2023.08.31 20:00
2023.08.31 20:00
アニメ『NARUTO-ナルト-』の20周年を記念したライブイベント「NARUTO THE LIVE」が9月2日(土)、3日(日)の2日間にわたり幕張メッセイベントホールで開催される。出演するのはこれまで『NARUTO-ナルト-』、そしてその続編である『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』の主題歌を担当してきた豪華な面々。ジャンルも世代も超えたアーティストが『NARUTO』の世界で繋がりひとつの空間を作り出す、ファンにとっては夢のようなステージだ。
そこに最若手として登場するのが、『BORUTO』第1期最後のエンディングテーマとして「またね」を書き下ろした4人組、ハンブレッダーズだ。春に開催したワンマンツアーでは大きくスケールアップした姿で観客を熱狂させ、バンドとしての進化を見せつけた彼ら。今まさにスピードを上げてシーンを駆け上がっている彼らにとって『NARUTO』シリーズとのコラボレーションはどんなものだったのか、改めて話を聞いた。
ハンブレッダーズにとってのフェス
──まずは今年の春に行った「ヤバすぎるワンマンツアー2023」のことを伺いたいんですが、僕もファイナルのNHKホールを拝見しましたが、すばらしい盛り上がりでしたね。お客さんもめちゃくちゃ歌っていたし。
ムツムロ アキラ(Gt/Vo) コロナ禍があって、お客さんが声を出せてツアーファイナルを迎えられるっていうのが3年ぶりだったので。自分たちでも自分たちの規模感を分かっていなかったというか、ツアーの初日の名古屋でお客さんに声を出してもらったときに「こんなことになってるんや、今」「今、ハンブレッダーズのライブってこうなんだ」って確認しながらやっていった感じがありました。その集大成がファイナルだったんで、ちょっと感極まっちゃいました。
ukicaster(Gt) コロナ禍中は、お客さんとの距離感がちゃんとあるっていうのを分かった上で、自分たちが一番楽しんでやろうっていうところをちゃんと体現していこうってすごく意識していたんですけど、それが一気に開放されたというか。だからちょっと次のステップのことを考えないといけないなっていう頭にはなってますね。さっきムツムロが言ってたバンドの規模感とかに関して、まだ自覚できてない部分もあるし、ライブハウスのバンドっていう意識のままだけだと……もちろんライブハウスをレペゼンするというか、ちゃんとその土壌でやってきたんだぜっていうのは背負いつつ、次のステージに向かう意識になってきている状況です。
木島(Dr) 意外とみんな深い話してる(笑)。
ムツムロ 深くて暗い話してる。
──暗くはない(笑)。
木島 でも本当楽しかったってぐらいの感想なんですよね。
ムツムロ 一番はそうだよね。
木島 こういう長い期間でのツアーが僕ら的には2回目で、声出しありっていうのは今回が初めてで。みんな自由にヤジなんかも言ってくれて。各地方でのキャラクターがあってすごくおもしろいなと思いました。そこにアジャストしつつ、ホールはホールで距離がちょっと遠くなるので、それはそれで見せ方も変えていかないとなっていう。うきくんの言う、新しい次のステージのきっかけにもなったのかなと思うし、楽しかったです(笑)。
──でらしさん、どうでしたか。
でらし(Ba/Cho) めっちゃ真面目に答えるな、みんな。じゃあ、僕真面目に答えないですよ? コロナ禍に入る前が、そもそもそんなに動員もなくて「1000人規模のライブハウスとか埋められないよ」ぐらいの感じのバンドだったので、今こうやって改めてNHKホールとかでライブができるようになって、やっと自分が憧れてきたロックバンドたちみたいなライブができてるんじゃないかなっていう実感が、ちょっとだけ湧いてきたというか。ちょっとずつ近づけてるのかなみたいなことは思えたツアーでした。
ムツムロ 真面目ですか?
木島 真面目やね。
でらし 真面目かな?
──お客さんすごく歌っていたじゃないですか。今年入ってからぐらいから声出しが解禁されていく中で、僕もいろいろなライブを観に行きましたが、少なくとも僕が観た中で一番声が出てた気がします。「こんなに歌うんだ、ハンブレッダーズのお客さんって」ってびっくりしたところもありました。
ムツムロ 嬉しいですよね。『ギター』ってアルバムも今回の『ヤバすぎるスピード』も、「みんな声を出せないぶん俺らが歌おう」みたいな作品を2枚作った気がしていて。それはひとつの武器っていうとあれだけど、そういうものなのかなあとは思ってますね。ポップスのアーティストってひとりのめっちゃ歌うまい人がボーカルやってて、それをみんな聴きに行くって感じだけど、俺より歌うまい人なんて山ほどいるんで、みんなで歌ったほうがいいというか。自分一人でできないからみんなに頼って、メンバーにもお客さんにも歌ってもらったほうがっていう、消去法で選んだ感じかもしれないですけど、それが逆によかったのかもしれないです。
──そんなツアーを経て今はまさに夏フェスシーズンで、ハンブレッダーズは今年もたくさん出演していますけど、ハンブレッダーズにとってフェスっていう場はどういうものですか?
でらし わりと、初めて見てもらう人に──変な言い方ですけど、親切というか。プレゼンとして分かりやすく、自分たちのいいところを30分、40分とかでちゃんと見せようっていう意識は毎回あるかな。
ムツムロ ポートフォリオをね。
でらし ポートフォリオを。ちょっと嫌な言い方ですけど(笑)。
ムツムロ 夏フェス自体はすごく「お祭り」やなと思ってて。それはこのコロナ禍でいろいろ思ったことで……ドキュメンタリー番組で観たんですけど、花火師の人が「今年はコロナで花火ができないからすごく切ない」って言うんですよ。それは自分がやりたいからじゃなくて、みんなが喜んでくれてるのを見るのが嬉しいから、「それができないっていうのがすごく心苦しい」って。それを観て、なんか自分たちと考えは一緒なんやなと思ったんです。フェスに出てライブをして目の前の人に喜んでもらうっていうことが、ずっと続いてきた盆踊りとか夏祭りとか花火とかと同じなんだなって。ちゃんとフェスって文化になってるんやなっていうことを考えた3年間でしたね。そういう意味でフェスっていうのはお祭りやと思います。
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