2023.07.14 18:00
「これから先もいっぱい活動して、みんなで頑張っていきたい!」決して優等生コメントを狙ったわけじゃないトギーの言葉は、良いニュースも、そうでないニュースもあった1年を乗り越え、ようやく新曲リリースを迎えたBiSがファンと自分たち自身に伝えたい100%の気持ちと思えた。2022年10月のヒューガー加入後、2名が脱退。今年3月のWACK合同オーディションで3名が加入し、6人となったBiS。全員に言えることだが、新メンバーも一度のインタビューでは計り知れない可能性とキャラクター性に溢れている。
新体制となり、7月12日にはBOOM BOOM SATELLITES/THE SPELLBOUNDの中野雅之をプロデューサーに迎えたシングル『イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム』をリリース。遡って5月からは全国ワンマンツアーを敢行中で、この記事が公開される頃はファイナルのLIQUIDROOMを残すのみ。新曲に込めた“おまじない”を胸に、1年喰らっていた“おあずけ”を取り戻す勢いで加速を続けるBiSの現在地は? とにかく、BiSはこれからも目が離せない。
1年の出来事とは思えない
──1年ぶりのニューシングルになりますが、音源として初リリースを迎えるメンバーもいらっしゃいますよね。
トギー (トギー、ナノ3以外の)4人です! 多いですよね。
──単刀直入に、いろいろありましたが振り返っていかがですか?
トギー 直近の1年間はいろいろあったんですけど、それまでは何もなく過ごしてきて。この1年で脱退・加入、私も休んだし、いろんなニュース出しすぎて、お客さんも大変な気持ちだったと思います。メンバーも大変な中どこまで自分を信じてできるかっていうところで、できなくなっちゃったメンバーもいてっていう感じだったので、やっとこうやって曲出せるっていうのが本当に嬉しいです。いろいろあったからこそ沁みます。
ナノ3 やっとだね。
──その狭間でナノ3さんは合流されたんですよね。
トギー ナノは、BiSがこれから大きくなっていくために、新しい変化を求めていた時にオーディションをして入ってくれたんですけど……。
ナノ3 これから先輩たち4人と頑張っていくんだっていうわくわくした気持ちを持って入って。そのあとトギーの活動休止があって。
トギー すぐ休んじゃった! すまんなって思いながら。
ナノ3 (笑)モンちゃん(チャントモンキー)の脱退があって、トギー復活して。そこにまた今年ヒューガーが入ってきて、2人脱退して……みたいな、私が入ってからはメンバーが定まらないまま、自分もふわふわしたままついていくしかなくて、1年の出来事とは思えないくらいバタバタして過ごしてました。
──やることもいろいろと変わっていったってことですよね?
トギー やることはそんなに変わらないけど、安定してないメンバーだからこその大変さは絶対にありました。ナノが加入してすぐ休んじゃったので、完全体のBiSではないままライブをし続けたじゃんか。どういう気持ちでライブに向かえばいいか悩んでるんだろうなって思ってました。
ナノ3 そうですね。何が正解かっていうか、自分がどう頑張ったらいいのかわかんなくなったことはめちゃくちゃあって。MCで何しゃべったらいいのかわかんなくなって、休み中のトギーからめちゃくちゃ長文のLINEをもらったりとか。アドバイスもらってやってたけど、本当にふわふわした感じというか。BiSではあるけど、完全体ではないから、自分がどう頑張ったらいいのかがわからなくて悩むことはめちゃくちゃありました。でも、入ったばっかりだし、目の前のことやるしかなかった1年でした。
──長文のLINEっていうのは、どういう内容だったんですか?
トギー MCをどうやって考えたらいいかっていう。「MCとは」みたいな話から始めたかな?
ナノ3 こういうこと喋ったらいいよっていう、MCの考え方みたいな部分のアドバイスをもらいました。
──そして今年になってヒューガーさんが加入したと。資料には“ゴキブリ並みの生命力”とあったんですが(笑)。
ヒューガー はい、社長にゴキブリって呼ばれてて(笑)4回くらい(WACKのオーディションに)落ちたんですけど、それでもBiSになりたすぎてしつこく応募してたら「お前しつこすぎる」って言われて(笑)。それでも挑戦してるのを見捨てずに、何回も何回もその時の私を見てくださったのはすごくありがたいことでした。
──ここに至るまでのBiSの足跡もずっと見てきたメンバーってことですね。
ヒューガー そうですね。2021年の合宿が初めてだったんですけど、その時に元メンバーのモンちゃんさんと組ませてもらって、そこからBiSのことを詳しく知っていった感じです。
──じゃあ、前段階から面識があったわけではない?
トギー ないですね。候補生としてもかぶってないので。現役メンバーは、候補生とは最終日に残った子としか会えなくて。
ヒューガー 私が最終日までは行けなかったんで(笑)。
──念願叶っての加入ですが、率直にいかがですか?
ヒューガー シンプルにありがたいことで、合格の電話いただいた時に路上で叫び散らかしたんですよ。それぐらい最初は信じられなかったんですけど、その日中に「自分メンバーなんだ」って思って、やらなきゃ!って目が覚めましたね。
──具体的に自分で何か意識を変えたこととかありますか?
ヒューガー 自然に変わったんですけど、今までファンだったのがお仕事仲間になるじゃないですか? 自分がメンバーになったら推しでもないし、友達でもないから、お仕事仲間っていう意識に切り替えるようにはしました。
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