フジロックで鮮烈な印象を残したUKの6人組が待望の再来日
Black Country, New Roadのルーツと今、向かう旅路で待つ永遠
2023.04.14 18:00
2023.04.14 18:00
ロンドン発、男女混合6人組のブラック・カントリー・ニュー・ロード(以下、BCNR)が、最新作となるライブアルバム『Live at Bush Hall』を引っ提げて初単独ジャパンツアーを開催。その最終日にあたる4月6日Spotify O-EASTの公演は、未発表の新曲を3曲プレイするなど嬉しいサプライズもありながら、通常のバンド編成に加えサックス(フルートも兼任)、ヴァイオリン、ピアノを擁すBCNR特有の“何でもあり”の合奏で、集まったオーディエンスを大いに沸かせてくれた。
フロントマンのアイザック・ウッドの脱退により転換機を余儀なくされてから約1年。昨年の夏、全てが新曲で構成されたフジロックのステージを目撃した我々には聞きたいことだらけだった。先日の来日中に実現したインタビューでは、今の彼らに聞きたい「気になること」をメイ・カーショウ(Key/Vo)、ルーク・マーク(G)、チャーリー・ウェイン(Ds)の3人にぶつけてみた。
──昨年のフジロック、本当に最高でした。フジロックで新曲を聴いて、その後出たアルバムで復習できて、それからすぐに日本でツアーをしてくれてありがとうございます。
チャーリー ありがとう、また来日できて嬉しいよ。
──ところでライブの登場SEはどうやって決めているんですか? 最近だとジャーニーの「Don’t Stop Believin’」を使っているライブ映像を見ました。
ルーク いつもライブの10分前くらいに流す曲を決めて、ツアーマネージャーを音源探しに走らせたりしてるんだ。フジロックの時はジャック・ホワイトが出ていたので、ザ・ホワイト・ストライプスの「Seven Nation Army」を使ったんだけど。ジャーニーもいいよね。
──そうなんですね! ちなみに僕は今日ジャーニーのTシャツを着てきたんです。
全員 ワオ! クールだね!
(※今回のジャパンツアー東京公演のSEはBon Joviの「You Give Love a Bad Name」だった)
──皆さんがつけてる貝殻のネックレスもすごくかわいいですね。
チャーリー ルイス(Sax/Flute)もお揃いのを持ってるよ。つけたら面白いかなってインドネシアで買って。夏の間まではつけてようって約束してるから、二日間つけなかったらルイスに怒られたよ。寝るときは外してるから、毎朝起きたときにつけてるんだ。
ルーク あ、そういえば、ルイスと一緒にラジオ番組を作ろうとしたことがあって、一曲目をジャーニーの「Any Way You Want It」から始めて、その後は色んな音楽を混ぜたんだけど、ルイスは一曲目を聴いて即ボツにしたんだ。
──それはジャーニーがダサいと思ったから?
ルーク そう。それがいいんだけどね(笑)。
──本当にそう(笑)。今お話した短い時間だけでも、曲作りもこんな解放された空気感でやっているから、新曲がたくさんできたのかなって想像できました。
メイ 切羽詰まってたというか、アイザックが脱退してから次のライブまで4ヵ月ぐらいしかなかったから、短期間に作らなきゃいけなかったっていうのもあって。
──だからなのかもしれないですが、「Up Song」みたいなパンクな曲も多いですね。
ルーク 「Up Song」は、ザ・ストロークスの「Hard to explain」を聴いて、こういうのをBCNRでやれたらいいなって思って作ったんだ。結局できたものは全然似ていないんだけど、「Up Song」の方向性に関してはどこにでもいけたんじゃないかな。元々ベースのタイラーのソロナンバーだったんだけど。
──タイラーのソロはよりダークな感じですよね。
チャーリー タイラーのソロバージョンは「Up Song (Reprise)」が近くて。「Up Song (Reprise)」は「Dancers」からの流れが欲しかったから、「Dancers」と同じキーになってるんだよね。
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