2023.03.11 18:00
全日本スナック連盟の会長を務める芸人、玉袋筋太郎とTempalayの小原綾斗(Vo, Gt)が都内近郊のスナックを訪ね、酒を片手にママの人生を振り返りながら話に花を咲かせる連載「玉袋筋太郎と小原綾斗の次、行こうぜ!」。無事に迎えた2回目となる今回、2人が訪れたのは、東京・五反田の「らくがき」。
同店がある通称・五反田ヒルズは五反田駅から徒歩3分の立地にありながら、回廊型のフロアに個性的な飲食店が多数、軒を連ねるさまが巷間言われる昭和の名残を通り越して、もはや異国情緒すら感じさせる不思議スポットだが、2016年オープンという「らくがき」はそんな五反田ヒルズの中でも正統派のスナックと言えそうだ。普段は熱海のお店にいるという元CAの大ママ、本間洋子さん(名刺には「酔う子」との表記が)と、うさぎママこと宇佐美真希さん、そして11人いるキャストから新人のアオさんが玉袋と小原を歓迎。早速、ビールで乾杯すると、2人のノンストップトークがスタート。核心を突いたり、突かなかったり、話はあちこちに飛躍しながら、進んでいった。
小原 すっごいビルですね。
洋子ママ 知らなかった? ここ、五反田ヒルズって言うのよ。
小原 最初からスナックが多かったんですか?
洋子ママ 私がここに来た時はもうスナックが多かったわね。私、元々、銀座でスナックやってたのよ。
小原 銀座にいたんですか。どうりで気品がありますよね。五反田には似つかわしくない(笑)。
洋子ママ そう? 銀座にいた頃は全然言われなかった。
小原 じゃあ、五反田はいい街ってことですね。
洋子ママ そう。五反田好きなの。こういう庶民的なところは。綾ちゃんはミュージシャンなの?
小原 はい。
洋子ママ そんな感じがする。
玉袋 五反田の客引きに見えるけどな(笑)。
洋子ママ 客引きって(笑)。
小原 ここはまだ新しいんですか?
洋子ママ ここは7年ぐらい。
小原 ここが1店舗目で。
洋子ママ そう。あと隣にある姉妹店のギャレーと東口にもうちょっとゆったりした品川酒役所っていうお店と、あと熱海に熱海酒役所ってお店もあって。熱海はまだ1年ぐらいかな。女の子達から必要ないって追い出されたのよ(笑)。だから、熱海にも来てね。
玉袋 もちろん行きますよ!
小原 でも、なんで、らくがきなんですか? スナックっぽくないですよね。
洋子ママ 女の子に来てもらいたかったのよ。スナックのお客さんって男性ばかりじゃない。たとえば、金縁で「洋子」って看板にしたら女の子は入りづらいでしょ。それで、らくがきにしたの。そしたら女の子が来て、ボトルを入れてくのよ。だから、うちのお客さんは女の子が多いの。あと、60代と30代という組み合わせの親子も多いわね。
うさぎママ 女の子が来ると、一瞬にして空気が変わるんですよ。それで、その女の子達がかわいい歌を唄うと、「いいなぁ、いいなぁ」っておじ様達も盛り上がるんですよね。
玉袋 うさちゃんは勤続何年なの?
うさぎママ 7年ぐらい。ママが銀座でやってた前のお店のお客さんだったんですよ。
玉袋 へぇ。銀座のどこでやってたの?
洋子ママ 4丁目。
うさぎママ 泰明小学校の近くの、すごーい古いビルの地下2階にあったです。たまたま、そこで働いている女の子が友達で、遊びにおいでと言われて、週5日とか6日とか飲む女友達と「銀座のスナックでしょ!」って、犬がしっぽを振るように行ったら、お客さんと仲良くなっちゃって、そのうちママから呼ばれるようになって、「行きまーす」って通うようになっちゃったんです。
玉袋 じゃあ、ここの立ち上げスタッフなの?
うさぎママ 立ち上げスタッフではないんですよ。ママが銀座を引き上げた後、五反田でまたやるって聞いたんだけど、その時は仕事が忙しくて1年ぐらい疎遠になっちゃって。その後、銀座のスナックのお客さんから「遊びに行ったのか?」と言われて、行ってみるかって来てみたら、縁が繋がって。
玉袋 いつの間にかカウンターのそっち側に入ることになったんだ。
洋子ママ 銀座の店に来てた時は、北島三郎の「まつり」を、お尻を振りながら歌ってたのに、ここ来たら、全然やらないの。「M」か何か歌っちゃって。
小原 プリプリになっちゃったんだ(笑)。
洋子ママ 「どうしたの?」って聞いたら、ここはそういう雰囲気じゃないんですって。
うさぎママ だって、お客さんとしているのと、仕事でいるのとでは気持ちが変わってるから、さすがに祭りだ祭りだ(とこぶしをきかせながら歌って)とはできなかったんですよ。
小原 しっぽが見えた(笑)。ところで、洋子ママは元々、CAだったんですね。
玉袋 ANA?
洋子ママ なんでわかるの?
玉袋 JALじゃないって思った。
洋子ママ そんな匂いがする?(笑)
小原 確かにあるすね。
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