共に歩んできた「エクスペンダブルズ」シリーズの魅力とは
「同じように息してくれる」吹替声優・山路和弘がジェイソン・ステイサムに感じる人間力
2024.01.10 19:00
2024.01.10 19:00
全世界累計興収8億ドルを超える大人気アクション映画シリーズ「エクスペンダブルズ」の最新作『エクスペンダブルズ ニューブラッド』が1月5日に公開された。本シリーズではシルベスター・スタローン演じるバーニーが率いる“消耗品軍団”エクスペンタブルズが世界中で任務をこなしながら大暴れ。その第4弾となる本作では、古参メンバーに加え50セント、ミーガン・フォックス、アンディ・ガルシアらも加入し、再び世界各国のアクションスターが集結している。
そんな最強布陣の中で、バーニーからリーダーを継承し主役に躍り出たのが“人類最強の男”ジェイソン・ステイサム演じるリー・クリスマスだ。日本語吹替は、ステイサム専属として名高い山路和弘が務めている。長年にわたりシリーズを声で支えてきた山路から見たジェイソン・ステイサムの魅力とは?自身との共通項や声の仕事に懸ける姿勢に迫った。
さすがに3で終わると思っていた
──前作の『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』の日本公開から10年が経過しましたね。
まだ5、6年な感じ……ついこの間な気がしますね。
──ジェイソン・ステイサムの声優として、ずっと継続してやられているからですかね。
実はいろんな人がやってたんだけど、だんだんとステイサム専属になりましたね。
──続編のお話が来た時「続編があるんだ」って思われましたか?
2の時は思いましたよ! 単純と言えば単純な話じゃないですか。さすがに3で終わるかなと思っていたら、今度は「ニューブラッド」で、その手があるかって(笑)。
──今作をご覧になった時はいかがでしたか?
メンバーが濃くなっている感じはあるんですけど、ステイサムの役自体はそんなに変わってはないなって思うんです。シルベスター・スタローンが演じるバーニーから名指しで引き継いじゃって、出番が増えて、ステイサム中心の話になったと思うんですけど、あまり大きな変化は感じていないですね。
──暫くぶりとはいえ、ステイサム演じるリー・クリスマスの役をすぐにご自身へ降ろすことができた感覚はありましたか?
リー・クリスマスを演じるのは、他の役をやるよりもステイサム自身に吹替をすることに近いのかもしれないです。いつもの感じでやってはいたんですけど。
──そもそもの山路さんご自身とステイサムの地声が近いとも言われてますよね。
考えてみると自分から寄せていったのかなと思いました。寄せていってそういう声に慣れちゃったのかなって。年齢でこうなったのかもしれないし(笑)。
──山路さんご自身とステイサムが共に年齢を重ねている、ということもあるのかもしれないですね。
すごくありますね。ステイサムも役者として微妙に変わっているんだろうと思いますし、いつも豪快な役柄だから繊細な演技をやることもあんまりなかったですもんね。強いて言えば『ハミングバード』ぐらいかな。そういう意味で、繊細な芝居もできるようになりつつ、ベースはいつまでもこんなに変わらないのはすごいなって逆に思うくらいです。
──今作はシリーズの1から4までの中でかなりコメディ要素が多かったと思いました。ちょっとキツめの下ネタなんかも……。
それが最初から入ってきたりね。アメリカだと笑って終わるようなことも、日本人だったらドキッとして終わるのかな……(笑)。普通な顔してキツめの冗談を言うのが面白いですよね。でも「エクスペンダブルズ」くらいだと思うんですよね、あんなにニコニコと笑うの(笑)。スタローンに対して子供みたいな笑い方するじゃないですか。信頼しているんだと思うんだけど、他の映画で見ない顔をするんです。
──そういうステイサムを楽しみながら演じていらっしゃるんですね。恒例になっているスタローンとの小競り合いは1作目から続くお決まりですが、スタローンの吹替をやられているささきいさおさんとのやり取りは英語の雰囲気に合わせているんでしょうか?
必ず操縦席に並んでやってますよね。最初の3作品は一緒に録れたんですけど、コロナがあってバラバラに録るようになっちゃったんです。だから最初にやった感じを覚えていて、想像しながらやっていました。英語が分かるわけじゃないから、もちろん二人の雰囲気は見ますけど、ささきさんから出てくる豪快な声がスタローンの笑顔と一緒になったっていう空気を感じてやるしかなかったですね。
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