Baillie Walsh
2023.08.16 18:10
オアシスの再結成を望むファンがAI技術でリアム・ギャラガーの声を再現し、架空のアルバム『Aisis』を公開したり、コリィ・テイラーやアイス・キューブがAIでアーティストの声を再現することを批判するなど、毎日のように話題に上がるAIの音楽使用。今最も注目されているトピックだが、ABBAのメンバーであるビョルン・ウルヴァースがAIへの持論を展開した。
ビョルン・ウルヴァースは人気YouTuberリック・ビアートの最新インタビューに出演した際に、最新AIモデルのデモンストレーションを体験したときのことを語っている。
「数週間前、大きなテック企業からAIモデルのデモを見せてもらったんだ。そのポテンシャルに驚いたし、度肝を抜かれたよ。素晴らしいツールだから、クリエイターとして同時に防御的にもならないといけないし、攻めることも必要なんだ。誰よりも素晴らしい共同作曲者になる可能性があるけど、その一方でAIは人が書いた曲から学ぶんだ。もしかしたらもう遅いかもしれないけど、学習元の作曲者たちが報酬を得ることができるように闘わないといけない。
学習されたくないミュージシャンたちを機械学習から除外できるようになるのかはわからない。でもそのミュージシャンたちが機械によって学習されたと証明するのは難しいだろう。AIがABBAを学習したかどうかとかも正直わからない。そのAIモデルのデモに“ABBAのようなメロディを書いてほしい”と頼んでも、正直ABBAの曲だとは認識できないだろう。ABBAのメンバーじゃない人が歌っていたら、ABBAを元にしたとはわからない」
AI技術のポテンシャルを褒めつつも、音楽使用に対しては気をつけないと語ったビョルン・ウルヴァース。AI技術による声の再現を批判するアーティストは多いが、スティングは「EDMのようなジャンルだったら上手くいくかもしれないけど、感情を表現する歌の場合、AIが作ったものには心は動かされないだろう」と以前発言していた。