2023.12.14 18:00
SEVENTEEN
2023.12.14 18:00
進むグローバル化と新旧グループの循環
今年デビュー20周年を迎えた東方神起はK-POPアーティストたちに音楽的なインスパイアを与えたレジェンドアーティストに贈られる「Inspiring Archivement」を受賞した。韓国では2003年にデビューするや瞬く間に頂点へと駆け上ったが、日本では2005年にデビューした後、すぐに爆発的な人気を得たわけではなかった。コツコツ地道に活動を続けてきた結果、K-POP史上初めてのスタジアム公演を実現させるまでになった。K-POPが今のようにあたりまえに日本で聴かれる土台を作ったのは、彼らの功績が大きい。受賞の場でもYUNHOはCassiopeia(カシオペア・韓国でのファンの名称)、Bigeast(ビギスト・日本でのファンの名称)両方の名を挙げて「皆さんと一緒にいただいた賞だと思います」と日本語で挨拶した。
この日のステージでは、東方神起の代表曲「Rising Sun」を、今年デビューしたSMエンターテインメントの後輩・RIIZEとともにパフォーマンスした。まだ初々しさがありつつも、パフォーマンスでは先輩たちに遜色ないほど高い実力を持つRIIZEだが、そんな彼らの後ろから東方神起の2人がステージに現れる、その瞬間はまさに神々しいの一言。20年の歴史の重みを感じさせるステージだった。
ガールクラッシュの勢いは今年も健在。「Favorite Asian Female Group」を受賞したKep1erは新曲「Grand Prix」で黒いボンテージ衣装に身を包み、バイクに跨ってXIAOTINGが登場し、曲の合間にはアクションも披露するという今までにない“強い”イメージを見せた。初日のホストとして英語と韓国語の流暢な司会とド派手な衣装で楽しませてくれたチョン・ソミは「The Way」と「Fast Forward」を披露。ステージでの生着替えや、大勢の男性ダンサーを引き連れてのパフォーマンスは彼女ならではの楽しさに溢れていたし、「Favorite Dance Performance Female Group」を受賞したLE SSERAFIMは自分たちのステージだけでなく、HONG EUNCHAEは今年の「MAMA」のスタートを飾ったテーマステージ「I AM SPECIAL」に登場。HUH YUNJINはKep1erのXIAOTING、Monika X BADA、(G)I-DLEのMINNIEとともに女神に扮したスーパーステージで観客を魅了。
今年、韓国デビューを飾ったNiziUはデビュー曲「HEARTRIS」で話題のテトリスダンスを披露した。(G)I-DLE は 今年最大のヒット曲「Queencard」で広いドームのステージをピンクのフーディをかぶったダンサーで埋め尽くして観客の度肝を抜きつつ、ただ強いだけじゃない、楽しく自分の人生を謳歌する、新しい形のガールクラッシュを示してくれた。
一方、今年はボーイズグループも続々台頭。RIIZE、ZEROBASEONE、xikers、BOYNEXTDOORと今年デビュー組のボーイグズグループがこの2日間でフレッシュなステージを披露しているし、YOSHIKIのピアノ伴奏による「Endless Rain」ではTOMORROW X TOGETHERのTAEHYUNとHUENINGKAIが歌唱を、BOYNEXTDOORのJAEHYUNがラップを、RIIZEのANTONがチェロ演奏を、ZEROBASEONEのHAN YUJINがパフォーマンスをするという、国境と世代を超えた世紀のコラボレーションが実現した。
2日目のスタートを飾ったATEEZのステージも彼ららしい華やかさにあふれていた。俳優リュ・スンリョンとのコラボは「MAMA」ならでは。東京ドームという大きなステージも彼らには似合っていた。日本からは今年もJO1とINIが参加、コラボステージを披露した。
韓国で20年前に誕生した東方神起が日本を目指し、日本人のみで構成されたNiziUが韓国デビューを飾った2023年。来年のK-POPを占う意味でもっとも重要な授賞式のひとつであるMAMAだが、振り返ってみると時代が確実に移り変わっていることを感じる2日間だった。BTSが集めた世界の注目は、今ではStray Kids、SEVENTEEN、NCT、ATEEZといった後輩グループへも注がれている。K-POPのグローバル化はますます加速し、ニュースターも続々誕生している。この循環が止まない限り、来年もK-POPは面白いものをたくさん見せてくれるだろう。