映画『水は海に向かって流れる』で学んだ演技の醍醐味
「演じることは、難しいけれど楽しい」當真あみ16歳が語る、俳優としての未来地図
2023.06.08 12:00
2023.06.08 12:00
「自分とは違う人間を演じる」ことはやっぱり楽しい
──『水は海に向かって流れる』撮影後、さまざまな作品に出演されていますよね。「演じる」ということに対して、今感じていることは？
それこそ『水は海に向かって流れる』を撮っているときに、演じるということ……役として「自分以外の要素を持った人の人生を経験する」ということは、すごく難しいけれどすごく楽しいことだな、というのを学んだんです。そこからいろいろな作品を経験させていただきましたけど、まだまだ全然できないし、難しいというのは感じます。けれども、やっぱり楽しいんです。上手くできなかったからこそ、次にどうにか生かせるように頑張りたいとも思うようになりましたし、『水は〜』を経験して意識が変わりました。
──「悔しい」という言葉が先程出たのが印象的なのですが、ご自身の性格は「負けず嫌い」だと思いますか？
うーん、他人に対してではなく、「自分に対しての負けず嫌い」という部分はあるのかな、と思います。とくに『水は海に向かって流れる』のときは、演技をするのが初めてだったというのが一番大きいのかもしれないんですけど、今までやったことがなかったことをやってみて、そのときに自分が「できなくて悔しい」と感じた感情をすごく覚えてるんですよ。ただ、他の作品でも自分の出たシーンを見返しながら「ここはもっとこうできたかもしれないな」と感じることはよくあります。
──ドラマ『Get Ready!』では事情を抱えながらもすごく明るい女子高生、という役柄を演じられていたのが印象に残りました。今日お会いして感じたのですが、こちらもまた素の當真さんとはかけ離れたタイプの役柄だったんですね。
『Get Ready!』の撮影時くらいから、そういう「自分とは違う役柄を演じる」ことをちょっとだけできるようになってきたかな、と思っています。まだ「ちょっとだけ」くらいな感じではあるんですけど（笑）。これを機に、どんどん演じる役柄の幅を増やしていけるようにしたいなって思ってます。
──2022年公開のアニメ映画『かがみの孤城』では声優に挑戦されていましたよね。あれもまた、大きな挑戦だったのでは？
アニメーションだったので実写と全然違いましたし、演じ方もまったく違っていて。声だけの表現というのはやっぱりすごく難しい、というのを実感しました。ただあのときに学んだ「実写と違う表現方法」には、これからのお仕事で活かせそうなものがたくさんあって、大変だったんですけどとても楽しかったんですよ。私自身アニメが好きなので、出来上がっていく途中の過程の絵とかも見ることができて、とても嬉しかったです。アニメのお仕事は、実写での経験をもっと積んでからいつかもう一度挑戦できるならやってみたい、そう思っています。
──現場で上手く演技ができなかったり、落ち込んだりしたときはどうすることが多いですか？
大体はお母さんや家族に話すとか、友達に聞いてもらう事が多いですね。別にその事自体を聞いてもらわなくても、友達と他愛もない会話したらそれだけで結構回復できるというか、リフレッシュできるんです（笑）。だから落ち込むと誰かと話したくなります。
──プライベートでは他にはどんな時間の過ごし方を？
最近は映画を観る事が多いですね。邦画だったらなんでも、という感じです。最近面白かったのは、前田哲監督の『ロストケア』とアニメ映画の『BLUE GIANT』。この2本がすごく心に残っています。
──作品を観るときは純粋に観客として観ますか？ それとも「俳優」目線で観る事が多いですか？
両方ですかね……作品自体を楽しむこともあるし、その中でもそれぞれの役者さん、キャラクターの表情を見たときは、「こういう表現もできるといいな」と思うこともあります。
──いつか演じてみたい役柄はありますか？
私自身、今は学生役だったり、等身大……今の自分の年齢に近い役が多いんですね。でもいわゆる「お仕事系」のドラマで仲間と助け合ったりする作品を見ると、いつかやってみたいという気持ちにはなります。あと、それとは全然違うんですけど、ミステリアスな役柄というか、影がある役だったり掴みどころがない役、そういう意味での「自分と違う要素」がある役柄を演じられるようになりたいなとも思っています。
──そういう役柄の當真さんも観てみたいです！ ところで、ここまでいろいろ現場を経験されていると「引っ込み思案」は少しずつ変わってきたりしますか？
共演者の方や現場のスタッフの方たちと話すことが下手だったんですけど、最近ちょっとずつ話せるようになってきたような気がします！ というか、「人と話すこと」、コミュニケーション自体はむしろ好きなんですよ。ただ、「何を話したらいいんだろう、どうやって話しかけたらいいんだろう」と思ってしまっていて（笑）。最近は少しずつ慣れてきたのか、喋れることが多くなってきたので、現場を楽しめています。
