2023.07.14 18:00
お客さんと歌で会話できてるようで楽しい
──こういった“デジタルロック”のような音楽性はBiSの中であんまり表現してこなかったですよね。トギーさんとナノ3さんは、今回の曲はどういう風に感じましたか?
トギー 初めてだったので、レコーディングの時に本当に苦戦しました。声を張る歌しかほぼやってなかったので、ささやき声や優しく歌うパートが未知でした。レコーディング中にこういう風に歌ってほしいというディレクションがあったので、練習しました。
ナノ3 その場で直して。めちゃくちゃ難しかった。
トギー 私のわがままにも付き合ってもらって、時間をかけて録らせていただきました。
ナノ3 「イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム」の方の、最初の「私の歌は」とか「唇は魔法に」っていうところが一番苦戦しました。自分の中で唱えるみたいな感じで歌ってみたいな。声を張らないで感情を込めるのが一番難しくて。この曲でそういう歌い方もあるんだってことを知ったので、もっといろんな曲を聴いて吸収したいって思えるきっかけになりました。
──最後の一節の「魔法をかけて目を閉じて待ってる」っていうのは、BiSらしいワードチョイスだなと思ったんですけど、それぞれの感情の込め方などありましたか?
ナノ3 それこそ私はこういう部分の方が歌いやすいというか、気持ち乗りやすいんです。サビは特に一生懸命歌ってほしいって言ってくださって。強い言葉が最後だけじゃなくていろんな部分に出てくるんですけど、言葉が強いからそれに負けないように自分も強く感情が乗せやすかったですね。
──詞もかっこいいですよね。2曲目の「僕の目を見つめて 君の世界になりたい」もデジロックな感じを継承しつつも、掛け合いが楽しい曲になってて。
ナノ3 それぞれ得意不得意があって、いろんなメロディがあるからこそ6人それぞれ得意なパート苦手なパートがあったので、いい部分をすごい伸ばしてくれるディレクションしてくださって、それで歌に決めてくれたのかな?と思います。
──シオンエピックさんは歌ってみて、自分の得意と不得意がなにかわかりましたか?
シオン そもそも私、歌うことを避けて生きてきて。絶対歌わないっていう人だったんで、ちゃんと歌ったのが初めてでした。
──少しは慣れてきましたか?
シオン はい。お客さんの前で歌うのは、歌で会話できているような感じがして楽しいです。
──この楽曲もレコーディングは過酷そうですね。息継ぎはないし、かなり声を張っていて。これは従来のBiSを継承している印象がですが、ここまでラップ調なのも新たな挑戦でしたか?
ナノ3 そうですね。ラップは初めてやったので、リズムを取るのが難しかったです。レコーディングも苦戦しました。
トギー カバーアルバムでやったDragon Ashの「Fantasista」くらいでしかやってなかったので。みんなそもそもラップっていうか、歌も初めてだったから(笑)。
──ラップを普段から好きでよく聴いてる人はいますか?
トギー ちゃんみなさん、聴いてます!
──こういう早口はやってみてどうでしたか?
イコ 難しかったです。自分が仮歌を聴いて歌ってたのとレコーディングしてみたのとはまた違ってたので、すごい難しかったです。
──2曲のうちどちらの方が歌いやすかったですか?
イコ 「イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム」はレコーディングした時は地声で高い声が出なかったんですけど、逆に「僕の目を見つめて 君の世界になりたい」の地声から裏声に切り替える方がまだできたので、歌いやすかったです。
──自分の声がどこまで高いところが出るとか、なかなかわかる機会ないですもんね。トギーさんとかは高音パートは得意だったりしますか?
トギー 出ても綺麗に伸ばすっていうのが本当に難しくて……。出はします! けど震えちゃうかな。この2つの曲は大丈夫だったんですけど、BiSの曲はもっと高い曲が多いので。
──新体制になって、既存の曲もディレクションが入って?
トギー 既存曲はもう自己流で歌ってるよね?
ヒューガー 音源を聴いて練習したり、それを自分の声で歌ったらどうしたら素敵に聴こえるかな?とか考えながらやってます。自己流です。
──クレナイさんは自分の声で強みかもしれないっていうポイントはありましたか?
クレナイ 声を張るのがあんまり得意じゃないので、「よりどりみどり」ってささやいて言うようなところが、張るよりはできたかなと思います。
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