2023.03.02 12:00
2023.03.02 12:00
当て馬でも報われる役でもやることは一緒
──(笑)。相手役の高梨臨さんの印象はどのようなものですか?
きれい! 現場ではいつも台本を読まれているんですけど、よく見ると、今から撮影するシーンじゃなくて、先々のシーンを読んでいるんですよ。読まれている箇所の厚みを見て、「今から2話の撮影なのに、あれ4話くらいだよな」と。たぶん先々のセリフも入れて挑んでいるんですよね。そういうところはすごく見習うべきだなと思いました。
──綱さんとしても、高梨さんにキュンキュンさせられていると。
本当にそうです。だから「和葉役が高梨さんで良かった」と思っています。もし高梨さんじゃなかったらここまで気持ちが入れられないかもしれなかった。高梨さんのような優しい方だから、より演じやすくて助かっています。
──監督やスタッフさんとのやりとりで印象的だったものはありますか?
最初の本読みのときに「満井の挨拶は大きくしよう」と言われたんですけど、この間「何でそうしたのかって、綱くんを見て『満井、これが良いじゃん』って思ったからなんですよ」と話してくれたんです。それがすごくうれしかった。監督が、役と僕を近づけてくれました。
──冒頭に「当て馬じゃない」というお話がありましたが、当て馬じゃない、報われる役だということで意識したことはありますか?
そこで意識したことか……。ないですね。当て馬だろうが、報われる役だろうが、別にやることは変わらないので、本当に無いんですけど……。
──「当て馬でも当て馬じゃなくてもやることは一緒」というのが答えなので、大丈夫ですよ。むしろカッコいいです。
よかった。じゃあ、それで!
──では、改めてドラマの見どころを教えてください。
毎話毎話、すごく展開するので見応えがあると思います。満井と和葉さんの2人の関係もどんどん変わっていきますし。だらっとする時間がなくて、見ていてすぐに30分経っちゃうと多います。ぜひ見てください!
──ここからは綱さんのパーソナルな部分についても聞かせてください。綱さんは「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」のグランプリを受賞したことをきっかけに芸能界入りされましたが、芸能界に興味を持ったきっかけは何ですか?
特になくて。ただテレビが常に付いている家だったので、「芸能人ってすごいな」っていう感じだけで。「俳優」とか「モデル」「アーティスト」「タレント」みたいな枠組みがあるというのも、芸能界に入るまで知らなかったくらい。
──単純にテレビに出たかった?
そうですね。「テレビに出たい」「有名になってみたい」みたいな。でもだからといって行動を移すこともなかったんですけど、たまたま「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」を受けてみないかと知り合いに誘われて「ワンチャンあんじゃん!」みたいな。本当にそのくらいのノリで受けました。
──ある意味、軽い気持ちで入った芸能界だったと思うのですが、お芝居は最初から楽しかったですか?
最初はそうでもなかったですね……。
──お芝居に対する気持ちに変化が生まれたのはいつ?
戦隊(テレビ朝日『騎士竜戦隊リュウソウジャー』)が終わったあとですかね。
──逆に言うと、戦隊のときはお芝居を楽しめていなかった?
なんていうか……戦隊では、みんなと一緒にお仕事をして、「リュウソウジャー」というひとつの作品をつくる過程は楽しかったけど、「お芝居が楽しいか」と言われたら別にそういうわけじゃなかったと思います。そのあと、『遺留捜査』(テレビ朝日)に出たときに、初めて褒められたんです。実は「遺留捜査」のプロデューサーさんが「リュウソウジャー」のプロデューサーさんと一緒の方で、「成長したね」と声を掛けて頂いて。うれしかった。それまでは自分がこの仕事に向いているか向いていないかみたいなことを考えたことがなかったんですけど、褒められてうれしくなったときに「この仕事をしても良いのかな」と思えるようになって。そこから少しずつ楽しめるようになりました。ちょっと余裕も出てきたのかな。自信と余裕が本当にちょっとだけ芽生えて。そこからです。
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