『連続ドラマW フィクサー』Season2で重要な役を担う
「とにかく考えて、でも柔軟に」役者道を邁進する町田啓太が語る自分との戦い
2023.07.06 12:00
2023.07.06 12:00
どの役でも自分が一番の理解者でありたい
──達哉を演じるのは難しいですか? それともご自身に似ていて演じやすいですか?
僕はどの役を演じるときも、自分が一番の理解者でありたいなと思っています。そのために「分かるな」と思うところを1つでも多く見つけるようにしています。そういう意味で、達哉と特別「ここが似ている」というものは言えないかなと思います。
──先ほど、井上さんの脚本の印象として「登場人物が強い」とおっしゃっていましたが、それぞれを演じる俳優陣も個性豊かで実力派の方々が揃いました。そんな濃い共演者に負けないように意識したことはありますか?
より多く考えることですね。僕にできることはそれかなって。とにかく考えて、1つでも多くのアイデアを持っていく。その中で現場に行って、相対して変わることもあるので、凝り固まらずに、柔軟にいるように気を付けました。でも勝ち負けではないと思います。劇中ではみんな終始そういう感じですが、僕はそういうタイプではないです。勝ちにこだわって成功するタイプの方もいらっしゃると思いますけど、僕は自分と戦っている感じですね。
──現場で特に印象的だった共演者はいらっしゃいますか?
皆さん印象的なので1人に絞るのは難しいですが……。主演の唐沢さんはやはり圧倒的な存在感がありますね。相対しただけで引き込まれるというか、前のめりになってしまいます。不思議なくらい、すごいです。あとは達哉の母親役の斉藤由貴さん。いろいろな作品を見ていて「いつかご一緒できたら」と思っていたので、ご一緒できてうれしかったです。本当にちょっとしたことで反応が変わっていらっしゃって、それに対して僕も変わったりして「うわ、生っぽいな。すごいな」と思いました。そこで起こることを、本当に一緒に起こしている感じがするんですよ。僕は乗っかっているだけですが。おかげで一緒のシーンの撮影は毎回すごく楽しいです。
──『連続ドラマW フィクサー Season2』では、町田さん演じる渡辺達哉が自身の信念を胸に闘う様子が描かれますが、町田さんご自身がこのお仕事をする上で信じ続けているものや貫きたいと思っている信念はありますか?
うーん、何でしょうね……難しいなぁ。うまく言語化できないですが……何かを作ろう、何か行動しようと思ったときに、その気持ちやそのための努力みたいなものは信じていたいなと思いますね。自分がやることは信じていたい。
──ありがとうございます。では、お芝居をする上で大切にしていることはありますか?
諦めないで考えること、ですかね。少しでも考えることかなと。
──それは役について?
役についてであったり、作品についてであったり。トータルで、ですね。
──実際に役者として今まで諦めそうになったことや、諦めないで考え続けたからこそ答えが出たみたいな経験はありますか?
こればっかりはスポーツのように明確に記録が出るものではないので自分では分からないのですが、でも今現在もこうやってやらせてもらえているということは、少しはできているのかなと思います。
──俳優としての今後の展望はありますか?
ちゃんと熱を注いで、自分の考えや価値観を1つでも多く投影できるようになっていきたいなと思います。それに尽きます。
──「こういう作品に出たい」とか「こういう役をやってみたい」といった理想像のようなものはどうでしょう?
今はそれを考える余裕がないというか……決まって「これ」というのはあまり思い当たらないかもしれないです。余裕があるときにもう少し考えて、何か自発的にできることがあれば挑戦できたらと思います。
──では最後に、7月9日から始まる『連続ドラマW フィクサー Season2』の見どころを教えてください。
Season1で、この作品の作風は皆さんどっぷりと楽しんでもらえたと思います。まだ観ていない方にはぜひ観ていただきたいです。そして、Season2になると、より緊張感が増しますし、僕が演じる達哉に関して言うと「ここまでなるか」というくらい追い込まれたりもするので、ちょっとヒリヒリするところもあると思いますが、その中にある真実や乗り越える際に支えてくれる本当の味方の大切さが描かれています。何が本当か嘘かも分からなくなってきて息が詰まる可能性はありますが(笑)存分に楽しんでもらえたら嬉しいです。