単独主演舞台『最高の家出』に懸ける想いとネクストフェーズ
「この作品がみなさんの居場所になったら」高城れにが“初めて”を楽しむ理由
2024.02.02 17:00
2024.02.02 17:00
女性アイドルの常識を塗り替え、30歳を迎えた今も第一線のアイドルとして多くの人に夢を与え続けている“ももいろクローバーZ”の高城れに。
結成15周年のアニバーサリーイヤーを駆け抜け、次なるステージは2024年2月から開幕するパルコ・プロデュース 2024『最高の家出』。単独としては初の舞台出演となる本作で、高城はどんな新しい顔を見せてくれるだろうか。
三浦さんの震災への想いが反映されてる
──高城さんにとっては、初めての単独での舞台出演となります。やっぱりソロで舞台に上がるのは、いつもと感覚が違いますか。
違いますね。バラエティ番組にソロで出させていただくことはありますけど、舞台となるとやっぱり別なので。お稽古期間もそれなりにありますし、今作は東京も公演数が結構あって、地方公演もある。長い期間、みんなでひとつの作品をつくり上げていく環境に、ひとりポンッと放り出させることってなかなかないですから。特に私は人見知りなので、みなさんと打ち解けられるかなってドキドキしています。
──演出の三浦直之さんとはどんな話を?
プライベートのこととか、今回の舞台のこととか、いろいろお話をさせていただきました。特に印象に残っているのは東日本大震災のことですね。3.11があってから、私たちも東北に行かせていただく機会があって、中でも女川の方たちと深い交流を持たせてもらっていたんですね。三浦さんも女川出身。ご縁だなと思いましたし、今回の作品にも三浦さんの震災に対する想いが反映されている部分があって。仙台公演もありますし、東北の方にも届けられたらいいなと思いました。
──台本を読ませていただきましたが、三浦さんらしいファンタジックなところもありつつシュールなところもあって、不思議な世界観でした。
実は私、文字を読むのがあまり得意ではないんですよ。そんな私があっという間に読み終わってしまうくらい面白かったです。母と読み合わせをしたんですけど、「これどういうこと?」と思わずツッコミを入れたくなる場面が散りばめられていて、読んでいても飽きないなと思いました。
──詳細は明かせませんが、恵方巻きのくだりとか(笑)。
あそこは私も思わずツッコんじゃいました(笑)。私は演劇に全然詳しくないので、演劇=お堅いイメージがどうしてもあるんですけど、三浦さんの作品ってしっかり考えさせられるところもあれば、コミカルなところもあって、どんな世代に向けてもお芝居を通じて心の距離をつめていける力がある。三浦さんの温かいお人柄がそのまま表れたようなお話だったので、これから稽古を通じてそんな温かい作品にしていけたらなと思います。
──高城さんが演じる箒は、結婚生活に疑問を感じ、家出をした役です。台本を読んで、寄り添えるところはありましたか。
結婚に限らず、誰しもがいろんな場面で違和感を抱くことはあると思うんですね。私なら15年間グループをやってきて、グループの中での立ち位置に悩んだこともたくさんあって。本当の自分って何なんだろうとか、どこに自分の居場所があるんだろうって考えたときもありました。箒ちゃんは、そんなモヤモヤをダイレクトに表現している子。しかもその悩みを自分の中でおさめるんじゃなくて、家出という行動に移すことで、正解を見つけていこうとする。そこにうまく寄り添えたらいいなと思いました。
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