映画『Love Will Tear Us Apart』で幼なじみを演じる
久保田紗友&莉子を支える向上心、全力で挑むために“かけがえのない存在”とは
2023.08.18 17:00
2023.08.18 17:00
俳優業の魅力は没頭できる瞬間と巡り会い
──この作品ではある人物の、憎しみと愛が表裏一体となっている姿が描かれています。お二人は愛憎入り乱れてしまうという心境に、共感できる部分はありますか?
久保田 守りたいものがある場合、その守りたいと思っていたものが壊されたときに自分がどうなるかわからないなというのは思います。もちろん犯罪を犯してしまってはいけないけれど、それでもどうなりうるかわからないなと。
──久保田さんには、狂おしいほど好きなものや守りたいものはありますか?
久保田 愛犬ですね。
莉子 インスタに載ってるワンちゃんだ!
久保田 そう! 犬は自分にとって大切な家族なので。「この子のために頑張りたい」「この子においしいご飯を食べさせられるように」という気持ちでお仕事をしているし、すべての原動力がワンちゃんです。愛しています。だから、その子を守るためだったら全力で挑むと思います。
──莉子さんは、愛憎入り乱れてしまうという心境はわかりますか?
莉子 はい、「絶対に狂わない」とは言い切れないなと思いますね。狂うまではいかなくても、ちょっとした嫉妬心って誰しも持っているでしょうし。特にこのお仕事をさせていただくうえでは、持っておいていい感情なのかなと思います。
──莉子さんの狂おしいほど好きなものや大切なものは?
莉子 家族と友達。特に高校の友達は昨日の夜も会っていたんですけど、そうやって隙あらば会ってエネルギーをもらっています。私は普通科の高校に通っていたので、高校のときの友達とは、お仕事じゃない話ができるんですよ。本当にくだらないことでずっと笑っていて。「彼女たちに何かあったら」と考えたら、うん、狂ってしまう可能性もあり得るのかなと思いますね。
──お二人とも現在20代前半。今、感じているお芝居の面白さ、演技の魅力はどういったものですか?
久保田 演じている瞬間って自分じゃなくてその人になっていますよね。それにすごく助けられる瞬間がめちゃくちゃあって。生きていたら、大変なこともあるじゃないですか。でも演じているその瞬間は、自分に起きている大変なことを忘れて没頭できる。その瞬間に救われているし、それを感じながらお芝居を楽しんでいます。
莉子 私はずっとモデルをやっていたので、他の人として生きる瞬間がなかったので、まずはそこが面白いなと思いました。ただ最近は、それだけじゃなくて。このお仕事はすごくいろいろな人と巡り会える。モデルだと撮影はほとんどの場合が1日で「またどこかでお会いできたら」という感じですが、ドラマや映画の撮影だと最低で数週間、長いと数ヵ月、みんなと濃い時間を過ごせる。それによって「またこの方たちとご一緒できるように頑張ろう」と思えるんです。それが結構自分の活力になっている部分があって。そういう人との出会いや、「またご一緒できるように頑張ろう」と思えることが、今の私にとっての俳優業の魅力です。
──では最後に、それぞれご自身の芸能活動としての現在地をどのように捉えているのか聞かせてください。
久保田 正直、まだまだだなと思うことばかりですし、怖いものが多いなと思っていて。
──怖いもの?
久保田 やったことのないことや自分の知らないことって怖いじゃないですか。それがたくさんあるんです。例えば時代劇。一度だけ経験させていただいたことがあるのですが、やっぱり他の現場とは違う環境で。またチャレンジさせていただく機会があるとしたら、きっと「怖いな」と感じてしまうと思う。そういう意味での“怖いもの”がたくさんあるので、まだまだだと思います。この先は、そういう怖いものを楽しめるようになりたいですね。あとは、特に今の私の世代は、本当に俳優さんが潤沢にいて生き残るのは厳しい世界。その中で、どう自分を出していくか。そのためにも、自分が演じる意味のある役柄に、一つでも多く巡り会っていきたいと思っています。
莉子 私はもっといろいろな経験をしたいです。これまでずっと「もっと場数を踏みたい」と思っていて、いろいろな作品に出させていただきましたが、今もまだ「場数が足りない」と思っているし、私ももっといろいろな役と出会いたい。とにかく経験値をもっともっと積むことが必要だと感じています。
──莉子さんはモデルとして芸能界入りして、その後SNSで火がつきました。最近は俳優業も増えていますが、この先は俳優として活躍していきたい?
莉子 もちろん俳優としての経験を積んでいきたいという気持ちはありますが、基本的にはオールジャンルな人間になりたいと思っています。何でもやりたいんですよ。マネージャーさんにも「頂いたお仕事は全部やりたいです」と言っていて。今はありがたいことにお芝居のお仕事をいただくことが多いので、お芝居に熱量を注いで頑張っていますが、他のお仕事も、頂いたら全力でやりたいなと思っています。