2023.07.21 22:00
ドレスコーズが、最新曲「少年セゾン」のミュージックビデオを公開した。
MVは、ドレスコーズの「最低なともだち」でも撮影を手掛けた映画監督・山戸結希によるもので、炎天下の日差しの下、暑い夏の一頁が切り取られている。
ドレスコーズは、9月13日(水)に9thアルバム『式日散花』をリリースする。初回限定盤のBlu-rayには、昨年恵比寿ガーデンホールにて開催された年末恒例のライブイベント「12月21日のドレスコーズ」のライブ映像が78分を超える大ボリュームで完全収録。通常盤のBlu-rayには「最低なともだち」「少年セゾン」含むMV3曲が収録される。
アルバム収録曲の「少年セゾン」「最低なともだち」が配信中のほか、10月にはアルバムをひっさげたツアーも開催。また、7月31日(月)に「新宿紅布のドレスコーズ」(SOLD OUT)、8月12日(土)に「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2023 in EZO」への出演が決定している。
山戸結希監督 コメント
『少年セゾン』Music Videoの映像をめぐって。
太陽も、海も、生も、死も、喪服も、水着も、人間も、犬も──全てが、もはやこの世界に既存のものである。
そう思えば、すでに何もかもがしつらえてある中で、記号遊びするだけのわたしたちかも知れないけれど。
歌ったり、踊ったり、食べたり、笑ったり、思い出したりすることの一回性もまた、一度しか生きることのできない人間の特権です。
神様は、あらゆる可能性を周知しており、どの分岐も、どの地球も、どの世界も記憶していなければならないわけですから、思い出ばかりが無尽蔵にふくらんで、さみしいアカシックレコードをお持ちのことでしょう。
さすらば、あまりにも忘れっぽくてひとつしか選べないぼくらは、どれほど幸運でしょうか。
複製されることによって前借りされ、分岐されゆく生について、
やがて約束通り訪れる死について、その予行演習として分かち難くある離別について──
明るく強い光の夏、短い影が、暗喩のように蔓延って。
このさきどんな回路を辿ったとしても、必ず離ればなれになってしまう我々について、ひとつのサマーチューンが彩ってくださいます。
真夏のドレスコーズさん、さあどうぞ、わたしたちを脅かしてください。
いつの日も彼岸に立つ志磨遼平さん、この夏の影へと、たくさんの人を誘ってください。
とびきりの夏の讃歌に差し出します、一度きりのこの命を。
M.V.の映像が、歌い、踊い、時には引き裂かれるように、
ぜひみなさんも、共に歌ったり、踊ったり、引き裂かれたりなさってくださいね。
人間は迷うために、失敗するために、見失うために生まれてきたのだから。
いざ、ないものねだりの神様へと捧ぐダンスを。
濃い陰を愛す、あなたへと向かって。
山戸結希(映画監督)