただいて(笑)。
中村 通いじゃなかったから、どうしても撮休の日ができるので……楽しみましたね(笑)。でも最初に「タップダンスをやる」と聞いたときは、大変そうだけど、こういう役で関わる機会でないとなかなかちゃんと学ぶことはできないものだな、とも思ったんですよね。そういう意味ではありがたい経験をさせてもらいましたし、タップシューズは今でも大切に保管してあります。
──お2人の会話からとても仲が良さそうと感じていたのですが、今撮影の経緯を伺っていて、その関係性が納得できました。
松田 裸の付き合いもしてるしね(笑)。この作品に関しては、共演者同士の壁は本当になかったです。タップダンスとかの不安要素もみんなで話して、共感し合いながら乗り越えていくことができたので、より仲良くなれたような気がしますね。
中村 本当にガッツリ、共演者同士でコミュニケーション取りました。映画や映像作品の現場だと、なかなか珍しい携わり方ですよね。しかも、みんな壁がなくて気さくなタイプで、だからこそまとまりやすかったというのもあったかもしれない。それこそメンズのお2人、森崎ウィン君も青木瞭君もすんなり馴染んでて、何ならみんなで女子会してるような雰囲気で(笑)。主演のふうちゃん(小芝風花)は……誰かが言ってたけど「豆柴」みたいな感じ(笑)。
松田 わかる! なんか赤ちゃんみたいというか、本当にかわいい。
中村 可愛くて、とにかく活発で。そうそう、クランクインの数日後に『菖蒲湯祭り』っていうお祭りがあったから、みんなで行ったんですよ。あれも楽しかったー。そういう時間もあったからこそ、大変なことも冗談にしながらやっていけた気がします。
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