中学3年生がコロナによって奪われた時間を取り戻そうとする物語
「Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ」16歳カワイ・ヒバリ監督作のキャストが発表
2023.02.28 17:00
©2022 HJ Holdings, Inc.
2023.02.28 17:00
4月からHuluにて配信予定、16歳のカワイ・ヒバリ監督が手がけた映画『そこに光があるなら』がクランクアップし、あわせてキャストが発表された。
本作はオンライン動画配信サービス「Hulu」を運営するHJホールディングス株式会社が主催する35歳以下を対象とした新世代の映像クリエイター発掘&育成プロジェクト「Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ(通称:HUエイチユー35)」にて、グランプリを競う5組のファイナリストに選ばれた作品。昨年9月27日に実施された「ファイナリスト選考会」での選考後、映像制作のプロのサポートを受け、約3ヵ月にわたり脚本づくりと制作準備を進めてきたファイナリストたち。今回クランクアップした『そこに光があるなら』はファイナリスト選考会当時、最年少の15歳であったカワイ・ヒバリ監督がコロナ禍によって中学最後の夏休みを奪われた自身の経験を基にした企画をプレゼンテーション。審査員による選考は堂々の1位通過となった。
「京都に住む中学3年生の紗苗。コロナ禍で学校行事も部活動も停止になった中学最後の冬、同居していた祖母がコロナで亡くなってしまう。祖母との最期が喧嘩別れとなってしまった紗苗は悲しみや自責の念を晴らすために、同級生の桃子、麻弓、剛と共に、コロナのために中止となったあるイベントを自分たちの力で決行しようと計画を立てる」という本作のストーリーには、そんなカワイ・ヒバリ監督自身が感じた、やり場のない後悔が落とし込まれている。
本作のキャストとして主人公の紗苗役に中島瑠菜、また同級生の桃子役に南琴奈、麻弓役に田畑志真、剛役に田中奏生がそれぞれ抜擢された。そして、物語のキーとなる紗苗の祖母役として美保純が参加する。「撮影終わりにそのまま学校に向かった」というキャストからの目撃エピソードもある現役女子高校生のカワイ・ヒバリ監督は「とにかく無我夢中でした。撮影期間は今まで感じたことないくらいあっという間に過ぎていって、でも毎日初めての経験が待っていて、楽しさやワクワクとともに駆け抜けられたと思います。友情!とか愛情!とか⻘春!とかを、ポップでキュートに描けたのではと思っています。中学生のたくましさを観てみてください!」と力強くコメントした。
ファイナリスト5組の作品は、制作過程に密着したドキュメンタリーとあわせて、本年4月からHuluで配信予定。その後、グランプリの副賞として〈賞金100万円〉との獲得がかかった最終審査会と授賞式も4月に予定されている。また、授賞式では、Hulu会員からの投票により決定するオーディエンス・アワード(賞金50万円)の受賞作品も発表される。また、クランクアップに合わせて監督、キャストからのコメントが到着した。
監督・キャストのコメント
カワイ・ヒバリ(監督・脚本/16歳)コメント
とにかく無我夢中でした。撮影期間は今まで感じたことないくらいあっという間に過ぎていって、でも毎日初めての経験が待っていて、楽しさやワクワクとともに駆け抜けられたと思います。友情!とか愛情!とか⻘春!とかを、ポップでキュートに描けたのではと思っています。中学生のたくましさを観てみてください!
中島瑠菜(紗苗役/16歳)コメント
35歳以下という企画だから出会うことができた、同い年のカワイ・ヒバリ監督とご一緒できたことが本当に嬉しかったです。演出に関する表現が同世代で似ていることもあり、共感できることが多く、ご一緒していて楽しかったです。カワイ監督は自分の中に強く思い描いているものがあって、撮影していく中でいろんな意見やアドバイスなどを取り入れながら、芯を強く持って自分の作品にしている姿がかっこよかったです。監督の曲げない強さを見て、自分もそうなりたいと思いましたし、尊敬しています。この作品が、同世代の方やその姿を見守ってきたご家族をはじめ、観てくださった方全員にとって、コロナ禍での生活が「上手くいかないことばかりだったな」というマイナスな思い出だけじゃなく、劇中の“天燈”のように「コロナ禍だったからこそできたこともある」と、いい思い出として振り返るきっかけになったら嬉しいです。ぜひご自身の経験と重ねてご覧ください!
南琴奈(桃子役/16歳)コメント
まさか自分と同い年の方が監督だなんて!思ってもなかったので本当にびっくりしました。新鮮ですごくワクワクしました。監督、キャストの皆さんが同年代でいつもワイワイしていてとっても楽しい現場でした。撮影の合間はお互いの写真を撮り合ったり、沢山おしゃべりをしたりして笑いが絶えなかったです。監督は演技の指導から方言の指導まで丁寧に教えてくださってとっても分かりやすかったです。私がすごく印象に残っているのが、最終日の朝、撮影終わりに監督がそのまま学校に登校していて本当に高校生なんだな、と思いました。キャスト4人で「仕事終わりに学校行くのって、かっこいいね!」と話していました。本当に今回の現場は今まで経験したことのないことが沢山あったのですごく貴重な経験をさせていただきました!素敵な作品になっておりますので、ぜひ観ていただけると嬉しいです!
田畑志真(麻弓役/17歳)コメント
オーディションの時に監督さんの年齢が1つ下の15歳(ファイナリスト選考会当時の年齢)ということを聞き、とても驚きました。実際の撮影でも同世代で作り上げることで、チームとしての一体感がありましたし、毎日楽しく撮影していました。カワイ監督とは、歳が近いので話しやすかったですし、とても可愛らしい監督でした。リハーサルの時に監督からお手紙をいただいたのがとても嬉しかったです。コロナ禍になり、学校行事等が中止になることで、楽しみが減ってしまったという思いは皆さんも経験したと思います。実際に私も中学の修学旅行が中止になるなど、色々なことが制限されました。そんな中でも、この作品は目標に向かって突き進むこと、諦めないことを思い出させてくれるような⻘春物語になっていると思います。コロナ禍の時期を経験した私たちが今になって思うことが沢山詰め込まれているので、この作品を観て、少しでも明るい気持ちになっていただけたら嬉しいです。その光が皆様のもとに届きますように。
田中奏生(剛役/17歳)コメント
コロナ禍を描いた作品なので、僕たちが過ごしている日常に近く、何年か前の自分を見ているように感じました。こんなに日常に溶け込んだ作品に出させていただくことがあまりないので、いい意味で特別感なくナチュラルなお芝居をやろうというワクワク感がありましたし、この作品を観る方に、中学生の主人公たちがどんなことをやり遂げるのかというクライマックスをお届けしたいと思って臨みました。カワイ監督の発想がワクワクを与えてくれましたし、すごく熱心に堅実に取り組んでいらっしゃって、素晴らしい方だと思いました。ほぼ同年代の監督と役者さんとの共演だったので、意見のディスカッションもしやすかったですし、現場の雰囲気もすごく良くて、楽しかったです!
美保純(紗苗の祖母・美奈子役)コメント
今回、私が出演したシーン自体は⻑くはありませんでしたが、パンデミックの3年分を振り返ったようでした。監督のような若い世代はコロナ禍をどのように感じていたのかと気になっていたのですが、大人よりも辛いことを我慢していたのかなと感じました。カワイ監督はニュートラルな表現を何パターンもできる方だと思っています。私は40歳を過ぎてから短編作品を作りましたが、若い頃の方が物事を引いて見る力が強かったり、頭が柔らかくていろんなことを受け止められたりすると思うので、若い方には新しい作品の作り方にどんどんチャレンジしてほしいです。