2023.08.31 17:00
2023.08.31 17:00
今年メジャーデビュー10周年を迎えた4人組ロックバンド・KANA-BOON。4月末と5月に開催した東阪野音ワンマンで幕を開けたアニバーサリーイヤーは初のラブソング集リリースと対バンツアーと続き、9月にはニューシングル『ソングオブザデッド』の発売、その後は11月から来年春にかけて開催される47都道府県ツアーへと突き進んでいく。
節目の1年を全力で駆け抜ける彼らが次に出演するイベントは、9月2日・3日に幕張メッセで開催されるアニメ『NARUTO-ナルト-』20周年を記念した「NARUTO THE LIVE」だ。2014年にリリースした「シルエット」に始まり、これまでに5度タッグを組んできた『NARUTO』シリーズとは4人にとってどんな存在なのだろうか。イベントを目前に振り返る『NARUTO』との絆、バンドの今とこれからに迫った。
やっとここからがスタートライン
──メジャーデビュー10周年おめでとうございます。まずは、10周年イヤーがスタートしたばかりの今の率直な心境を教えてください。
小泉貴裕(以下、小泉) デビュー当初、僕自身は付いていくのに必死だったんですけど、今は色んなことを経験してきて、自分の出したい音を出せたり、バンドがやりたいライブが出来たり、メンバー全員が音楽を作ることもライブ活動も楽しめていて、今が一番いい状態だなと思います。
古賀隼斗(以下、古賀) 今が一番いい、というのは一緒です。本当にこの10年間、色んな夢を叶えてきましたし、逆に挫折とかもあったんですけど、今が一番素直に音楽活動をできていると思います。メンバー全員がそれぞれ気を遣わずに言いたいことを言って、腹を割って話せることもいっぱいあって、それを踏まえて、今すごく素直なライブができているし、素直な音源が録れているし、本当のバンド活動ができていると感じています。
──遠藤さんは去年4月に正式加入されたわけですが、いかがですか?
遠藤昌巳(以下、遠藤) 加入して1年でこれだけ濃いのに、それを10年やってきたというのはすごいことですよね。高校生の頃から知っているメンバーなので、その頃から変わった部分、変わらない部分というのもあるとは思うんですけど、3人に負けないように……といつも思ってやっています。
──そんな3人のコメントを聞いた上で、鮪さんはいかがですか?
谷口鮪(以下、谷口) ようやくバンドが始まったという感じですかね。今までの全てが無かったことではないんですけど、デビューしてから10年もかかって、やっとここからがスタートラインだと思えるバンドもなかなかいないんじゃないかなと思いますね。スタッフとは、なんで10年もかかったんだよとか笑いながら話したりもするんですけど、今までの自分達は、こんなにもすごくいい状態なんですって自分の口から言えるような状態ではなかったんです。持ち前の謙遜さと照れ具合とかもあるんですけど、自信の無さというのも付き纏っていたし。でも、ようやくそこから抜け出すことができて、自分を好きになりつつあると言いますか、4人とも今のKANA-BOONっていいよなって思えてる。だから、ここから本当のKANA-BOONが始まる、もっといいバンドになるという予感がしています。そして、それをこうして人に堂々と言えるようになれたのが、すごく面白いことだと思っています。
──10周年イヤーのキックオフとして、4月には大阪で、5月には東京の野音でワンマンライブを開催しましたが、声出しが解禁になって、ライブに対して再発見や再確認したことはありましたか?
谷口 やっぱり、人の声ってすごいなと思いましたね。不思議なもので、コロナ禍に突入してから、ずっとライブを取り戻そう、取り戻そうってみんなが頑張っていたんですけど、いざ声出し解禁になって扉が開くと元のライブではないんですよね。全く新しいエネルギーがそこにはあって、すごく不思議な感覚でした。フェスでも声出しを解禁するようになって、あれ? なんかちょっと違うぞ、みたいな……。これはもう元通りに戻るわけじゃないんだっていう発見が徐々にあって、で、野音でワンマンをやった時に確信しましたけど、もうここからは新しい世界になったんだなと。取り戻しにいっていたわけじゃないんだ、進んでいたんだということに気付いたんです。それくらいの熱量を声から感じました。
──コロナ禍の間には、10周年イヤーに向けて、色々アイデアを練ったり、皆さんで話し合ったりもしてたんですか?
谷口 47都道府県ツアーはやりたいと思っていましたね。コロナ禍で配信ライブとかもやってみて、そっちにも慣れてはいくんですけど、やっぱり、ライブハウスに戻りたいって感覚があって。あとは海外に行きたいということもずっと思っていて、それがどんどん膨らんでいきました。ただでさえ島国なのに、そこからさらに閉ざされたような気がしていて。それで、反発のエネルギーみたいなものが自分の中で生まれたりしたのかなと。で、それを今まさに燃やし続けているという感じはします。
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